TESLA/THE GREAT RADIO CONTROVERSY

 どうしようもない位、ブルージーかつ骨太な ’70年代HRの体臭を漂わせたTESLAの2nd。

 当時、WHITESNAKEやDEF LEPARDといった、かなり 作りこまれた音が流行っていたにもかかわらず、 極めて生音に近い感覚のこのアルバムはちょっと 珍しいものでしたね。
いかにも男臭い、叩けば (実際に)ホコリが出てきそうな(笑)極上の アメリカンHRです。

 ここで言うアメリカンHRとは 後に主流となるL.A.的メロディアスHRではなく、 テッド・ニュージェントやBAD COMPANYといった 土着型(…)ブルーズ・ロックの方です。

 カッコイイ!やっぱ、アメリカンはこうでなきゃ! また、Voのジェフ・キースが(前にも書いたが) 僕好みのしゃがれ系で、いい味出してるんだ、これが。
 もう、ベースのドライヴ効きまくりの1曲目から KO状態!ここにツインリードが絶妙にハモりながら 絡む展開はマジで感涙モノ!ハードでありながら、 キャッチーで覚えやすい、最高のHRが味わえます。
 んでもって、続く2曲目もあくまでミディアムテンポ を崩さず、ずしっとした手応えを感じさせる 佳曲。
3・4曲目はレイド・バックしてて、サザン・ ロック(またはカントリー)の影響を感じさせる 曲ですね。ま、スライドギター使ってるから そう聴こえるんですが(スライドギターって のは黒人ブルーズ系が多いですからね)。

 で、このアルバムのハイライトは#7「YESTERDZE GONE」 です。
彼らにしては珍しく、分厚いリフで 疾走してるんで、ゴリゴリのHMファンにも オイシイでしょう(む、よくわからん解説だなぁ…)。
個人的には#11のイントロに使われている アコースティックがTRIUMPHのインスト 「MIDSUMMER DAYDREAM」っぽくて好きですね (…この例でわかる人いるんかね?)。

 残念ながら、彼らは「変化」がない、という 理由で飽きられ、解散に追い込まれます (この手のバンドに変化を求める方がどうかしてる と思うんだけどなぁ…)。
「古臭くて…」と 敬遠してる人には「とにかく聴いてみな!」と 言っときましょう。こういうのも1枚くらい 持ってても損はしないから!

1988年作品



KATMANDU/KATMANDU

 元KROKUS/ASIA、現GOTTHARDのマンディ・メイヤー が、元FASTWAYのVo、デイヴ・キングと共に結成 したKATMANDUの1st。

 TESLA同様、’70年代のブルーズ・ロックの 感覚を持つんだけど、イメージはだいぶ違ってますね。 彼らはヨーロッパ的な、憂いと湿り気を持つ白人 ブルーズ系の印象を受けますから。
しかもVoのデイヴの声質が、粘りつくような、 やや鼻にかかったような、特異なものなので 誰にでも聴きやすいとは言えません。

う〜ん、はっきり言ってしまえば、今のHMファン にとっては全篇通して聴くのはツライ(笑) でしょうね。おそらく退屈に感じるでしょう。
 ただ、僕なんかはアコースティックを使った #6とか聴いてると、とても落ち着く(誰や! 年寄りとかぬかすヤツは!)んですよ。
さすがにマンディ、腕は確かですしね。

 アカペラやコーラスなど、「人の声」にこだわった アプローチなどは古き良きHRの実験精神が感じ取れ、 #7がその結晶として輝いています。

1990年作品



D.A.D/NO FUEL LEFT FOR THE PILGRIMS

 デンマーク出身の「変な」ロックンロールを追究する みょ〜な連中の3rd。

 ど〜にもコイツらを表現するのに、比較対象する 相手が見つからないのが困りもの(笑)。
やってることは骨太のロックンロールとしか言いよう がないんだけど、そこにちょっと一筋縄ではいかない トッピングやデコレーションがほどこされているんで 本質をつかみづらいんですよね〜…。

簡単に言ってしまえば、ロックンロールにパンクの 荒々しい攻撃性とブルーズの叙情性を加えて、 HRのメロディとハーモニーで彩りを添えた感じ…って、わかります? 分かる訳ねぇよな…書いてる僕がわかんないもん(笑)。

ま、要するに「カラフル」であるということ! 「変」だけど、聴いてて気持イイです。
深いベースの音(ちなみにこの人、2弦ベースです…) と適度に隙間のあるリフに時折絡む印象的な ギターメロ。
そこに乗っかる独特の粘り気をもつVoが歌い上げる キャッチーで一緒に口ずさみたくなる歌メロ…。 どれをとっても極上です!

 お勧め曲は、何と言っても#1!大ヒットしただけの ことはある名曲。メランコリックなベースラインとカッコイイ ギターリフ、印象的な美しいコーラス…素晴らしい!

そして#2・5・6がノリノリのリフで、問答無用で 頭を振らせてくれます(笑)。
#11ではHR的アプローチ、 ラスト#12に至ってはHMで始まって、途中から スラッシュへ(速弾きまで披露してます…)突進してくれます。

 ホントに聴いてて気持イイし、楽しい! ロックンロールの良さを存分に味わえる傑作です。

1989年作品