アラタは、古くから日本でヒョウタンウツボカズラとして知られている種で、袋をよく付け低温、高温にもよく耐える栽培しやすい種です。フィリピンの標高800〜2,400mまで幅広く自生するため、地域によって外観に大きな違いが見られます。もっとも顕著なのがフィリピン北部ルソン島に自生するタイプと南部のミンダナオ島に自生するタイプの違いです。ルソン島産のアラタは袋の色が赤いか、赤い斑点が多く入り、翼も発達します、袋の形も背が低く、中程から細くなってきます。一方のミンダナオ島産のアラタは、緑色の袋で、わずかに赤みがさす程度の色彩が主体です。翼は無いか、極めてわずかで形も下部が膨れ上にいくに従って細くなり、明瞭な区別がつきません。すなわちヒョウタンウツボカズラの姿そのままです。
このように変異が多いため、これまでN.eustachya、N.gracillima、N.mirabilis、N.stenophyllaがアラタとされたことがありました。変種はいくつかありますが、var.boschianaという変種は、袋の基部が丸くふくらみ上部は細長く口が少し広がる特徴があり、鑑賞価値は高いと思われます。
現在、多くのタイプが輸入され栽培できますが、袋が10cm以下の小型のタイプから35cm越えるといわれるタイプ、袋の色の違い、襟や翼の発達ぐあいの差がさまざまでコレクションは楽しめます。

栽培

 栽培は容易といえます。小さめの鉢に植え、用土を加湿にしないような水管理、空中湿度を高め、7〜30度くらいの温度で管理できれば大きくなります。当然立派な袋を付けます。

温度管理

 比較的標高の高い地域に自生しますが、日本の夏でも生長が鈍ることはないようで。しかし、まれに暑がるタイプも存在することも事実です。最低温度は7度あればよいといわれ、ネペンテスの中では最も低温まで耐えることができます。

空中湿度

 ネペンテスの栽培の基本として高い空中湿度があります。アラタといえども同じです。しかし、低くても袋は付けやすいこともアラタの特徴と思っています。夏、強い風が当たらない程度に管理すれば結構袋をつけます。

水管理

 加湿を好みません。ミズゴケでいつもベタベタにしていると根を傷め、生育が思わしくなくなります。ベントリコーサほどではないにしろ乾燥気味の管理が無難です。我が家では、ミズゴケ植えではどうしても加湿になるため砂利で植え、表面に生のミズゴケを置いて、これが枯れない程度に水を与えています。ただ、夏だと浅い腰水をしないと、ミズゴケはすぐに乾いてしまいます。仕方なく腰水をしますが、砂利との組み合わせでは問題ないタイプが多くありました。

用土

 日向の細粒をベースにあく抜きベラボンを3割ほど混ぜて使っています。気分で炭や焼赤玉土を混入しています。焼赤玉土は鉢を重くするためです。アラタは生育が早いため地上部がすぐに重くなり、鉢が倒れやすくなります鉢を重くするのは倒伏防止のためです。

 3号鉢までは素焼鉢にミズゴケで吊り鉢にすれば簡単に栽培できますが、大株にしようと思うと5号鉢以上にしなければならないので、用土を加湿にならないものを使用しています。

日照

 強い方が生育はよくなります。慣らせば直射日光でも栽培できますが、湿度が低下するためか袋の付きが悪くなります。

繁殖

 増殖は挿し木でよく、発根すれば比較的早くから袋を付けてくれます。

シブヤン島のアラタとされる個体。ちょっと袋のふたの形が違います。
シブヤン島のアラタ

古くから日本で栽培されているアラタ。在来種と呼べます。赤みの強い、弱いで区別できる2タイプあります。同一株なのか、別クローンなのかはわかりません。比較的袋を付けやすく、見栄えも良い種です。

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