数にまつわる話題
(一つ物人形からの連想)

  串本町大島の権現島の案内書きにもある、熊野速玉大社の例大祭に登場する一つのもの(一つ物人形)、
  その名称の由来が以前から気になっていました。
  今年(2004年)1月半ば、書店で偶然手にした本のなかで、「四つの船」という
  言葉を見つけたとき、N個でワンセットという物の数え方もあるのだということに   改めて気付かされました。


   『アジア海道紀行』〜海は都市である〜 佐々木幹郎著 (みすず書房)
     「七世紀初頭から九世紀初頭まで、十五回派遣された遣唐使船は、最初は二艘で
     組となっていたが、八世紀初頭以降は、四艘の船となり、「四つの船」とも
     呼ばれていた。」


  一つ物人形の名称の由来に直接関係は無いとは思うのですが、
  「一つ」、「二つ」、「三つ」、「四つ」と順番に古語辞典(旺文社)を引いてみましたら
  面白いことが記載されていましたので、ここに紹介させて頂きます。


   *** 「一つ」 ***

    /瑤量勝0譟ひとつ。
    一歳。
    そのものだけであること。単一。唯一。
    て韻犬海函F碓譟


   *** 「二つ」 ***

    「二つ文字」=平仮名の「こ」 (ちなみに「牛の角文字」=「い」)


   *** 「三つ」 ***

    「三つ物」
    ヽ察覆茲蹐ぁ砲瞭后β機Τ(かぶと)の三つ。
    騎射(きしゃ)で、流鏑馬(やぶさめ)・笠懸け・犬追物(いぬおうもの)の三つ。
      騎射=馬上で弓を射ること。うまゆみ。

    「三つの山」=『三山さんざん』
     本宮・新宮・那智の熊野三山を言う。
      『三つの山の御参詣を事故(ことゆゑ)なく遂げ給ふ』義経記

    「三つの道」=「三才さんさい」 才は働きの意。
     天・地・人の総称。宇宙間の万物を三大分類している。


   *** 「四つ」 ***

    「四つ物」
    四種の武具。七つ物、すなわち鉈(なた)・鎌・熊手・槌・鋸・金撮棒(かなさいぼう)
    (=金棒)・鉞(まさかり)のうちの四つ。

    「四つの船」
     遣唐使の船。遣唐使には大使,副使、判官(じょう)、主典(さかん)の四使が
     あって、四隻の船に分乗したところからいう。


  私の力では、言葉遊びを楽しむ程度にしか膨らませる事ができなくて残念です。   また、一つ物人形の装束は、流鏑馬のものと似ているように思うのですが…。
  (流鏑馬の装束も時代によって異なるようです)

  (以上、お粗末様でした)


   04/02/18 更新(三つの山を追加)
   04/02/11 作成