南紀串本町の食文化 クサギの虫


 子供の頃、山里に住む祖母が捕ってきてくれた「クサギの虫」についてご紹介します。   
 (虫を食べるなんて気味が悪いかもしれませんが、管理人が忘れてしまう前に記しておきます。)




      子供の頃、体の弱かった私の為に、山里に住む父方の祖母が体質改善を願い、      「クサギの虫」を山に入って捕ってきてくれました。

      体調3〜4センチほどのスマートなクワガタ虫の幼虫を想像してみて下さい。      その虫は、「クサギ」と言う木に住んでおり、不思議なことに成虫にならず、幼虫のままの      状態で一生を終えるそうです。      (祖母が言うのでそのまま信じていますが、実際のところ何の虫か分かりません。)

      虫を山から生きたまま持って帰るには、ストロー状の「クサギの木」に数匹の虫を詰め、      両端を綿で塞ぎます。       調理法は、細い木の枝で虫を突付いて木の中から出し、フライパンで乾煎りするだけ。
     狐色になり香ばしい香りが漂い始めるとできあがり。

      今では、とても食べる気にならないのですが、その頃は「元気になるため!」と本気で信じ、      口にしていました。味は、「コクのある焦げたタンパク質」的です。

      「クサギの虫」の話は、 司馬遼太郎の「街道をゆく 8 熊野・古座街道、種子島みち」朝日文庫      中にも記載があります。        P.49『…臭木と書く。クマツヅラ科の落葉潅木で、葉にも茎にも悪臭があるためにその名が           がある。』        P.50『クサギの木はなかが中空になっていないが、「クサギの虫」という虫が木質の中に入っ           ているときは、虫が中空(うつ)を作っている。この虫は何かの幼虫なのだが、なまで食           っても美味で、串にさして焼いても旨い、と言う。』

     現在では、捕る人も食べる人も居なくなったかも知れませんね。      (ちなみに、串本町大島ではこの虫を食べる習慣はありません。)      





作成日 2003/05/09