moonage daydream
CD収納問題 追加情報 07
CDソフトケース発売5周年企画
〜突撃!!FDRの椿さんに会ってきた!の巻〜
2002年4月13日。FDRの「CDソフトケース」の開発者である椿さんに会う機会に恵まれました。
とても気さくでファンキーな椿さんからはCDソフトケースの開発経緯から今後の商品展開まで様々な話を聞くことが出来ました。
この貴重な体験をみなさんと少しでも共有したいと思い、レポートを作成しました。題して「突撃!!FDRの椿さんに会ってきた!」。発売5周年を(勝手に)記念して公開します。長文ですが、よろしかったらどうぞ。
index
01. そもそも椿さんってだれ?
 当HPではおなじみCDスリーブの草分け、FDRの「CDソフトケース」。悪名高いPケースからCDを解放したその功績は計り知れません。
 このケースの販売元FDR、すなわち「フラッシュ・ディスク・ランチ」がレコード屋さんだったってみなさん知ってましたか?(笑)お店は下北沢の商店街の中にあって、扱う商品は主にロック、ソウル、ジャズを中心としたアナログレコード。その品揃えと良心的な価格で人気かつ有名なレコード屋さんなんであります。

 その有名レコード店の店長さんが椿正雄さんです。お歳は私よりも上なんですが、長身でファンキーな風貌はかなり「イケてるおじさん」であります。
 そしてCDソフトケースを開発したのもこの椿さん本人です。なんでアナログ盤を扱うレコード屋の店長がCDスリーブの開発を?と思われるかも知れませんが、その辺はこの後の「04.CDソフトケース誕生秘話」の項で説明したいと思います。

※CDソフトケースのHome Pageが試運転中です。FLASHアニメによる使用法はかなり分かりやすいです。アドレスはこちら
02. どうして会う機会ができたの?
 椿さんは有名レコード店の店長さんでありますから、いわゆる業界の中では「知られた存在」です。音楽雑誌「レコード・コレクターズ」にも連載していたこともあるようですし、後述の「音の書斎」というムックにも座談会に写真入りで参加しちゃうほどです。
 そんな「有名人」である椿さんと業界とは無縁の一サラリーマンである私がなぜ会うことが出来たのでしょう?

 きっかけは椿さんからFDRのお客さん達へのメール(内容はソフトケースの使い勝手に関する質問など)でした。椿さんへは以前に私の方から空のプラケースの処分方法などで何度かメールしたことがありましたから、FDRの顧客リスト(?)の中に私も入っていたのでしょう。
 私は自分がCD収納問題に関するHPを主宰していることを書いて返信しました。その後きた椿さんからの返信には椿さんがこのページの存在を前から知っていた(!)こと、そしてCDソフトケースに関する価格設定の内幕や新製品の開発への意欲などが熱く語られていました。そしてなんと私と会って話をしてみたい、とも!

 私はこの社交辞令かも知れない一文に感激して「ぜひお会いしましょう」というずうずうしい返事をしました。そして私事ですが、仙台への転勤がこの話を急速に具現化に向けることになりました。仙台に行く前にぜひ椿さんと会って話をしておきたい!そう思った私のわがままに椿さんは実に快く応えてくれた、というわけなのです。

 今思えば自分のしたことは本当に身勝手で図々しかったな、と反省もしてますが、実際に椿さんに会って色々話が出来て本当に良かったと思う方が大きいですね。
03. FDRのオフィスに潜入!
 4/13当日、私は友人Starmanと二人でFDRの店内で椿さんと待ち合わせ。時間より少し遅れてお店に行ったのですが、椿さんはまだ来ていませんでした。
 椿さんが来るまでの間、我々はお店を物色することにしたのですが、そこで大変なことに気付きました。なんとこのお店で売っているのはアナログ盤ばかりで、CDなんか一枚も売っていないのです!
 CDスリーブをあれだけ人に売っておきながら自分のお店にはCDを一枚も置かないなんて・・・しかもカウンターにはちゃっかりとCDソフトケースが置いてある。我々がこのことをいぶかって首を傾げていると、長身&長髪のファンキーなおじさんがお店に入ってきました。そうです、この人が椿正雄さん、その人なのでありました!

 椿さんはしばし店内を見渡した後、自分に失礼な視線を投げかける二人に気付いて声をかけてくれました。
「あなたが_tsukiさんですか。どうも椿です。よろしく。」
と挨拶もそこそこにお店を出てどこかに向かう椿さん。我々はそんな椿さんに呆気にとられつつ、付いていく以外になす術はありません。
 椿さんはFDRの向かいのマンションに入っていき、その中の一室に我々を案内してくれました。おずおずと中を覗くとマンガ雑誌が山積みになっていて靴の置き場もない玄関、更に続く雑誌の山の奥に見えるは事務机と椅子、そして数台のパソコン、更にその奥にはどう見ても使っているとは思えない台所などが目に入ってきました。
 なんとか靴の置き場を見つけて中に入って数分間、椿さんの口から「ここが一応FDRの事務所になっております。」という言葉を聞くまではそうだろうなとは思いつつ全く自信が持てませんでした。
04. CDソフトケース誕生秘話
 事務所にはCDソフトケースの試作や販促パンフレットがいくつか散らばっていました。そこで椿さんから伺った話は、
  • CDソフトケースの開発のきっかけは知り合いのミュージック・マガジン社から「社内のCDが増え続けて困っている。何とかならないか」という相談を受けてから。元々アナログレコードのためにビニール系の袋を何種類も作った経験のある椿さんは軽い気持ちで引き受けた。
  • ところが試作品を渡すと依頼先からは果てしなくそして細かく注文がついて、やっとのことで落ち着いた形が現在市販されているCDソフトケースとほぼ同じものだった。
  • 以来、ミュージック・マガジン社ではおびただしい数のCDをCDソフトケースに移し替えるのは新入社員の仕事として現在も利用され続けている。
といったものでした。
 当時はそんな知人の依頼で始めたに過ぎないCDソフトケースですが、あるムックの刊行をきっかけに一般の方々に広く知れ渡ることになります。そのムックとは音楽之友社から1996年に発行された「音の書斎〜あなたのレコード棚見せてください」です。この本の内容は後述しますが、その記事の一部に「苦悶のCD収納法マル必殺技公開」というすごいコーナーがありまして、何千枚、何万枚とCDを持つ方々がどんな収納の工夫を凝らしているかを取材したものです。
 この中に「ミュージック・マガジン社編集部の場合」として当時非売品だったCDソフトケースが紹介され、その際編集者から「椿さん、これ一般には売らないんですか?売るとしたら一枚いくらですか?」と聞かれて深く考えずに答えてしまった「一枚30円」が現在の小売価格に多大な制約を与えることになり、非常に後悔してるそうです。

 ともあれ、このムックに掲載されたことが思わぬ反響を呼び、方々の問い合わせに押されてとうとう一般にも販売を開始(1997年9月発売)することになって現在に至る、というのがCDソフトケースの誕生秘話なのです。
☆column:CD収納問題の開祖「音の書斎」
さて「CDソフトケース」を世に知らしめた「音の書斎」とはどんな本なのでしょうか?
  • 音楽之友社から刊行されたムック
  • 今までに2冊刊行されており、
    1)「音の書斎〜あなたのレコード棚見せてください」1996年11月初版
    2)「音の書斎II〜あなたのレコード棚もっと見せてください」1997年11月初版
    がある
  • 1)の元祖「音の書斎」は現在絶版
  • 2)の「音の書斎II」は現在でも入手可能
  • 内容はレコード・コレクター達の収納スペースとの格闘を描くべくレコード棚の写真と本人へのインタビューによって構成。
  • 1)のコラム的扱いで「苦悶のCD収納法マル必殺技公開」の記事があり、そこでFDRのCDソフトケースが採り上げられた。
  • 2)ではCD収納達人に混ざってFDR椿さん自ら対談に参加。達人達と激論(?)を交わす
といった本です。
もし興味がおありなら現在入手可能な「II」の方だけでも読んでみることをお薦めします。近くの書店にはほとんど在庫はないでしょうから注文するか音楽之友社HPバックナンバーページなどで入手するのがよろしいかと思います。

音の書斎 表紙
音の書斎
音の書斎II 表紙
音の書斎II
05. CDソフトケースは高い?
 当掲示板でもよく話題になりますが、FDRのCDソフトケースは本当に高いのでしょうか?
 現在タワレコなどでよく目にする50枚売りでの定価1800円(@36円/枚、税抜き)という値段は本来直販を対象にした値段設定で、タワレコなどで同じ値段で売るというのは実はほとんどもうからないそうです。それでもタワレコに置くのは宣伝効果が高いことと、「ソフトケース一つ買うのにわざわざ下北沢に来てもらうよりはお客さんにとって便利がいいから」なんだそうですが、ビジネス的には直販で買ってもらった方がいいようです(直販及びヴォリューム・ディスカウントについては下記参照)。

モノが「高い」というのには二つの考え方があります。

 1)原価に比して利益が多過ぎる
 2)原価が高い

FDRについては2)ということになると思います。
 本体の素材自体は厚手のビニールだし、裏は梨地だし、フタはついてるし、両面不織布もついてる。
「CDスリーブなんてただの袋でいいんだから、余計なものは省いて安くして欲しい」という声が聞こえてきそうですが、椿さんの言い分は違っていました。

「当初は特定のクライアントの注文に合わせて作っていましたが、一般に売ることになってからは不特定多数の利用者のことを考えています。
不特定多数ということは要求も多種多様で、月に数百枚CDを買う人もいれば年に数枚しか買わない人もいる。CDを大事に部屋にしまっておく人もいれば外に持ち出す人もいる。一般に売る=商品を売るということはそういった要求のある程度の最大公約数をねらう必要があるんです。」


 あと、これは私の主観ですが、Pケースは場所はとるもののそれなりに所有する喜びを与えている。そのPケースを捨ててCDスリーブにするのだからスリーブにも高級感を求める向きはある。CDソフトケースの厚手のビニールは商品としてのステータスを醸していると思います。
 ただの袋と考えるか、Pケースの代替と考えるかで結果は異なってきますが、CDソフトケースはその最大公約数を狙いつつ、コストも意識した製品であるといえます。

※そんなFDRは現在販路を拡大すべく大口顧客を募集中。業務用にCDを使用・保管する企業・図書館・学校・放送局などに知り合いのいる方、このページの最後にあるFDRの連絡先まで情報を提供しましょう。
06. CDソフトケースのこれから
 一見完成型を見たと思えるCDソフトケースですが、実はまだ発展途上なのです。多くのユーザーから寄せられる要望としては、

 1)フタは必要ない
 2)透明と半透明のビニールは入れ替えた方がいい

というもの。
 1)については椿さんいわく「フタは放送局関係の人などCDを外に持ち出す人には好評。必要ない人はフタを切ればいい。」・・・さすが大衆向け。
 2)は私も同感なのですが、「中身を取り出す動作を考えると不透明側にフタがついている方が素直」なんだそうです。といいつつ、その辺は改良の余地があることは椿さんも認めてました。

 また長期保存や環境問題に関連して、塩化ビニール以外の素材についてもいくつか試作しているそうです。が、やはりコストが高くなることがネックになっている模様。

 いずれにしても現在CDソフトケースはかつて無いほどの転機を迎えてようで、次期製品がどんなものになるのか楽しみですね。
07. あとがき
 とにかく平凡なサラリーマン生活を送っている私にとっては少なからず刺激的な個性を持っていた椿さんだったわけですが、上記以外でのこぼれ話としては(というかこぼれ話の方がメインだったかも)、
  • 椿店長はこともあろうにCDはおろかレコードも持っていない。 必要なときだけ友人から借りるという究極の収納達人。
  • FDRは結構見つけにくい。自力で見つけられずに椿さんに電話したのがお店の真ん前だったというお粗末さ。
  • 業界の耳の肥えた人達はCDはあくまで記録・保存用で、普段は音のいいアナログで聴くのが常識。だからこそCDの収納には悩まされている。
  • ラジオなどのDJは音源は自前であることが多い。放送局のライブラリーほどあてにならないものはないそうだ。
  • 実はこの日我々は椿さんのお子さん3人とも一緒だった。事務所で話している間も外で待たせていたジュニア達の行動を常に気にしていて、父親としての椿さんも垣間見える微笑ましい取材だった。
  • 一緒に飲みに行った居酒屋は和風の佇まいながら70年代のロック&ポップスがBGM。「お、この曲いいんだよねえ。知ってる?」なんて会話はただの音楽好きの飲み会の様相。
  • なんと椿さんは絶版である元祖「音の書斎」を私にくれた。
などなど、非常に興味深い話&貴重な体験が連発。お会いする前はいろいろ質問することを考えていたんですが、そんなことがとても陳腐に思えてきてほとんど聞かずじまいでした。
 話は尽きなかったのですが、私の終電の時間が近づいたので楽しい時間に終止符を打つことにしました。
 椿さんは「これから、ケンカして最近口を利いてなかったやつと飲みに行くんだ」といって下北沢の街に消えていきました。

 反省点としては写真を一枚も撮らなかったことですかね。椿店長の素顔やFDRの事務所などを撮っていれば・・・なんて思っても後の祭り。タイトルこそ「突撃レポート」なんていってますが、取材中に話しに夢中になって写真を取り損ねたなんてレポーター失格です。
 でも椿さんとの貴重な話しをそっちのけにして写真を撮るなんてことは私には出来なかった・・・ということで文字ばかりの見にくいレポートですが、どうかご理解のほどを。

 最後にこの場をお借りして、我々に貴重なお時間を割いていただいた椿さんに本当に感謝いたします。取材のはずがホント却ってお世話になりっぱなしでした。
 楽しい時間をありがとうございました。
☆column:CDソフトケース直販のご案内
本文でも触れましたが、CDソフトケースをFDRで直接購入するとヴォリューム・ディスカウントなどの特典があります。

1)ヴォリューム・ディスカウント(1枚用:税込定価1890円、50枚入り)
枚数価格単価税込価格通販価格
送料・税込
100348034.836544000
150504033.652925800
200652032.668467300
250780031.281908700
300900030945010000
35010500301102511500
40012000301260013100
45013500301417514700
50015000301575016300
100028000282940029900
150042000284410044600
200056000285880059300
 (2枚組用(1200円25枚入り)のヴォリューム・ディスカウントは無し)

2)お試し用通販PACK(勝手に名前つけました)
 1枚用50枚入り+2枚組用3枚のセット:2000円(送料・税込み)
 郵便振替口座(00110-5-31899フラッシュ・ディスク・ランチ)に送金

3)無料お試しPACK
 1枚用、2枚組用各一枚
 FAX、ハガキ、e-mailで「CD収納問題」係で申込み

■問い合わせ・申込みは・・・
 フラッシュ・ディスク・ランチ FLASH Disc Ranch
 〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-12-16三鈴ビル2F
 TEL:03-3414-0421
 FAX:03-3414-0432
 E-mail:flash@mx5.nisiq.net
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