ラオスにも私の好きなウツボカズラ、ネペンテスが自生します。雨期のさなか苦労して旅した記録です。

ソレリーの生えている松林。松林のむこうは広葉樹林。

広葉樹林は深い森で下までは光が入りません。ネペンテスは生育できないようで、まったく見られませんでした。

果実
典型的な袋

小株。あちらこちらに散見されます。

襟の多きな袋

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イネ科の葉の上に伸び上がった花茎が見られる。

株は直径30〜40cmになります。

ソレリーの雄花。かなり前に開花し枯死している。

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1 自生地の状況
 9月10日、ラオスのプーカオクアイ国立公園にある、ネペンテス ソレリーの自生地を見ることができました。事前まで雨期で道が通れないとのことでしたので、あきらめていましたが、現地では通行が可能であろうと言うことなので行ってまいりました。
 何度もぬかるみのはまりながら、標高1000mくらいまで登りました。自生地自体の標高はわかりませんが、1666mの山の山麓という位置条件でしたので、この程度と判断しました。自生地は緩やかな起伏のある粘土質の土壌に大きな石が点在します。そこには南洋松が疎生し、明るい林を作っています。林の下は、腰ほどの高さに育ったイネ科の植物やショウガ科の植物が生える草原で、その中にソレリーは点在していました。密度の高い場所で1平方メートルに1株以上でしょうか。場所によってかなり違います。この場所は牛の放牧地ので、数年に1度火を入れるそうです。その影響だと思いますが、ソレリーは茎の短いものばかりで、上の袋を付けている株は1株あったのみでした。実生による増殖も盛んなようで、小型の株がたくさん生えていました。
 この松林の周囲は広葉樹の森で、ここは光が入らず、ソレリーはまったく自生していません。森の中は厚く腐葉土が積もり、直射日光はほとんど入りません。木にはランやシダが着生しています。
松林自体も小さく幅100mほどで帯のように続いています。北アルプスを登ると、森林限界を越えたとたんにハイマツの林になる、といった具合の変化があります。
 なお、水は天水に頼っているようでした。
 現在、雨期で草に埋もれているようですが、乾期には草は低くなり、乾期がもっとも寒くなるようで、朝晩は10度を割るそうです。
2 発見の状況
 自生地はイネ科の植物が優先種で、小さなネペンテスを探すのは困難でした。しかし、9月が結実期ということで、長い花茎がイネ科植物の上まで伸び発見することができました。1株見つかると次々見つかりました。場所的には起伏の上部、西側斜面に多いようでした。 
3 自生するソレリーの特徴
 とりたてて珍しいこともありませんが、最大の袋は高さ20cm、下部が少しふくらみ上部は円筒状です。えりは幅5mmほどでそりかえります。口は斜めに開き、ふたはお椀をふせたようで口を覆います。発達した翼を持っています。
色は赤紫色で、緑色のものもあります。襟は同色か黄色です。緑一色という株もあり、これに上位袋が付いていました。袋の内側には赤紫色の大きな斑点が付いています。
上位袋はミラビリスのようで、袋には葉脈が見えます。下位袋に比べ細長く、下部がふくらみます。翼はまったくありません。蓋が開いていなかったので襟等は観察できませんでした。
葉は細長く、長さ30cmに対し5cmもありません。中央部に赤みが入る株が多くありました。
花茎は雌花のみ残っており、結実していました。雄花はすでに枯れていました。かなり小さな株も開花結実していました。

ソレリーの上の袋

下の袋

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こんなぬかるみを越えながら自生地を目指しました。