

体長13メートル。史上最大の恐るべきサメ、メガロドンを詳しく解説!

目次;
1.脅威の巨大ザメ・メガロドン
2.メガロドンの生きた時代
3.メガロドンの仲間
4.メガロドンの歯と伝説
5.メガロドンの絶滅
6.メガロドンは今も生きている?
7.謎の巨大ザメ事件
8.おわりに
9.参考資料
学名カルカロドン・メガロドンCarcharodon megalodon(注1)、和名ムカシオオホホジロザメ、通称メガロドンは、史上もっとも巨大なサメで、かつて地球に存在した海の生き物の中で間違いなく最強のハンターでした。
その体長は、残った歯の化石の大きさから、いぜんは30メートルにものぼるといわれていましたが、それが誇張であることが、最近の研究であきらかになってきました。実際の体長は、13〜15メートル、現在のホホジロザメが5メートルとすると、約2.6倍の大きさでした。
これはマッコウクジラの大きさに相当します。しかし、たんに体長がホホジロザメの2.6倍になるだけでなく、重量も倍加されるので、おそらく実際は相当巨大に見えたことでしょう。これまで見つかったなかで一番大きな歯からアルバータ大学の研究者が体長を計算してみたところ、14.7メートルということでした。
メガロドンと、現在存在する生物との大きさを比べると、だいたい下の図のようになります。こうやって現存のマッコウクジラやシャチ、ホホジロザメと比べれば、メガロドンの巨大さがよくわかります。
注1:現在はカルカロドンの代わりに、カルカロクレス・メガロドンCarcharocles megalodonの学名が使われることもあります。どちらがいいのかは、いまだに議論続行中です
| ・マッコウクジラ(約18メートル) | |
|---|---|
| ・メガロドン(約13メートル) | |
| ・シャチ(約8メートル) | |
| ・ホホジロザメ(約5メートル) | |
| ・メジロザメ(約3メートル) | |
| ・人間(約1.7メートル) |
メガロドンとホホジロザメ、メジロザメの比較図

メガロドンはホホジロザメCarcharodon carchariasの、直系の祖先であったと考えられてきましたが、今ではむしろ、近い親戚にあたるものとされています。しかしその姿は、実際ホホジロザメにきわめて近かったものと思われます。
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カルカロドン・メガロドンは、新生代第三紀の中新世(2600万年〜600万年前)の、海が比較的暖かった時代に生息していました。当時アラビア海がインド洋や地中海とつながっていて、まだ分断されていませんでした。
新生代第三期の始新世に登場したクジラの仲間は、メガロドンの生きていた中新世には、最高の多様性と生息数を誇っていました。現在のハクジラやヒゲクジラの仲間のほとんどは、中新世末期に登場しています。大型のクジラの背骨やヒレの骨格の化石には、ノコギリ状の縁が特徴的なメガロドンの歯による噛みあとが見られます。中新世から鮮新世の、脊椎動物が豊富にいた海域から、メガロドンとクジラの化石が大量に見つかっていることからも、メガロドンはクジラを主食にしていたと考えられています。
クジラの仲間が発達するにしたがって、メガロドンも大型化していったものと推測されることから、当時大繁栄していたクジラの存在が、メガロドン登場の原因となったのでしょう。つまり、クジラの大量繁殖を防ぐ役目を持って、メガロドンは生まれてきたのです。
メガロドンが生きた時代が分かりやすいように、年表にしておきました。
下にいくほど、時代が新しくなります。
| 中生代 2億2500万年 〜6400万年前 |
白亜紀 1億3600万年前 〜6400万年前 |
・6500万年前に 恐竜が絶滅 |
|
| 新生代 6400万年前 〜現在 |
第3紀 | 曉新世 6400万年前 〜5300万年前 |
|
| 始新世 5300万年前 〜3700万年前 |
・クジラの登場 | ||
| 漸新世 3700万年前 〜2600万年前 |
|||
| 中新世 2600万年前 〜600万年前 |
・クジラ類の大繁栄 ・メガロドンが登場 |
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| 鮮新世 600万年前 〜200万年前 |
・中期に海水の温度低下 ・メガロドンの絶滅(?) |
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| 洪積世 200万年前 〜1万年前 |
・氷河期始まる ・30〜10万年前に 現世人類の登場 |
||
| 沖積世 1万年前〜 | ・現在 | ||
メガロドンの仲間である古代ザメは、全部で100種といわれています。しかし、サメの歯というのは、アゴについているところで微妙に形が異なってくるものです。
サメの歯化石研究会によると、数多くあるといわれるメガロドンの仲間は、実際のところどれも同じ種で、本当に存在するのは3種、つまりカルカロクレス(カルカロドン)・メガロドンに加えて、カルカロクレス(カルカロドン)・アウリキュラータスCarcharocles (Carcharodon) auriculatus、カルカロクレス(カルカロドン)・アングスティデンスCarcharocles (Carcharodon) angustidensだけであろうということです。その姿形は、メガロドンが大型なだけで、他は変らなかったと推測されています。
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メガロドンの歯の大きさは、手のひらの上にのせてもはみ出るくらいです。ペルーで約1500万年前の地層から発見された歯は、最大のもので、17センチもありました。
下はホホジロザメとメガロドンの歯の比較図です。大きさが格段に違いますが、それだけでなく、歯の輪郭もまた違うことがわかるでしょう。ホホジロザメの歯はまっすぐですが、メガロドンの歯はやや外側にふくらんでいます。しかし、どちらの歯の縁もギザギザのノコギリ状になっています。ティラノサウルスの歯にもこのギザギザがあるのは有名ですが、こうした歯は獲物から肉を食いちぎるのに、特に適しています。
ホホジロザメとメガロドンの歯の比較図

このメガロドンは、わりと個体数が多かったらしく、世界のいたるところで、歯の化石が容易に発見されています。現在メガロドンの歯は、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、インド、日本、南北アメリカで見つかっています。日本ではいまでも多くの「メガロドン・ハンター」たちが、ヒマさえあればメガロドンの歯を発掘しています(くわしくは、サメの歯化石研究会をごらんください)。
かつて日本では、メガロドンの歯は、「天狗の爪」であると考えられていました。そしてヨーロッパでは、「竜の舌」、あるいは「石になった雷」であると思われていました。17世紀に入って始めて、ニコラス・ステノという物理学者が、1世紀前にマルタ島で発掘された「竜の舌」とサメの歯が似ていることを指摘しました。
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メガロドンが絶滅した最大の理由は、鮮新世の中期に起こった、海水温度の低下にあると考えられています。
メガロドンは暖かい海に適応していましたが、海水温度が低下したことによって、メガロドンの大陸棚付近の繁殖場が冷たくなってしまったために絶滅したという説が有力です。現代のホホジロザメの幼魚が、暖かい海には耐えられないのと反対で、メガロドンの幼魚は、おそらく冷たい海に耐えられなかったと推測されるので、繁殖場のある海域が冷たくなることは、大きなダメージとなったはずです。
しかしそれに加えて、メガロドンが捕食していたクジラの仲間が、冷たい海域に逃げこんでしまったため、狩の機会がなくなったことも絶滅を引き起こすきっかけとなったようです。北極海の鮮新世の終わりごろの地層から、クジラの化石が最近発見されていますから、この説は裏づけされているといえるのかもしれません。
しかし、基本的に海の大型捕食動物は、陸上の大型捕食動物と違って、環境の激変にもよく耐えることができるといわれます。高い行動能力が、結局別の海域に泳いでいってエサを発見することを助けるからです。本当にそんなに簡単にメガロドンが絶滅するのでしょうか。実のところ、どうやらメガロドンは忽然と姿を消したというわけではないようです。
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最近、南太平洋の底で、巨大なメガロドンの歯が発見されました。その化石は比較的新しいもので、たったの2万4000〜1万1000年前(洪積世)のものであるそうです。これは現世人類(ホモ・サピエンス)が地球に登場したのが約25万年前であることを考えると、ごくつい最近のことで、実際しばらくの間は人間と共生していたことになります。ただしこの化石が1万1000年前のものであるという説は、必ずしも広く認められているわけではありません。
ただ、数多くのメガロドンの歯の中には、まだ変色せずに白いままで残っているものがあるのは事実だそうです。また、ホホジロザメ研究として有名なリチャード・エリス博士によれば、メガロドンが今も生きていることを否定するような証拠は、何もないそうです。
そしてそのような状況のなか、10メートルのホホジロザメが登場する『ジョーズ3』の影響などもあって登場したのが、「メガロドン生存説」です。
この説をもとにした小説が、最近出版されたスティ−ヴ・オルテン原作の『メガロドン』(英名;MEG)です。もっとも、いくらなんでも小説みたいにたった一匹で海の生態系に大混乱を起こしたり、潜水艦を撃沈したりできるわけはありません。メガロドンはあくまで怪物ではなく、自然が必要としたから生まれた、一介の生物であることに注意しておきましょう。
この『メガロドン』の作家スティーブ・オルテンのページは
http://www.stevealten.com/stevealten_html.htmです。
また『シャークハンター』や、『メガロドン』(ただし小説とは別)といった、メガロドンを題材とした映画も、ビデオとして日本で出まわっています。しかし、フィクションの世界だけでなくても、実はメガロドンだったのではないかと疑わしくなるような、漁師が見たという巨大ザメの目撃報告も存在します。
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今まで見たこともないような大きさのサメが、目撃されたとの報告はあとを絶ちません。巨大なサメが魚網に襲いかかって、漁獲した魚を飲み込んでしまったという報告もあるほどです。こうした目撃情報は、太平洋や大西洋、インド洋などからよせられています。しかしながら、こうした超大型ザメの死体が発見されたことがないため、証言を裏づけるものはなにもありません。
オーストラリアには、巨大ザメ目撃情報が多く存在しますが、1954年にラシェル・コーエン号というカッター船がアデレイドの乾ドックに入れられたときに、10センチもあるホホジロザメの歯が多数食いこんでいるのが発見されたそうです。4、5センチの大きさが普通のホホジロザメの歯からすれば、特大といえます。ただ、この情報で怪しいのは、肝心の歯がいったいどこに消えたのか分からないことです。問題の歯さえ発見できれば、メガロドンが現代に生きていることを証明できるでしょう。
数ある目撃証言のなかでも、デイビッド・G・ステッドという人物が、1963年の"Sharks
and Rays of Austrarian Seas"という著作のなかで報告した、1918年の巨大ザメ事件は特筆するにあたいします。それは次のような文章です。(DOES CARCHARODON MEGALODON STILL EXIST?からの引用)
「漁師たちの目撃した巨大ザメ」
1918年に私(ステッド氏)は、ブロートン諸島付近にある漁場へ、いつものように漁に出かけるのを、イセエビ漁師が拒否したという事件を記録しました。漁師たちはポート・ステファン港に属していましたが、この漁師たちのいうところでは、彼らが深い海に横たわる漁場で操業していたところ、信じられないくらい巨大なサメが出現したというのです。
そのサメは、イセエビがたくさん入ったカゴを次から次へと、係留線ごと奪い取っていきました。ひとつのカゴは直径1メートル以上あり、なかには数ポンドも重量のあるイセエビが、2〜3ダースも詰まっていることがあるそうです。男たちはそろって、このサメはいまだかつて想像もしたことのないような代物だったといいました。
地元の水産省の調査員とともに私は、多くの人びとに接近してたずねたところ、彼らは全員、その怪物の巨大さについて賛同しました。彼らが教えてくれたサメの大きさというのは、完全にバカバカしいものでした。しかしながら、この怪物が彼らの頭をどうかさせてしまったことの証拠として、紹介しておきましょう。ただし、いっておきますが、彼ら漁師たちは海にも、いかなる天候にも、いかなる種類のサメについても、よくなじんでおります。
ひとりの漁師は、そのサメは「最低でも90メートル(300フィート)はあった!」といいました。また別の漁師は、私たちが立っている埠頭の長さくらいあったといっております
― つまり、34.5メートル(115フィート)です!彼らはその生き物が泳いだあとには、広い海面が泡立っていたと主張しています。もちろん彼らは、この辺をよく通りすぎるクジラには親しんでおります。しかしこれは巨大なサメなのです。
漁師たちは、その大きな頭はネルソンズ・ベイにある埠頭の屋根くらいあったといいますが、もちろんそんなことがあるわけありません!しかし、彼らはごく普通の、がっしりした漁師たちで、「漁師のホラ話」をしたこともなければ、彼らの捕獲物についても語ったこともないほどです。そのうえ、彼らは何年も前からすべての「ホラ話」を知っているそうです。私にもっとも深い印象を与えたことのひとつは、彼らがそろってその生き物が、「幽霊のように白かった」と語ったことです。
以上が、現代の白鯨伝説ともいうべき、謎の巨大ザメ目撃事件です。ステッド氏も書いているように、常識からしてちょっと信じられないような話ですが、なによりも漁師たちが漁に出るのを本当に恐がったということが、彼らが決してウソをついているのではないということを示しているように思われます。この怪物というのは、ただのクジラか潜水艦だったのでしょうか。それとも……
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以上がメガロドンについての報告でした。この神秘的なサメについては、いろいろと想像をめぐらすことができます。はたして、彼らは本当に死滅したのでしょうか。
メガロドンの絶滅を暗示することはいくらでもあります。まず第1に、クジラの全盛期が去ったために、自然界でのメガロドンの役割は終わってしまいました。それに、メガロドンの目撃情報はどれもあいまいで、確固たる証拠がありません。また、メガロドンの存在を示す「まったく新しい」歯や体の一部は見つかっていません。
しかし、メガロドンがいるという証拠はありませんが、いないという証拠もありません。そして考えれば考えるほど、メガロドンがまだ生きているとしてもなんの不思議もないという気持ちが強まってきます。少なくとも、絶滅したとされる年代がかなり新しいことを見ても、メガロドンが発見されることは、生きた恐竜を発見するよりもずっと可能性が高いわけです。メガロドンの絶滅が非常にゆっくりとしたものであったとすれば、世界にまだその生き残りがいるとしてもおかしくはありません。明日メガロドンが発見されたというニュースを聞いても、それほど驚かないでしょう。
仮にメガロドンが生きているとすれば、彼らはどのような生活をしているのでしょうか?その体の大きさのために人間のいる浅い海には現れることはないでしょう。おそらく深い海に生息し、ごくたまに海面近くに浮上していることでしょう。残念ながら海の上は連続して観察することはできませんし、クジラと違ってサメは息つぎに海面に上がってくることもありませんので、人間がメガロドンを目撃する機会はほとんどないでしょう。彼らが死んでも、サメの体は海底に沈んでしまうので、人間が目にすることはありません。
メガロドンのような巨大な体格なら、すぐに見つかるはずだという意見は、実のところあまり正しくありません。なぜなら、いくら13メートルという体長があっても、海の広大さのなかでは、海面に浮かんでいるコルク栓ほどにも見つけるのが難しいからです。体長が5メートルもありながら、1976年にやっと発見されたという、メガマウスザメや、6500万年前に絶滅したと考えられていたシーラカンスのような例もあります。メガロドンは絶滅したなどといいきってしまえば、あとで物笑いの種にされる可能性もないとはいえません。
もしかすると、いまもこの世界のどこかで、メガロドンが泳ぎまわっているのかも…?
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9.参考資料
メガロドンについては、以下の資料を使用しました。
興味があったらのぞいてみてください。
また、このページの内容に誤りがある場合、
訂正していただけたら幸いです。
『サメ 軟骨魚類の不思議な生態』
1998年、東海大学出版会
矢野和成著
『サメガイドブック 世界のサメ・エイ図鑑』
2001年、TBSブリタニカ
A&A・フェッラーリ著 御船淳・山本毅訳 谷内透監修
『サメ・ウォッチング』
1992年、平凡社
ビクター・スプリンガー、ジョイ・ゴールド著
仲谷和弘訳
『幻の動物たち』上巻 1987年 早川書房
ジャン・ジャック・バルロワ著・ベカエール直見訳
Great White Shark
1991, Harper Collins Publishers
Richard
Ellis & John E. McCosker
SHARKS
1987, Facts On File
Publications
John D. Stevens
HAIE -Biografie eines
Raeubers-
1997, Jahr Verlag Hamburg GmbH & Co.
Angelo Mojetta
サメの歯化石研究会
http://www17.ocn.ne.jp/~serra/
The Megatooth Shark, Carcharodon Megalodon
http://www.sharksteeth.com/megatoothshark.htm
C. Megalodon - Megatooth Shark
http://www.fossilguy.com/topics/megshark/megshark.htm
DOES CARCHARODON MEGALODON STILL EXIST?
http://www.strangemag.com/megalodon.html
Megalodon; Gewaltiger Killer der Tiefe
http://www.einsamer-schuetze.com/krypto/wasser/megalodon/megalodon.html
Die ganze Welt der Haie
http://www.haiwelt.de/index.php