トラブル発生!出動せよ! Part 2

 

 

  Part 1では若い層の話をしましたが、 なんといっても困った客の王道(?)は熟年層。 若い人たちは群集パワーで攻めてきますが、 年寄りは一人一人が強敵です(笑)。 まず第一に屁理屈が多い! どう考えても通らないような理屈でワガママを押し通そうとします。
  たとえばある演歌歌手のコンサートで・・・・・1階席前方の通路にしゃがみ込んでいるおばさんがいました。 そこで「すいません、自分の席に戻ってご覧ください」というと だって音が大きくて耳が痛くなるのよ。 そのおばさんのチケットを見せてもらうと、なんと2階席! おいおい、1階の方が音はでかいだろうが!と思わず怒鳴りたくなりました(笑)。

  そうそう、音がでかいと言えばこんなことも・・・
岩○宏美のコンサートの時、 扉の近くで案内をしていた係のところへ突然怒鳴り込んできたおばさんがいました。
「もっと音は小さくならないの!」
「すいません、客席全体に音を行き渡らせるにはこのぐらいの音量は必要な  んですよ」
「これでは宏美ちゃんが壊れてしまう!」
ここまでくると訳がわかりません。
  酔っ払いが多いのも演歌系の客の特徴でしょうか。 必ず1人2人いるんですよね。 そんな話をひとつ・・・・・

 

  取手市民会館(茨城県)というところで神○美伽のコンサートをやった時のこと。 昼の部(演歌は昼・夜の2回公演が多い)の客入れをして客席を見回してみると、中通路のすぐ後ろ、下手寄りの席でぶつぶつ独り言を言っている人がいる。 見ると小柄なオヤジが真っ赤な顔をして座っている。 そして右手にはカップ酒、左手には焼き鳥が・・・
すいませんお客さん、場内での飲食は禁止になっているんですけど」 「う、わかったわかった と言いながらまだ食べ続けている。 ぜんぜんわかってない。 とにかく説得してなんとか酒と焼き鳥をしまわせる。 ほおっておいたらヤバイので近くの扉について見張っていると、
よう、にいちゃん!と話しかけてくる。
 すいません、本番中ですからお静かに
 「
おお、硬いこと言うなよ大将! 大将じゃないっつーの!
いつまでもうるさいので、仕方なく一旦ロビーに連れ出して、そこにいたイベンターの人に事情を説明して引き渡すと、やれやれという気分で持ち場へもどりました。
  しばらくすると客席最後尾の扉から、さっきのイベンターの人と一緒にオヤジが入ってきて、一番後ろの席に座りました。 いろいろ注意されたようで、今度はおとなしくなったようです。 ・・・と思って安心していると、突然立ち上がって下へ降りてきました。 トイレかなと思って見ていると、酔っ払いとは思えない足取りでスタスタスタとステージの方へ。 「ヤバイ!」 。 おいらはダッシュでオヤジの後を追う。 反対側の扉にいた警備員も走ってくる。 ステージの直前でなんとか追いつくと、両側から腕を抱え、バタバタ暴れるオヤジをひょいと持ち上げるとそのままロビーへ連れ出しました。 ここまでくると仕方ないのでイベンターとも相談して、帰ってもらうことに・・・。 
  で、扉の外へ連れ出したんですが、この酔っ払い、また入ってこようとする。残りのカップ酒もいつのまにか飲んでしまったようで、もうベロベロ状態で、何度外へ出してもまた入ってくる。 主催者も怒り出して、「もっと遠くへ連れて行け!」とまるで小犬でも捨ててくるような言い草です。 とにかく遠くへ捨てて(笑)来たんですが、 しばらくするとまた戻ってきて「おーい、おーい」と扉を叩いている。
 とうとうイベンターの若い社員がキレてしまって、オヤジの後ろ襟を引っ掴むと「いいかげんにしろ!」と怒鳴りながら駐車場の外まで引きずっていった。そしてひょいと放り出すようにしたのですが、運悪くそこに立っていた車止めの鉄柱(ちょうどオヤジのヘソくらいの高さ)に引っかかり、勢いで一瞬スーパーマンが飛ぶように身体が水平に浮き上がると、そのまま顔からビタ〜〜ン  
  しばらく動かないのでわれわれも不安になり近づこうとした時、突然むっくり起き上がった! クルっと振り向いたその顔は鼻血で真っ赤! そしてその状態でこちらへ向かってきた。 そのほとんどゾンビのような姿に思わずわれわれ「うわーっ」と叫んで逃げ出しました。 そして会場に入って中から鍵をしめる。 「おーい、おーい」と言いながら扉を叩くオヤジ。飛び散る鼻血でガラスの扉は真っ赤。
 ここでついに警察へ通報。 さっそく到着したパトカーに乗せられて、どこやらへ連れて行かれてしまいました。
  後に残って事情聴取していった警官の話によると・・・
「いやあ、あの男はアオキっていってね、このへんじゃ有名な男なんですよ。」
酔っ払ってはいつも問題を起こしている常連なんだそうです。

しかし、演歌の仕事のときはこの手のトラブルは毎回のようにあって、とりあえず退屈することはなかったですね。 このオヤジは「取手の水平オヤジ」と呼ばれて、しばらく我々の間で語り種になっていました(笑)

 


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