タネツケバナとコンロンソウ

タネツケバナ

タネツケバナは 「種漬花」、 あるいは 「種浸け花」 と書き、種もみを水に漬け、苗代の準備を始める頃咲くので、この名がある。 
この花が咲き始めると苗代の準備を進める歳時記になったと思われるが、実際には早い所では12月から花をつけ始め、この地方でもむしろ早春に良く目立つ。 この仲間にオオバタネツケバナと呼ばれる四月の後半から目立ち始める花があるので、歳時記となり、名前の由来となったのはこちらのほうであろう。
日本各地で見られるアブラナ科の花で、花はきわめて小さく目立たないが、群生すると田や田の畦を白く染める
別名、コメナズナ、タガラシと呼ぶ地方もあり、黄色の花を付けるいわゆるタガラシと混同される事がある。( 「タガラシと痩せた水田」 の項参照)
タネツケバナの仲間は世界中の温帯から暖帯に分布し、世界に160種、日本に10種類ほどが生育し、オオバタネツケバナ、オオケタネツケバナ、ニシノオオタネツケバナ、ミチタネツケバナ、コンロンソウ等がその仲間である。

  タネツケバナの群生    オオバタネツケバナ    オオバタネツケバナ

オオケタネツケバナ    ミチタネツケバ     ミチタネツケバナ

コンロンソウ(崑崙草)

オオバタネツケバナ(大葉種漬花)は名の通りタネツケバナと比べると葉も花も大きい。 一般にタネツケバナは古くから食用にされてきたが、オオバタネツケバナは地方によっては今でも野菜として栽培されたりしている。
オオケタネツケバナはオオバタネツケバナと良く似るが、花も丈も更に大きく見栄えがする。 ニシノオオタネツケバナはオオケタネツケバナの変種で西日本に生育する。
ミチタネツケバナ(道種漬花)は乾燥した路傍にも生えるのでその名があるが、昭和の後期に日本に入ってきた帰化植物で、花期に根生葉(根元の葉)が残る事や、長角果が直立し、花柄に寄り添うように付く特徴がある。

タネツケバナの仲間の内、最も見栄えがするのがコンロンソウ(崑崙草)で、土手の水辺や山裾の谷川沿いを白く彩る。 花の形はタネツケバナとそっくりであるが、大きく、より見栄えがし、葉の形がまったく異なるので、一見タネツケバナと同じ仲間には見えない。 牧野富太郎博士によると 「中国の神話の山、崑崙山に積もる雪をイメージしてコンロンソウと名付けられたのかも知れぬ」 とあり、名の由来ははっきりしないようである。 春の山菜の一つで、おひたし、和え物として食べられる

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