ムシクサ

ムシクサ(虫草)と一風変わった名前を持っているが、ゾウムシの仲間が卵を産みつけ、これが成長すると果実の子房が肥大化して虫こぶ(虫えい)を作るので、これが名前の由来になっている。
虫こぶ(虫えい)は虫から出される何らかの物質の刺激によって植物の一部の細胞が増殖したり肥大化して異常なな形状になったもので、一般的には新芽や新葉、蕾、花、根など、その年の新しく出た所に虫たちが産卵して作られる。
虫こぶ(虫えい)ができる野の花にはノブドウやシラヤマギク、アメリカネナシカズラ、ヨモギ他があるが、虫の名前が付いているのはこの花だけである。 ( 「ノブドウとエビヅル」 「カントウヨメナと野菊達」 「ネナシカズラはエイリアン」 「ヨモギは名医草」 の項参照)

虫の種類ごとに決まった植物に虫こぶ(虫えい)を作るので植物と虫こぶの形を見れば虫の名前も分かる。 例えばムシクサの虫こぶはゾウムシの仲間が作り、ヨモギはワタタマバエが作る。 又、一部の虫こぶにはタンニンを多く含み、昔から薬用や染色にも使われてきた。


ムシクサは一見タチイヌノフグリに似ているが、それも道理で、同じゴマノハグサ科クワガタソウ属に属する。
タチイヌノフグリ同様に小さな花を付け、しかもタチイヌノフグリの花が青色に対し、この花は白色で一層目立たず、散歩の途中でもよほど目を凝らさないと気が付かない。( 「オオイヌノフグリの名の由来」 の項参照)
日本以外にもアジア、北アメリカ、オーストラリア等に広く分布し、虫こぶ(虫えい)ができるためにムシクサ(虫草)と変わった名前が付けられたゴマノハグサ科の花である。

次へ

最初のページへ戻る