

コワ〜いものから、違う意味でコワいものまで、サメ映画の紹介です。
ただし、ネタバレ注意です!
まずは映画を見てからという方は、読まないようご注意ください。

目次;
全てはここから始まった… ジョーズ
スタッフ再結集 ジョーズ2
メガロドン登場? ジョーズ3
復讐じょーず ジョーズ87・復讐編
帰ってこなくていいのに ジョーズ・リターンズ
今度のサメは激流に登場!? ジョーズ98・激流編
イタリア万歳! ジョーズ・アタック
わりと普通 シャーク・アタック
おバカまじめ映画 ディープライジング
実写のメガロドン登場 ディープライジング・コンクエスト
メガマウス対スズキさん ジュラシックジョーズ
ジョーズ二番煎じ ディープ・ブルー
ブルースの再来 ファインディング・ニモ
CG80% メガロドン
B級映画チャンピオン!
付録 スネークジョーズパニック
ジョーズ
ストーリー: ☆☆☆☆☆
恐さ: ☆☆☆☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆☆
総合評価: ☆☆☆☆☆
あらすじ: ニューヨークからアミティ島に引っ越してきた警察官、マーティン・ブロディは、着任早々海で起った奇怪な事件に巻き込まれる。検屍官の発表は、サメの襲撃であった。海を閉鎖しようとするブロディを、島の儲けにかかわるとして、市長をはじめとした島の代表者達は妨害する。
だが、彼の恐れていた第2の犠牲者が現れ、第3、第4の犠牲者も出て彼の息子が危険にさらされた時、彼はついにサメを殺す事を決意し、海洋生物学者のマット・フーパー、地元のサメ漁師クイント船長とともに、サメ退治に乗り出すのだった…
レビュー: この映画は第1級の作品です。スピルバーグの卓越したカメラさばきはもちろん、ジョン・ウィリアムズの音楽も素晴らしく、時には不気味で、時には明るく壮大で、海へのロマンを掻き立ててくれます。この映画に使用された機械仕掛けのサメ「ブルース」は、お粗末なもので、上出来とは程遠いものでしたが、それはスピルバーグの手腕によってみごとに隠されています。このサメは海面下でまともに動いたためしがなく、撮影は地獄のようだったといいます。スピルバーグは、撮影現場を離れる時、マッカーサーの有名な発言“
I shall return.”(私は帰ってくるぞ)をもじって、「私は帰ってこないぞ」と言ったとのこと。
この映画が与えたサメの印象は強烈で、当時の海水浴客が激減し、風呂に入っていても配水管からサメが出て来て食べられるのを怖がる人までいたとか。よほど人間の持つ潜在的な恐怖を刺激したと見えます。
ちなみに、最後にサメをやっつける時に叫ぶブロディ署長の「笑え、畜生!Smile you son of a bitch!(スマイル・ユー・サノバビッチ)」は、名文句となり、後の多くのサメの映画でも、主人公が常にサメに向かって「サノバビッチ!サノバビッチ!」とわめくという、サメにはかなり失礼な伝統を築きあげました。
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ジョーズ2
ストーリー: ☆☆☆☆
恐さ: ☆☆☆☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆☆
総合評価: ☆☆☆☆
あらすじ: 再び不吉な影がブロディ署長を脅かす。いたるところで、サメの襲撃の間接証拠が出るのに、肝心のサメはなかなか姿を現さない。サメがアミティ島の海にいると騒ぎ立てるブロディを、島の代表者達は煙たがってクビにしてしまう。だが、ついにサメは姿を現す。しかも今度は、顔の一部が無残に焼けただれた怪物だ。
サメの存在が判明したおりもおり、ブロディや市長の子供達はヨットに乗って沖合いに乗り出していたのだった。以前のような頼もしい仲間のいないブロディは、子供達を救うため、単独で海に乗り出した!
レビュー: スピルバーグを除いて、一作目を担当したスタッフが勢ぞろいした正統派の続編。一作目を忠実に踏襲した作品ですが、今度は観客の事を気遣ってか、サメの襲撃シーンに一滴も血が流れません。
今回のスカーフェイスになったサメの模型は、できがよく、本物と区別がつきにくくなっています。
今回もジョン・ウィリアムズの音楽はさえわたります。冒頭の静かで不気味な、しかし美しい音楽は、海になにかがいる事を暗示しています。とてもよくできた作品で、最後まで見る者をぐいぐい引っぱっていきます。
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ジョーズ3
ストーリー: ☆☆☆
恐さ: ☆☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆
総合評価: ☆☆☆
あらすじ: サメを2度も退治したブロディの息子マイケル・ブロディは、成長して海洋生物学者になった。彼は海の一部を使用した最新の海洋水族館で働いている。ある日水族館の機械の故障を調査するために潜水艇でもぐった彼は、いきなり3メートルのサメに襲撃される。
水族館の館長は、このサメを捕えてアトラクションに使おうと試みるが、乱暴に扱ったために結局死んでしまう。だが、そのサメは、実は巨大ザメの子供でしかなかったことが判明する。その時運悪く水族館が開園され、押し寄せる観客の前に現れたのは、体長10メートルの怪物だった!
レビュー: この作品は、当時はやりの立体映像で公開されました。巨大ザメが水族館をめちゃくちゃにして大パニックを起こすという設定は、後のスピルバーグの『ロスト・ワールド』の水中バージョンと言えない事もないです。
10メートルにもなるホホジロザメのロボットは非常に精巧なもので、口から水をすいこんでエラから吐き出して前進するというシステムを持っていました。この怪物のようなサメは、メガロドンを連想させるものだったため、メガロドンが今も生きているのではないかという論文が、科学雑誌に発表されたりもしました。
ただし、この巨大すぎるサメは、かえってスピード感に欠け、恐くなくなってしまいました。前作までの恐怖を期待していた人はがっかりさせられるのではないでしょうか。
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ジョーズ87 復讐編
ストーリー: ☆☆
恐さ: ☆☆
サメの出来: ☆☆
サメへの理解度: ☆
総合評価: ☆☆☆
あらすじ: マーティン・ブロディはすでに世を去り(すでに2匹やっつけてウンザリしていたところにまたジョーズが出てきたので心臓発作を起こしたことになっている)、彼の妻であったエレン・ブロディは、警察官になった次男のショーン・ブロディと共にアミティ島に住んでいた。
ところがある日、ショーンは、海の上でなに者かによって殺された。スクリューに巻き込まれたという検屍官の発表も、彼女を落ち着かせることにはならなかった。悲しみに沈むエレンを、長男のマイケルは自分が海洋生物学者として研究しているバハマの海に招待する。そんなマイケルの前に現れたのは、巨大なサメだったが、彼は母親を気づかってそのことを話さず、自分はサメの研究に没頭する。
ところがある日、海でバナナボートに乗って遊んでいた彼の娘が、サメによって襲撃される。娘は辛くも生き延びたが、サメの目的は唯一つ、自分の家族に復讐するためだと考えたエレンは、サメと雌雄を決すべく、ヨットに乗って単独海へ…
レビュー: シリーズ完結編ですが、使われたサメの模型は何とも情けないもので、子供すらだませないものでした。それでもところどころにいいシーンはあって、例えば冒頭のショーンが襲われる場面、沈没船でのマイケルとサメのチェイス、バナナボートへのサメの襲撃などです。要はサメのできばえよりも、監督のセンスが問題といったところでしょうか。
サメの最期は謎で、電流攻撃によって苦しんだサメは、なぜかンガオーッと雄叫びをあげ、もがき苦しんで海面から立ちあがり、その状態でたっぷり数秒間静止したあげく、ヨットのバウ・スプリット(船首から突き出た棒)に突き刺さって爆発する。
「ところで、なんでサメが感電しただけで爆発するの?」
「それは君、あれがああなってこうなるからだよ」
「そっかー!」
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ジョーズ・リターンズ
ストーリー: ☆☆
恐さ: ☆
サメの出来: ☆
サメへの理解度: ☆
総合評価: ☆
あらすじ: とある街の海岸で、数日後にレガッタ(帆つきサーフボード)の競争大会が開かれようとしていた。そしてみながそれに備えてレガッタの練習をしているさなか、優勝候補の選手が行方不明になってしまう。
その選手の友人である娘に、捜索の手助けを頼まれたのは海洋小説家のピーター・ベンチュ…ベントン。彼は友人のサメ漁師ロンとともに、海で何者かに噛み砕かれたサーフボードを発見する。
犯人をサメと見たピーターは、町の知事候補でレガッタ大会の開催者ウェルズに、大会を中止するよう忠告する。だが、ウェルズは大会をいまさら中止するわけにいかないといい、湾口にサメよけネットを張って大会を強行する。
だが、サメはネットを壊して湾内に侵入していた。ここで登場したのが体長10メートルの巨大ザメ。サメはグオーッと叫びながらレガッタ選手に次々と襲い掛かり、大会をめちゃくちゃにしてしまった。
結果としてウェルズはその責任を取らされ、知事選挙の支援者からサメを殺すように迫られる。それを見ていたウェルズの息子は、父親のためと称しつつピーターの娘とともにボートで海に出て、サメを殺そうとする。ところが彼のへたくそな射撃は一発も命中することなく、逆にピーターの娘が襲われて足をなくしてしまう。
これを知って驚愕したウェルズは、自らヘリコプターに乗ってサメ退治に乗り出した。そして海上に来ると、ヘリからワイヤーで肉を吊るしてサメをおびき寄せる。が、彼は武器らしきものをひとつも持っていない……。そこへ登場したサメ、肉に喰らいついて引っ張り始めた。すると「上昇しろ!」とわめくウェルズ。どうもサメをヘリで釣り上げられると本気で思っていたらしい。ヘリは落下し、ウェルズとパイロットは食われてしまう。
その後、ピーターはロンと一緒にサメ退治に精を出す。そして沈んだウェルズのヘリを発見。歴戦のサメハンターであるロンは、ひとりでサメを殺すといって聞かず、体にダイナマイトを巻きつけたまま海に潜って行方不明になる。
ピーターは結局サメを発見できずじまいで戻ってくるが、今度は海岸で、頭の悪いカメラマンが桟橋の柱に肉を巻きつけて、サメをおびき寄せようとしていた。しかもそうとは知らず、桟橋の上にはピーターの妻をはじめ数多くの見物客がいた。当然のことながら、そこへサメが登場すると、肉を桟橋ごと引きずって、沖に泳いでいってしまう。
だが運良く船でその場に駆けつけたピーターは、海に浮かんだ桟橋からカミさんたちを救助した。
最後は、ピーターとサメとの桟橋上での一騎打ち。ピーターは追い詰められるが、彼のそばに、溺死したロンの体がぽっかり浮かびあがった。しかも彼は、まだ体にダイナマイトを巻いている。それを見たピーターは、彼からダイナマイトのリモコンスイッチを取りあげるが、その瞬間サメが再び現われてロンをくわえ込んだ。ピーターは桟橋から海にジャンプしながら(なんでそんなことをするのかは不明)スイッチを作動させ、サメを木っ端微塵にする。
レビュー: この作品は、主にイタリア人が制作にかかわっているようです。というのも、オープニングのタイトルで次から次からイタリア人の名前ばっかり出てくるからです。さて、内容は思いっきり『ジョーズ』のパクリですが、主人公のピーター・ベントンという名前には笑えました。これによって、『ジョーズ』の原作者は自分の実体験によって本を書いたのだということが判明します。
この映画ででてくるサメは、正直いって相当ひどいデキです。どうも、体の前半分しか作られていないようです。これが海上に出てきて「グオーッ」とうなるあたり、かんべんしてほしくなりました。しかも動きが悪いので、被害者がわざわざ体をサメの口のなかに押し込まなければならないほどです。自殺志願でもない限り、泳ぎがそうとうヘタな人でさえ、このサメに食われるのは難しいと思います。
映画の終わりのところで、ピーターが爆弾のリモコンにスイッチを入れた瞬間、画面が真っ暗になって、ズズーンとかなんとか音がします。何が起こったのか、とっさにはわかりませんでしたが、エンド・クレジットが流れはじめて「ああ、サメが死んだんだ!」と初めて分かります。最後くらい、派手に爆発してほしいと思いました。
ちなみに、この映画の本当のタイトルは『ラスト・シャーク』といいます。
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ジョーズ98・激流編
ストーリー: ☆☆☆
恐さ: ☆
サメの出来: ☆☆☆
サメへの理解度: ☆☆
総合評価: ☆☆
あらすじ: 普段は平和なはずの川で、何者かによる犠牲者が次々と出る。海洋生物学者のスティーブンはそこにサメの存在を嗅ぎ取るが、犯人はいつも痕跡を残さず消えてしまう。が、あるときホームレスでアル中のおっさんが川に泳ぐ巨大なサメを目撃。あわててみんなに伝えるが、誰も笑うだけで相手にしない。
同様にスティーブンはサメの存在を信じ、息子に川に入るのをやめさせようとする。だが息子と友人はキャンプに行ったおり、こっそり川で激流くだりをはじめたからさあ大変。
おりしもサメの存在が確認されて、スティーブンが駆けつけてきた。サメにガソリン入りのタンクをくわえさせて、それを射撃して爆破しようとするも、射撃手がへたくそで命中しない。だがそこで現れたのがホームレスのおっさんだった!ショットガンを取り上げるなり、銃を構えてひとこと「バイバイ・ベイビー」。サメは見事にふっとんだのであった。
レビュー: サメが川に現れて人を襲うという、珍しい設定の映画です。歴史的事件をもとにしているということですが、あの犯人はホホジロザメじゃなかったといわれていることなどミジンも配慮されていません。
どんな内容なのかと思いつつ見てみると、これがまた低予算の映画です。まず、カメラは8ミリだったんじゃないかと思います。おまけに2人の人物が会話する場面の、ライトの設定が全然違うので、撮影したときは2人とも別の場所にいたのだということが即効バレます。
サメは確かに現れるのですが、エサでおびき寄せたホホジロザメの水中ショットをときどき挿入するだけ。さらにサメはやる気がないのか、ただウロウロしているだけで、襲撃のシの字もありません。もちろんサメと人が一緒に映るなんてことはないです。しかし監督はうまく合わせようと頑張ったようで、サメがカメラに近づく映像のあとに、水上バイクに乗った人物が転落するという工夫をしています。なんとなく水上バイクの人は自分からこけているような気がしますが、そんなことはありません!(たぶん)
この映画でいい味を出しているのは、やはり、アル中のおっさんでしょう。かつては戦争の英雄で、射撃の名手だったという設定で、今は故あってホームレスになっているそうです。サメが倒されて息子の友人たちが「スシだ!スシだ!」とわめくなかで、警官がホームレスに「今日は一緒に飲み明かそうや」という場面があって、妙に感動します。その感動たるや、この映画はホームレスをテーマにした映画だったのかと思うほどでした。
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ジョーズ・アタック
(あらすじ・レビュー by クラウゼンハイさん)
ストーリー: ☆☆☆☆
恐さ: ☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆
総合評価: ☆☆☆
イタリアン・インターナショナル・フィルム 1987年 イタリア
製作:アルヴィオ・ルチサノ 監督:アンソニー・リッチモンド
脚本:ニノ・リッチ 主演:トリート・ウィリアムズ
あらすじ:メキシコのカンクンでサメ漁を生業とするデビットには、宿敵と呼べるサメがいた。その名は、人食いサイクロプス。サイクロプスもまた、デビットをライバル視しているかのように、彼のボートを奪うなど、再三、彼を挑発しつづける。しかし、デビットは、いつかサイクロプスと決着をつけようと思いながらも、相棒のパコと共に、和やかな寒村生活を送っていた。
デビットの弟ジェームスは、悪徳企業に雇われ、盗聴を生業としていたが、野心から組織を裏切り、闇取引の証拠CDをネタに組織のボス・ローゼンスキーをゆする。そして、自分の身に危険が及ぶことを予想していたジェームスは、証拠CDを頼れる兄のデビットに送った。デビットもまた、かつては裏社会で生きた男だったのだ。しかし、もう裏社会には足を踏み入れないと決意していたデビットは、証拠CDをサイクロプスに食わせてしまう。
組織のボス・ローゼンスキーは、デビットの元妻リズを買収するなど、取引によってことを解決しようとするが、部下のトニーはあくまでも、ジェームスとデビットの殺害を進言する。彼は言う、「殺しにも良いところがありますぜ。取引と違って、決着をつけることができる」
トニーとその部下の殺し屋たちは、ボスの命令を無視してカンクンまで乗り込み、手始めにジェームスを殺害する。こうして、メキシコの平和な寒村を舞台に、主人公、殺し屋、そして人食いザメの三つ巴の戦いが始まった。
主人公は、ジャングルや海へと舞台を移しながら、殺し屋たちを全滅させることに成功するが、弟や元妻をも失い、このうえ親しい者たちを失うことを恐れたデビットは、この戦いを終わらせるには証拠CDをローゼンスキーに返すしかない、と決意する。そう、ついに、宿敵サイクロプスと決着をつけることを決意したのだ。デビットとサイクロプス、最後に勝ち残るのは・・・
サメ:敵役のサイクロプスは、すべて実写のイタチザメ。体長は、目測だが4メーターくらい。実写なので、なかなか迫力がある。とりわけ、「ウォーッ!」と吼えるサメを見られるのは、この映画だけ!他には、釣り上げられたサメが何度か登場する。特に、酒場で度胸試しに使われるサメのシーンは印象的。
レビュー:「巨大鮫襲撃!」のキャッチにダマされて、アニマルパニック映画と思って観てしまうと、はっきり言ってゲンナリすることだろう。肝心の人食いザメは、オープニングでダイバーの脚を引きちぎり、なかなかの迫力を見せてくれるが、その後の見せ場はリズとトニーを食いちぎるシーンと、最後の決闘くらいで、あまり出番がない。
この映画は、サイクロプスをサメとしてではなく、あくまで主人公の凄腕のライバルだとして見るならば、西部劇に近いと思う。主軸となるのは、過去から逃れようとして寒村に流れて来た男が、結局は過去から逃れられずに、血みどろの殺し合いに巻き込まれてしまう悲劇である。
しかし、この映画に限っては、それは悲劇ではないのかもしれない。なぜなら、戦いに身をおいた男というものは、敵をライバルと認めた時点から・・・トニーの言葉を借りるなら・・・「決着」をつけずにはいられないものだからだ。証拠CDをサメに食べさせるという異常とも思える行動の裏には、主人公の「決着」に対する深層心理が見え隠れする。主人公デビットを駆り立てていたものは、結局、裏社会で生きていた頃と同様、戦う男の本能だったのだ。そして、この映画は、その本能の成就という一種のサクセスストーリーを描いている、と言っても過言ではないだろう。
こう言うと何だか重苦しい映画のようだが、世界でも陽気なことで知られるイタリア人が陽気な南国メキシコを舞台に描いただけあって、随所にニヤリとさせられるシーンが散りばめられている。
パコが酒場の賭けでインチキをして大乱闘となるが、主人公が酒をおごると言った途端に大乱闘があっさり収まったり、思わせぶりな登場をする色っぽい美女がまったくストーリーと関係なかったり、ただ水着姿の女性を見せたいがためだけにマイアミ・ビーチをカメラが舐めるように横切ったり、ジャングルでの決闘シーンが「ランボー」のまんまパクリだったり、不必要にカースタントが入ったり水上機やボートを爆破したり、とB級映画的ポイントはすべて押さえてある。
さらに評価したい点は、脚本の確かさである。この映画は、ラストにいたるまで、ストーリーが二転三転するが、B級映画にありがちな不条理などんでん返しではなく、すべて納得のいく意外性なのだ。とりわけ、元妻や相棒、世話になっている神父の裏切りは、全て可能性が示唆された裏切りであり、誰が本当に裏切ったのかとハラハラさせられる。
また、王道とも言えるが、荒んだ生活を送ってきた主人公が孤児の少年と心を通わせる描写は、ラストへの伏線という意味もふくめて秀逸で、本当に和まされる。結論としては、「サメの映画」好きにではなく、「戦う男の映画」好きに観てもらいたい映画である。
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シャーク・アタック
ストーリー: ☆☆☆☆
恐さ: ☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆☆☆☆
総合評価: ☆☆☆
あらすじ: 南アフリカでサメの襲撃が異常に増えたのを疑問に思った海洋生物学者は、現地に飛んで調査を開始する。調査が進むにしたがって、浮かび上がってきたのは腹黒い港の市長。彼は石油が近海で発掘できるのを知って、漁師を追い詰めて港から追い出すためにサメに攻撃的になるステロイドを投与していたのだ。とらわれた恋人を救うためと、サメの襲撃を止めるため、主人公は漁師たちと手を結んで市長たちを生きるか死ぬかの戦いをするが……。
レビュー: これは悲劇的なことに名前が似ている『ジョーズアタック!』とは全く違う、非常によく出来た映画です。またサメのことを悪役として扱わない、まれな映画でもあります。サメの映像は本物のサメを撮影しているためとても美しく、またときどきジョーズ第1作目のシーンとダブらせていたりして、見ていてとても楽しい作品です。
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ディープライジング
ストーリー: ☆☆☆
恐さ: ☆☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆?
サメへの理解度: ☆☆☆
総合評価: ☆☆
あらすじ: 日本名にだまされて見ていると、何と冒頭に『シャーク・アタック2』と出てくる。そう、何とこの作品、『シャーク・アタック』の続編なのだ。所は、同じ南アフリカのケープタウンである。新しく開園予定の水族館のアトラクションとして、ホホジロザメを捕まえることを館長は思いつき、主人公のニックにサメ生け捕りを命令する。
なんとかサメを捕らえたが、水族館のオープン日に館長はニックに無断で、サメの餌づけを命じる。ところが水槽に落ちてきて、みんなの前で食われたのは館員だった。館長は自分のせいなのに「お前のせいだ!」とニックに奴当たり、くびにする。
ニックは、姉エイミーを同じサメに殺されたヒロインと共に、独自に脱走したサメを追跡、前作品で違法にステロイド投入されて、狂暴化していたサメの群を発見する。ニックは即刻サーフィン大会の中止を市長に要求するが、彼は受け付けない。
ニックの代わりにサメ退治を命じられたのは、ディスカバリーチャンネルの記者ロイ。だがロイはサメ退治に失敗し、サーフィン会場はパニック状態。ニックの友達マークも、サメの口にサーフィンすることとあいなった。
「サメをぶっ殺す」といきり立つヒロインとロイに、主人公は「まあ待ってくれ」と彼らを説得にかかる。「俺は昔イタチザメに襲われたが、俺を逃がしてくれたんだ。彼らは人間をエサだと思っていない。サメというのは4億5000万年前から生きてきたんだ。やつらだって生きる権利はある。本当に悪いのは、自然をいじくる人間たちなんだ」と、なかなかいいことをいうじゃないかと聞いていると、「だからあのサメたちをぶっ殺す」とつじつまの合わない結論を下し、あれっ?と思う。
さて彼らは、サメたちを電流の発する装置で洞窟に誘導して、時限爆弾でふっとばすという作戦で行くが、爆弾を仕掛けたところで、ロイがサメにくわえられて洞窟へ引きずられていく。
「助けなきゃ!」「もう時間がないよ」「そうね」とあっさりロイを見捨てて逃げる二人。爆発後ロイは血まみれになって浮いていた。モルヒネを打たれて、「俺はジョーズを倒した英雄だ…」とうわごとをつぶやくロイ。かくしてかわいそうなサメたちは、ステロイドを注入されたあげく爆弾で吹っ飛ばされるという、災難以外の何物でもない最期を迎えて物語は終わる。
レビュー: 『シャークアタック』の続編だから、サメのシーンは問題ないだろうと思っていたら、水面下を泳いで水族館から脱出しようとしているのは、どっからどう見ても紡錘形の物体にプラスチックのヒレをつけたおもちゃ。そのプラ板がプランプランと海面上で揺れている様はわびしい…しかもサーファーを襲うシーンで海面から飛び出すサメは、「カットだ!カット!」と監督でもないのにわめきたくなる代物です。
もちろん本物のサメも映っていて、それは問題ありません。主人公は、サメを見て「背ビレと尾ビレが異常に発達している」というものの、これまたどう見ても映っているのはフツーのサメです。
クライマックスで、どうせくだらないサメが出てくるのだろうと思っていたら、あにはからんや、一応CGとは分かるものの、よく出来た迫力ある5匹のサメでした。また、オリに入ったディスカバリーチャンネルのカメラマンが、襲われて食べられるシーンは、同様にうならせられます。おバカなのか、まじめなのか、どっちかにしてほしい映画。ちなみに、「俺はジョーズを倒した英雄だ」とうめくロイは、もちろん『ジョーズ』のブロディ署長を演じたロイ・シャイダーがモチーフ。水族館の悪徳館長も、『ジョーズ』に出てくる市長そっくり。
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ディープライジング・コンクエスト
ストーリー: ☆☆
恐さ: ☆☆☆
サメの出来: ☆☆☆?
サメへの理解度: ☆
総合評価: ☆☆
あらすじ: メキシコの太平洋岸にある、リゾートビーチの警備隊員を務めているベンは、ある日仕事をサボってロブスターを獲っているときに偶然、見たこともないサメの歯を発見する。ベンはその歯をインターネット上に公開して、それがどのような種に由来するのか分析してもらおうとする。
そしてその歯を見たのは、古生物学者のストーン博士であった。彼女は、その歯がメガロドンに由来するものであることをすぐに悟って、ベンのいるメキシコに行き、調査する。しかしはじめのうち、ストーンはベンに、この歯はアオザメの亜種のものだとウソをついていた。
やがてストーン博士は、取材班とともにメガロドンを発見する。しかしそれは、体長4メートル前後の子どもに過ぎなかった。そしてそのことを知ったベンは、海水浴場が危険にさらされると危惧するが、ストーン博士はそんなことないといって気にしない。
ところがそのメガロドンの子どもは、まっすぐに海水浴場に行くと、人びとを襲いはじめた。ストーンの調査船に乗っていたベンは、ピストルを抜いて射殺しようとするが、ストーンはせっかくのサメを殺されまいと船をめちゃくちゃに動かして、ベンの発砲を妨害する。そしてその結果、ふたりの海水浴客が食われてしまった。ダメでしょう!
ストーン博士はその光景を目にし、すべては自分の責任だと後悔しはじめる。だがベンは、そんな彼女をやさしく慰めてやるのだった。やがて彼らは再び海に出て、メガロドンの子どもを発見し、殺害する。そのときストーン博士は、それまでの保護の意識はどこへやら、サメの口のなかにショットガンを押し込んでひとこと、「絶滅しなさい!」
そしてメガロドンの子どもを殺して一同がほいほい騒いでいたら、ベンの友達がいきなり出てきた大人のメガロドンにカプッと食われる。主人公らの船も沈没させられるが、彼らはヘリに救助されてからくも脱出する。
このように次々とメガロドンが現われるのは、実は海底にひかれた光ファイバーのケーブルのせいだった。ここから発される電磁波に惹かれて、海底にいたメガロドンが浮上してきたのだ。しかもこの光ファイバーを施設した会社社長のトリーは悪者で、施設工事のさいに何人もダイバーが犠牲になっていたにもかかわらず、秘密にしていたのだ。さらに彼はベンの勤めるリゾートビーチの支配人とも結託しており、悪代官と越後屋みたいな関係になっていた。
メガロドンが現われたあと、ベンたちの働きで港は出港禁止にされたが、何を思ったのかトリーとビーチの支配人は大型船でパーティを開くことにする。すると当然のことながら、メガロドンが襲ってくる。
ガンガンと何度も船に体当たりするメガロドン。そのために、船上の人びとは次々と海に落ちるわ落ちるわで、わざわざ助走をつけて船べり越しに飛び込んでしまうほどである。
トリーとビーチの支配人は、メガロドンめがけて手榴弾を投げ込んでいたが、やがてそれにあきると、船から脱出しようとする。支配人の方は、自分の彼女から救命チョッキを取り上げて、船から身を躍らせるが、みごとにメガロドンの口のなかにスポッとジャンプインしてしまう(何がしたかったの?)。さらに、トリーはジェットスキーで脱出を図るが、これも待ち構えていたサメの口のなかにまっしぐら。こいつらアホです。
さて、そこにメガロドンを殺そうとやってきたストーンとベンたち。ここでベンは捨て身のサメ殺害作戦を試みる。まず、自分の乗っている潜水艇をサメに咥えさせ、それから魚雷を潜水艇そのものに照準して、発射する。魚雷はやがて方向転換して、発射もとの潜水艇の方へまっしぐらに突っ走ってくるのだが、そのわずかな時間にベンは潜水艇から脱出。メガロドンは粉々に砕け散ったのだった。
レビュー: 『ディープライジング・コンクエスト』は、いうまでもないかもしれないですが、『シャークアタック3:メガロドン』の和名です。
この作品では、太古のサメ、メガロドンが主役となっています。しかし、映画の冒頭から登場するのはただのホホジロザメ。どこからどう見ても小さいサメで、これのどこがメガロドン?と思っていたら、「これはメガロドンの子どもよ」ということであった。なるほど……
それでは大人のメガロドンはどうなのかというと、やはり実写のホホジロザメでした。しかも人間を小さくして合成しているのですが、そのやり方がちゃちいため、痛い演出となってます。しかし、前作(『ディープライジング』)のプラ板よりは進化したサメのヒレは、少なくとも評価すべきでしょう。
ちなみに航行している船で登場人物たちが話をする場面ですが、遠くから撮っているときは確かに船が走っているのに、人物をアップして撮っているときは、なぜか背景の海がぜんぜん動いていません。一生懸命カメラをゆすって船が動いているかのように見せかけようと努力しているのですが……どうして会話のところだけ、走行している船の上で撮らなかったのでしょう?サボったな。
それで、映画の終わりまで結局実写のホホジロザメと人間の格闘が続くのかと思ってみていたら、あにはからんや、最後の最後でりっぱなCGのメガロドンがでてきます。しかもなかなか動きがみごとで、なんではじめからこれを使わなかったのか、理解に苦しみます。たぶん予算の都合でしょう。
最後の戦いは、なかなかみごとに描写されていました。特に、潜水艇をくわえ込んで振り回すメガロドンの姿などはすばらしいです。
ちなみに、この映画でも「サノバビッチ!」は忘れてませんでした。何回も何回も使われます。よい子の皆さんはマネしないように。
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ジュラシックジョーズ
ストーリー: ☆
恐さ: ☆
サメ(?)の出来: ☆
サメ(?)への理解度: ☆
日本人への理解度: ☆
総合評価: ☆
あらすじ: 最近のメガロドンブームに便乗したかに見えるこの作品は、実は1979年にB級映画監督ロジャー・コーマンのもとで働いていたチャールズ・グリフィズ監督がジョーズブームに便乗して製作したもの。
舞台はハワイの海岸リゾート地。ところが、この地に6500万年の眠りから覚めた(ことになっている)古代魚が、突然現れた。この謎の生き物の存在に最初に気付いたのは、自分の助手を食われた海洋生物学者。彼は、ここ最近、なぜか深海にいるはずの魚を大量に海岸付近で捕えていたのだった。
さて主人公は、太平洋戦争で沈んだ日本の貨物船の「宝捜し」と銘打ったツアーで、無邪気な観光客を適当にだまして「夢を売る商売(自称)」をしている兄弟(名前は忘れました)。彼らは近くのリゾートホテルのオーナーと対立している。彼らはいつものように、観光客を連れて難破船荒らしに出かける。そして太平洋戦争中にハワイから逃げようとして沈んだ日本船で、中国風の音楽の中、宝捜しをする。
そして観光客がたまたま本物の日本刀を見つけたその時、深海から浮上したメガロドン、でなくてメガマウスザメが襲ってくる。要するにビデオのケースに描かれているサメとは違う、ヘンな生き物が出てくる。
さらにメガマウスは海岸に登場する。観光客が泳いでいると、突然彼らは海底に「座っている」メガマウスだかシーラカンスだかを発見し、大パニックになる。とにかくポーンといった感じでじっとしているので、(違う意味で)恐怖する。
とにかくこのサメ(?)が現れて海岸はパニックに陥り、ホテルのオーナーも破産の危機かと思いきや、逆にこの魚に懸賞金をかけて客をあおりたてる。
かくして始まったサメ狩りには、もちろん日本人のスズキさんも参加する。映画を見ていると突然お経が聞こえてきてびっくりするが、それはサメとの対決に決意を固めた、スズキさんの発するものである。さらにスズキさんはふんどし1丁で日本刀をきーっきーっと振りまわし、「バンザーイ!」と叫ぶ。しかもよせばいいのに何回も出てくる。最後にスズキさんは、海岸へ出ていって海に乗り出そうとするが、乗った船が座礁して動かないことに気づかず、「バカタレ!」と叫んで退場する。
さて観光客とヘンな魚との死闘は続く。この間、人が食われるわ食われるわで、メガロドン(自称)は暴れまくる。しかもまったく迫力がない。そして主人公らは負傷した海洋学者に爆弾をくくりつけてエサにし、サメをフッ飛ばして物語は終わる。
レビュー: 要はB級映画なのですが、日本語名の『ジュラシックジョーズ』には恐れ入ります。この名前が別にウソをついているわけではありません。サメだかシーラカンスだか知らないが、一応はジュラ紀の「アゴ」です。本当の英語名は、『Up from the depth』というそうです。
しかしなによりの見所は、ホホジロザメより小さい自称メガロドンではなくて、日本人のスズキさんです。この、日本人に対するあまりに露骨な偏見を見て、かえってすがすがしくなりました。彼を見て、なにやら日本人として誇りを感じました。日本人は全員こうでなければならないと思いました。
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ストーリー: ☆☆☆☆
恐さ: ☆☆☆☆☆
サメの出来: ☆☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆
総合評価: ☆☆☆☆
あらすじ: アルツハイマー病を治す薬を開発していた科学者スーザンは、アオザメがアルツハイマーにかからないのに目をつけた。薬を開発したい一心で、彼女はアオザメを遺伝子改造して、体長8メートルの、とてつもなく頭のいい怪物を作り上げてしまった。
3尾のアオザメたちはそれぞれGen1、Gen2、Gen3と名づけられ、海に浮かぶ元潜水艦基地で飼育されていたが、アメリカ人にかかわったためなのか、なぜかテロリスト化し、脱走の計画を練り始めた。そしてある夜、ついに行動を開始したサメ達によって、人間は極限状態にまで追い詰められていく。サメたちはバッタバッタと人間たちをなぎ倒す。人びとは海面目指して脱走を図る。しかしそれは、サメたちの狡猾な計画の一部分にすぎなかった!
レビュー: サメを血も涙もないプレデターとした、悪いハリウッドの伝統にのっとった作品。ともあれ、映画それ自体としてはよくできています。できないはずのバックができたり、賢すぎたりするサメは、見ていてB級映画的なノリを感ぜずにはいられないのですが、サメの模型は最新の技術を取り込んでおり、コンピュータグラフィックスを駆使していて、本物と全く見分けがつきません。
なぜ今回のサメがホホジロザメでなくてアオザメなのかというと、それは単にハーリン監督がスピルバーグ監督にライバル心を燃やしたためと見るのが自然です。きっとジョーズの二番煎じのように見られたくなかったのでしょう。
治療の犠牲にされているサメが主人公で、人間が気ままに自然を略奪するという、批判的な精神が主題になっているような気がしますが、実はハーリン監督にとって、そんなことはどうでもいい!サメの頭が良ければそれでいいのだ!要するに、『ダイ・ハード2』や『クリフハンガー』に出てくるような極悪人を、サメが演じているわけです。
この人が主人公だと思った瞬間に当人が食われるという斬新なやり方で、最後に生き残るのは誰か最後まで見ないと分からない仕組みになっています。
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ファインディング・ニモ
ストーリー: ☆☆☆☆
恐さ: ☆
サメの出来: ☆☆☆☆☆
サメへの理解度: ☆☆☆
総合評価: ☆☆☆
あらすじ: 過保護なカクレクマノミの父親、マーリンは、ひとり息子のニモが心配なあまり、ろくろくイソギンチャクの外にも出さない。しかし、ニモもついに学校へ行く年頃を迎えることに。ところがニモが心配でたまらないマーリンは、なんと学校の遠足にまでついてきて、先生に口出しする始末。そんな父親に愛想をつかしたニモは、父親の制止を振り切って外洋へ飛び出し、結局ダイバーに捕らえられてしまう。
行方不明になったニモを探すため、それまで棲家から離れなかったマーリンは、意を決して大海原へと飛び出す。そしてその途中に出くわしたのは、恐ろしく物忘れがひどい魚のドリー。いっしょにニモを探すことになるが、協力どころかほとんど妨害に近いことばかりする彼女に、マーリンはいささか閉口する。
ところが彼らは運悪く、ホホジロザメのブルースに見つかってしまう。だが、その恐ろしげな顔つきとは裏腹に、ブルースは「魚を食べない」という誓いを守ろうとしている「いいサメ」だった。ブルースはアオザメのチャムとシュモクザメのアンカーを彼らに紹介し、いっしょにパーティをして遊ぼうという。だが、ちょっとした事故で、ドリーから鼻血が流れ出す。血は上機嫌なブルースの鼻のところに漂って……
レビュー: もちろんこの物語の主人公は、サメでなくてクマノミの親子です。しかしサメの描かれ方は、それまでの映画とはちょっと違っています。映画の前半で登場するサメトリオのブルース、チャム、アンカーは、海の嫌われ者という汚名を返上するために、「自分たちは魚を食わない」という誓いを守っています。たぶん最近の「サメは悪くないんだ!」という運動をパロっているのでしょうが、このときの彼らの会話が気がきいてます。「魚は食わなくても、イルカは別だぜ。あいつら、いい子ぶりやがって!」
しかし、残念ながら彼らの誓いは守られません(やっぱり……)。というのはブルースが血の臭いをかぐと、見る見る様子が変わって誓いをしたことなぞカンタンに忘れてしまうからです。ここでブルースの目の瞳孔が、急に大きくなって凶暴化するあたり、なかなか恐い演出です。ブルースは沈没した潜水艦のなかでマーリンとドリーを追い掛け回しますが、ここの場面はまさに『ジョーズ87』そのもの。しかも、こちらのシーンのほうがよくできてます。
ちなみに詳しい人はご存知かと思いますが、ブルースという名前は、『ジョーズ』が撮影されたときに使われたサメの模型に由来します。ブルースたちのCGは細部までとてもよく作られていて、何百という歯の一本一本まで正確に描かれています。しかもいかにもワルそうな悪党面、なかなかいいです。
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メガロドン
ストーリー: ☆☆
恐さ: ☆☆
サメの出来: ☆☆☆
サメへの理解度: ☆☆
総合評価: ☆☆
あらすじ: 新しい海底石油施設が、グリーンランド沖に建設された。そしてこの石油施設は非常に巨大なものであった。世界中で石油不足が叫ばれるなかで、この石油施設は環境保護団体の反対を押し切って建てられたのだが、その社長は「環境主義者だって車には乗るだろう。みんな我々の石油を使っているんだ」と豪語している。
そんな石油採掘所に、レポーターのクリスティアンとカメラマンのジェイクからなる取材班が到着した。彼らは石油施設の安全性を調べるためにやってきたのだ。というのも、海底で強引に石油を採掘しようとすると、この海域にあるといわれる巨大な空洞に穴を開け、その結果施設全体が沈没し、ヨーロッパの沿岸が津波に襲われると専門家が指摘したためだ。
取材班は社長や掘削主任のコリン、そして潜水艇乗りのロスらとともに、海中エレベーターで海底にある掘削場所まで向かう。そして石油を掘りだす様子を見学するのだが、突然石油を取り込むパイプに何かが詰まって動かなくなる。
「何か海底の未知のものが詰まったのかもしれない」と、社長はパイプにつまった「何か」をとりだす決心をする。そしてパイプを切りとって施設内の無菌室でその内容を調べたのだが、なかから出てきたのはただの魚らしかった。「なーんだ、ただのお魚ちゃんじゃねーか」といいながら施設の連中がへらへら笑っていると、いきなりそれは職員に向かって飛び掛ってきた。
結果として職員のひとりが大ケガをさせられるのだが、なんとこの魚は今から7000万年前に生きていたものだった。
だが、この発見はそのあとに続く、大事件の前触れに過ぎなかった。施設の連中が気づかぬうちに、巨大な何者かが、海底の穴から登場した。施設の掘削機が、とうとう海底の洞窟に穴を開けてしまったのだ。そしてそれは、施設の潜水艇のひとつに襲い掛かると、ばらばらに壊してしまう。
その正体は、もうすでに絶滅したはずのサメ、体長20メートルにもなるメガロドンであった。サメはさっさとよそに逃げればいいものを、なぜかしつこく施設を攻撃する。海中エレベーターを襲い、その救援に駆けつけた潜水艇をも噛み砕く。その潜水艇に乗っていたのはロスの恋人、マズであった。からくも海中エレベーターで海上に浮上したクリスティンらは、海に浮かぶ大きな氷の板に乗り移る。しかしメガロドンは攻撃を中止せず、氷を突き破って人間を食い尽くそうとする。
それを見た社長は、ヘリに乗って主人公らの救出を試みる。そしてメガロドンの攻撃を振り払ってなんとか脱出したかに見えたが、その代わりにヘリは施設に体当たりしてしまい、カメラマンのジェイクがこときれる。
これでついに怒りが頂点に達したロスは、潜水艇に乗り込み、サメにワイヤーつきのモリを打ち込んで、潜水艇の起爆装置を作動させてサメを爆破する作戦に出る。ロスは潜水艇が爆発する前に脱出する手はずであった。モリはサメにみごとに命中。が、メガロドンは潜水艇を引っ張ったまま施設に戻っていこうとする。ロスに残された道は、ひとつしかなかった。彼は「自分たちのやったことは、自分で始末をつけようぜ」といい、自分もろとも潜水艇を爆発させ、サメをあの世に吹き飛ばす。
そしてこの事件の後、石油施設の社長は環境保護主義者になってめでたしめでたし(?)。
レビュー: 今は絶滅したメガロドンが主役の映画です。しかしこの映画はほとんどCGで再現されており、その出来は最近のゲームより若干悪い程度。つまり、巨大な石油施設やエレベーター、潜水艇、メガロドンなどは出てくるなりCGであることがバレるようになっています。メガロドンは泳ぎ方がサメらしいくねくねとした動きでなく、尾を振って泳いでいるというよりは、単にぴんと張った体をゆすっているような感じしかしません。
しかしまあ、これは劇場用映画ではないし、少々映像のレベルが低くても仕方ないでしょう。内容さえよければ。
ところが、映画のクライマックスが近づいてきたような気がして、いよいよだぞと思っていたら、いきなりメガロドンがサクっと死んで驚愕します。しかもその死にっぷりの地味なこと。夜空で星が散ったみたいでした。さらにそのあとには、まるで包丁で切られたみたいにきれいに半分になったメガロドンの映像が……あれまぁ。
しかしです。メガロドンが死んだ後の場面で、レポーターのクリスティンがヨットに乗ってバカンスを楽しむ姿が映るのですが、そのヨットの下を、巨大なサメの影がすーっと動いて……。そうか!まだ続きがあったのか!と思っていたら、終わっちゃいました。
全体的に、あともうちょっとがんばっていたらなあ、と思わせられる映画でした。
なお、この映画はスティーブ・オルテン原作の『メガロドン』とは関係がありません。
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ウィニー・インターナショナル・フィルム 1982年 イタリア=アメリカ合作
制作:ロジャー・ローマン 監督:アントニオ・オスティ 脚本:クラウゼ・ロドリゲス
主演:ルイージ・ミッツォイーニ ピート・チャン ジュリア・チャウ マリオ・チョウ
ストーリー:☆
恐さ:☆
サメの出来:☆
サメへの理解度:−☆☆☆☆☆
総合評価:☆
あらすじ: アメリカ西海岸に浮かぶ絶海の孤島・アミト島には、日系移民がつくった漁村がある。島民たちは、400年前から伝わる大海蛇伝説を信じており、彼らは大海蛇を神としてあがめていた。
海洋民俗学者・イタミ博士(チャン)は、世界各地に伝わる大海蛇伝説を調査中、助手のスジタ(チョウ)とクラセを連れてこの島を訪れるが、その途中、謎の事故によって調査船は沈没し、通りがかった無愛想な漁師のフクダ(ミツォイーニ)に助けられる。フクダに日本酒と刺身を振る舞われたイタミたちは元気を取り戻すが、島民たちが彼らに敵意をむきだしにしていることに疑問を抱く。
島で唯一の宿に腰を落ち着けたイタミたちは、調査船が沈んでしまったことにもめげず、島民たちから大海蛇伝説を聞いて回ろうとするが、島民の口は堅く、調査は難航する。その最中、調査をさぼってビールを飲んでばかりだったクラセは、イタミに叱られて仕方なく調査に出かけるが、その途中、浜辺でオイルを塗っていた女性を見かけ、突然、波打ち際で、笑いながら二人で駆けっこを始める。しかし、女性は、逃げながら服を脱ぎ、そのまま走り去る。走り疲れていたはずのクラセは、そのまま沖に向かって泳ぎ始め、何者かに巻き付かれて死ぬ。
海岸に打ち上げられたクラセの死体を見たイタミは、巨大なラブカの仕業だと確信し、村長のニワ(チャウ)に海開きの中止を訴えかける。しかし、ニワは、海水浴場は島の重要な財源だとして譲らず、逆に、イタミとスジタを大海蛇への生け贄にしようとする。檻に入れられたまま海に沈められたイタミとスジタだったが、またしてもフクダに助けられ、さらには、聴きたくもないのにフクダの知られざる過去が告げられる。
フクダは、もと日本海軍の潜水艦乗りだったが、大海蛇と呼ばれる巨大ラブカによって乗船を沈められ、さらには戦友たちの全てをラブカに食べられたのだった。そして、フクダは、大海蛇への復讐に協力するか、また檻に閉じこめられたまま海に沈められるか、どちらかを選ぶように迫る。
ラブカより怖いフクダの狂気に恐れをなしたイタミたちは、酸素ボンベとモリだけで深海のラブカを追う。そして、現れたラブカはスジタに巻き付く。しかし、イタミは、学術的に価値のあるこのラブカにモリを刺せず、生け捕りにして学会で発表したら有名になれる、などと考えている。仕方なくスジタがナイフで一突きすると、ラブカはあっけなく死んでしまう。そこに、遅れてフクダがやってきて「バンザーイ!」と叫ぶが、うなり声をあげながら現れたさらに大きなラブカに丸飲みにされる。
巨大ラブカに追われるイタミとスジタは、海底に沈んでいた土管の中を逃げるが、土管の先は行き止まりだった。しかし、あわやというところで巨大ラブカが苦しみだし、巨大ラブカの体を裂いてフクダが現れる。大業を成就した三人は、満面の笑みで、船上で酒を酌み交わす。
レビュー: 数あるB級映画のなかでも最低のこの映画は、1980年代に、『ジョーズ』の大ヒットを受けて製作されたものです。舞台となる島がアミト島などとなっているところにもそれはうかがえます。
アミト島は日系人が作った、サンフランシスコ沖の漁村ということになっているのですが、映画を見ていて明らかになることは、日本人は一人も演じていないということです。大変怪しげな東洋人が、大変怪しげな日本人として登場し、大変怪しげな漢字で書かれた看板のある店を経営しています。また主要な登場人物のひとりフクダは、日本人のはずなのにどういうわけかイタリア人が演じています。しかしこの映画の何よりも特殊な点は、登場するサメがなんとラブカ(!)であることです。
まさか本物の生きたラブカが登場するのではないか…などといった淡い期待感を胸にみていると、なかなか当のラブカは登場しません。さらにまったく話と脈絡のない美女が何回も登場して理解に苦しみます。また物語と関係ないのにあちこちに転がっているビールのビンが、スタッフの程度の低さを物語っているのですが、それは今作の主役となるラブカ(?)の登場によって実証されることになります。
話の途中でわけの分からないことに、海洋民俗学者の助手であるクラセは美女を追いかけるのをやめて、とり憑かれたように沖に向かって泳ぎはじめ、何者かに襲われて死にます。あくびをかみ殺しながら長いこと見ていて、いよいよラブカ登場!と思ったら、でてきたのはウナギです。
どう見ても50センチくらいのウナギが泳ぎまわっているのですが、登場人物たちが何回も「フリルド・シャーク!(=ラブカ)」と呼んでいることから、少なくともそのつもりになっているのは明らかです。さらにまずいことに、白黒のシマシマの海蛇が時々交代して登場します。映画関係者が「長いもの=ラブカ」としか思っていなかったことは明らかです。さらにそのウナギを、深さ1メートルくらいのプールで撮影しているのはまるわかりです。カメラマンは泳げなかったのでしょうか。
この50センチのウナギをドアップにすることで、何とか巨大さを出させようとしているのですが、ウナギの顔をカメラにへばりつけて役者はそこから10メートルも離れて立っているというそのテクニックは、高校生が作った映画なのではないかと思われるほどで、さらに登場人物がラブカに巻きつかれるシーンでは、なんとか体から太いホースをはずさないように気をつけながらもがく役者たちがかわいそうになります。
まだまだ映画はつづきます。気●いに脅迫されて船出した海洋民俗学者のイタミとスジタは、ラブカにまきつかれてナイフで応戦しますが、ラブカの体の代わりに使用しているのがただの太いホースであることであることの証に、ナイフで刺すと泡がぶくぶく吹き出します。
とつぜんでてきた巨大ラブカ(ウナギ)によってフクダがカプッとやられたあと、最後にトンネルをつたった追跡劇が繰り広げられます。トンネルはどういうわけかナチの海底基地ということなのですが、どうしてこんなところにこんなものがあるのか、説明は一切なされません。
このシーンでは、ホースのなかに閉じ込めたアナゴを撮影して襲い来るラブカを演出していますが、これは細いところを好むというアナゴの性質を利用したわりとかしこい方法で、(ほかの場面が場面なだけに)驚かされます。巨大ラブカの腹を切り裂いて現れたフクダは、どういうわけか日本刀を持っています。食われたときは持っていなかったのに、腹の中で拾ってきたのでしょうか。
はじめっから生き物も文化も理解せずに映画を作製するのはよくあることですが、ここまでサメの見かけにこだわらなかった映画は初めてです。そうとうの物好きでしか2時間もかけてみることはない映画ですが、(幸いにも)日本ではもう発売中止になっています。そもそもウナギを登場させてラブカだとすること自体めちゃくちゃです。映画で登場人物らがいちど食堂に入りますが、そこで焼かれているウナギは撮影に使用したものではないかと心配しました。再生した直後に停止ボタンを押したくなりました。せめてウツボを使えばよかったのにと思いました。
レビュー(『月刊Bシネ倶楽部』1983年7月号より一部抜粋): キャッチコピーは、『イタリアの奇才ミツォイーニ、渾身のアニマルパニック!あの「ジョーズ」を超えた恐怖と予算!恐怖と破滅は深海から来る!』(笑) …(中略)…前半は『ゴジラ』を、途中から『ジョーズ』をパクッたことは見え見えの脚本だが、おそらく、製作途中で『ジョーズ』のヒットを受けて、脚本を書き換えたのだろう。
また、ラブカ(と、劇中で呼ばれている生き物)の大きさが、シーンによってまちまちなのもご愛敬である…(中略)…そもそも、移民が作った村に400年も前から伝説があったり、絶海の孤島に海水浴場を開くだなどと、設定に無理がある。B級映画にはありがちだが、おそらく、"撮影中、監督の気が変わった"のだろう。そんな"些細な"ことを気にしていては、イタリア人失格なのだ。
日本人村という設定のためか、アメリカなのに随所に日本語の看板が出てくる。が、ときおり『キいンビーレ』などといったデラツクスな日本語が見受けられる。登場人物はすべて日本名のはずだが、イタミ=伊丹、クラセ=倉瀬、フクダ=福田、ニワ=丹羽は分かるが、スジタというのは"?"。フジタ=藤田の誤植かとも思ったが、劇中でもしっかりと"ス"ジタと言っている。
調査船も沈められ、サメのエサにされかけ、最後は脅迫されて命がけの仕事をしたのに、笑って酒をくみかわすイタミ博士とスジタ君の剛毅さに拍手(笑)。さらにこの映画を作った関係者たちにも拍手(笑)。
…この『スネークジョーズパニック』脚本およびレビューは、サメの海管理者と、その友人クラウゼによる、悪意のこもったでっち上げです。ビデオ屋に借りに行ってもこのような映画は存在しないので注意しましょう(笑)
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