全てはメロン記念日のために




さて、ここ最近の私はモーニング娘。への興味の延長だけでハロプロメンバーについてアレコレと分析したり、長文で語ったりすることを控えていました。正直今はそこまでしてモー娘。の「周辺」についてまで書く気力がない。なぜならモーニング娘。の何が私を惹き付けるのかという命題の核心(の一つ)が、去年のクリスマスの日記によって自分の中でつかめたので、外堀から埋める必要がなくなったからです。ですからそれ以降は自分がまっすぐ「好き」だと言えること以外については、貪欲にあれこれ考えたり、深くは触れたりはしませんでした。せいぜい気軽な番組レポをするくらい。なんか「好き」っていう大前提なしに語ることの空しさみたいなものを感じていたのですよ。好きでもないのに語るというのもおこがましいというか、浅ましい気もしましたしね。




そしてそんな私にもモー娘。の「周辺」としてではなく、独立した興味の「中心」として
メロン記念日について語れる日が来ました。そう、「曲は悪くない」とか「あの売り方は云々…」ではなくて、ユニットに対してストレートに「好き」と言える位置にメロンがついに来たのです。




その最後の引き金を引いたのは2002年2月15日の『ミュージックステ−ション』への出演でした。


番組の流れから説明しますと、まずオープニングで

「モーニング娘。の妹分オーデションで選ばれた4人組」

という紹介で登場
(ん? なんかその肩書きに人名が足りないけど…)。そしてトーク部分は例の「メルヘン担当村田めぐみです」みたいな自己紹介から始まり、番組側は去年の七人祭、十人祭りというシャッフルユニットの映像を持ち出して彼女たちを紹介してくれます。シャッフルユニットはメロン記念日が持つ世間に対する唯一のとっかかりだったわけで、それをからめて紹介するのはまさしく正解でありましょう。メロンを知らなかった一般の人でもシャッフルの映像を見れば「ああ、あのいっぱいいた人たちの一人なのね」ぐらいには認識してもらえたことと思います。しかもご丁寧に当時の彼女たちは雑魚扱いであまり写ってなかったことを強調して、これまでのメロンの立場を教えてくれていました。これによって
「売れなかったグループにようやく日の目が当っての『Mステ』初登場」
というメロンのポジションや物語背景が最低限は伝わったと思います。「で、その本人たちはどんな子なの?」って、初めて見た人に興味を持ってもらい、歌パフォーマンスにつなげるためには、実に良くできた導入だったと思います。この番組構成は、メロンに愛情があったからできたわけではなく、「この無名の新人が出てる間、視聴率を保つためにはどう見せるべきか」ということをクレバーに考えた上での正解なのでしょうね。さすがに音楽番組としてのステイタスを持つ老舗だけに良い仕事します。




で、そんな彼女たちのトークはどうだったかと言うと、終始ハイテンションで楽しそう。とにかく「『Mステ』に出れて嬉しい!」という気持ちがストレートに表に出ていました。なにせ2年前のデビュー以来の長い不遇の時代があってのようやくの躍進ですから、ただ無邪気なだけではなく、その感慨もひとしおだったのでしょう。見ているコチラまで嬉しくなってしまう姿でした。
しかし、ただ彼女たちが嬉しがったからああした魅力的な姿や表情が出せたわけではありません。どれだけ嬉しくても、やはり経験がない者だと緊張・萎縮してその喜びを表現に転嫁してあそこまでストレートに表に出すことはできないのです。メロンにそれができたのは、モー娘。のコンサートのオマケとしてではあっても横アリや武道館といった数々の大舞台を踏んで多くの経験を積んできたからこそでしょう。
つまり先日の放送は、
初出演故の新鮮な喜びと、経験を踏まえたアピール力が同居するという理想的な状態だったわけです。つまりアイドルというジャンルでは珍しい、奇蹟のような瞬間にあの時、我々は立ち合ったのです。




(より道)
そういった意味では、先日の『Mステ』のメロンの姿は、今のモーニング娘。にこそ見せたいものでした。既にトップスターである娘さんたちにとっては、もはやテレビ収録は日常の1コマに過ぎないわけで、それだけで喜ぶには、良くも悪くも慣れてしまっています。そして慣れてない5期メンはまだまだ経験不足で萎縮して喜びを前に出せていません。ですから少なくともトーク部分では先日のメロンほどの喜びのエネルギーを発することはできなくってしまっているように思えるのです。
ただ娘さんたちは歌うこと、メンバーと力を合わせてステージを作り上げることに関しては、まだまだ新鮮な喜びに満ちているように見えます(特にコンサートでは)。彼女たちの仕事量を考えると、これはこれで奇蹟的なことだと思います。




で、メロンは歌パフォーマンスでもその魅力を十二分に引き出せていたと思います。特に斉藤さんの弾けっぷりはめざましく、ほんの1・2秒のカットでも最大限のアピールができていました。同時にそれはその瞬間を見事に切り取って見せたカメラワークが素晴らしかったということでもあります。全力で弾ける彼女たちと、万全の体制でそれをアシストする優秀なスタッフ。音楽番組かくあるでしですな。
ハロプロライブでも大いに張り切って歌っていた彼女たち。会場の熱も『電話待ってます』の頃に比べれば段違いで、躍進への期待は膨らみます。




長い間 アップフロントエージェンシーのお荷物として鳴かず飛ばずだったこと、一部のファンに邪魔者扱いされながらも幾多の娘コンサートに参加してきたこと、楽曲の出来が悪く企画自体の意義が疑問視されていたシャッフルユニットに参加したこと、そして『This is 運命』で最後のチャンスを掴んだこと……そんなこれまでの経験がすべて先日の『Mステ』に結実するために用意されていた道程であったかのような、運命的なものすら感じます。This is 運命?
いや、…違うな。これは運命じゃない。過去にあったことを「必要なステップ」だったとするか、「時間の無駄」だったとするかは、結局「それらを踏まえて今どうするか」ってことにかかってるのでしょう。そう、元々これまでのメロンの経験には意味なんて何もなかった。それらに意味を与えたのは、他でもない今の彼女たち自身の覚悟と努力なのです。




今回の新曲『さぁ!恋人になろう』は店頭からはなくなって、オリコンデイリー20位という状況のようですので、初動はイニシャルで頭打ちになって順位的伸びは(現在の勢いほどには)期待できないかもしれません。しかしその結果にどんな意味を与えるのかは、これからの彼女たち次第です。願わくば、これがさらなる躍進の契機とならんことを。



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