甲賀忍法帳/パチスロバジリスクをもっと楽しむ演出を深読みするとおもしろい 慶長十九年春、不戦の約定が解かれた。甲賀と伊賀、四百年の宿怨とは?

もっと深読み/弦之介様はなにゆえに甲賀と伊賀の和睦を望んだか・・・
 山田風太郎さまの原作、コミック、DVD「バジリスク 甲賀忍法帳」。非常に人気が高いので、コミックとDVDを中心に進めていきます。
 「相思相殺」の土岐峠の段です。弦之介様が背負っている朧ちゃんに対して、「我らの祝言が近いとの噂を耳にされた半蔵殿が、両家そろって世に出る良い機会としておとりはからいくだされたのではないかと・・・」と、 希望的な気持ち伝えています。「世に出る」とはどんんな世でしょう。しかも両家そろって、ということは。
 また、「神祖御諚」の駿府城の段では、服部響八郎殿の争忍の状況を聞いて驚く柳生殿に対して、服部半蔵殿が、「やつらは武士ではあり申さぬ」、「らっぱ、すっぱでござる」と言っています。これは士農工商のどれにも当てはまりません。普段は土豪のように暮らしている大きな勢力の忍者集団でも、だれかに属しているのではなく、雇われて戦場に赴いたり、諜報活動をして情報を集めたり、間違った情報を流して人心を惑わしたり(らっぱ)しています。弦之介様はこの状況を変えようとしてご自分の祝言も利用しようとしたのではないでしょうか。
 今では忍者と呼ばれ、海外でも有名になりましたが、当時は忍びの者、乱波(らっぱ)、透波(すっぱ)、などと呼ばれていました。武士は表向きには忍者を用いることは、潔いことだとはしていませんでした。しかし、実際はどの勢力も彼らを積極的(裏で)に用いおおいに役立てていました。弦之介様は、「甲賀も伊賀も人にかわりはない」との考えから、ともに表の世に出る機会を待っていたものと思います。そう簡単なことではありませんが、服部半蔵様が忍者の総元締めのような役割をもっておられたので、期待も大きかったのではないでしょうか。争忍が始まってからでも駿府城まで行って大御所、もしくは服部殿に会ってその真意を聞き、自分の意向も聞いてほしかった・・・。残念ながら駿府の一歩手前まで近づきながら果たせぬ夢は幻になりました。
もっと深読み/朧ちゃんと朱絹さん、お幻さまと謎の女性
お幻さま朱絹さん朧ちゃんの母上か?
  朧ちゃんの朱絹さんに対する気持ちはまるで姉を慕う妹のように信頼した様子です。伊賀の衆の中にあって朧ちゃんには頼れる人がありません。しかもお幻さまが亡くなってからはとくに。
朧ちゃん DVDでは朧ちゃんの母上と思われる女性が一瞬だけ登場します。しかし、朧ちゃんはこの女性が母上であることを知りません。一族の女性であることは確かでしょうが、名前も出てきません。朧ちゃんは「ねえや」と呼んでいたようで、世話役のような立場で朧ちゃんを見守っていたようです。弦之介様とのお見合いの前に墓参りをしていることから、早くに亡くなったようです。ただ、若いころのお幻さまと朱絹さんは面差しが似ているように見えるのですが。もちろん、せがわまさき様の絵の個性かもしれませんが。なんとなく・・・ですが、朱絹さんと朧ちゃんには血縁があるような気がします。母上もなく、お幻さまもなき人です。特に、朧ちゃんが自分で眼を塞いでからは心細かったことでしょう。
もっと深読み/薬師寺天膳さまの生涯「この世はまさに地獄」だった?
 天膳殿はどうやら百七十年も生きているようです。もっとも数え切れず死もあったようですが。慶長十九年から数えて百七十年前というのは、室町時代、応仁の乱には成人していたということでしょうか?
 かつてお幻さまは朧ちゃんに語っています。「天膳の身内に巣くうものの力・・・」と言い、「天膳とともに母御の腹より二人の赤子としてこの世に生まれてくるはずのものであった」ということです。双子の片割れが天膳殿の身内にいて、双方を仕留める必要があったのです。それを知る朧ちゃんは「来世邂逅」で一旦弦之介様が斬った天膳殿が生き返ったときに「破幻の瞳」の力によって天膳殿を亡き者にしました。
もっと深読み/時間稼ぎだったのかな〜気を失った弦之介様との決戦を明日にもちこす
弦之介様と朧ちゃん 天膳殿がなくなり、ついに甲賀は弦之介様だけ、伊賀は朧ちゃんだけとなり、一対一での勝負が避けられなくなりました。天膳殿との一騎打ちで傷つき、気を失った弦之介様は朧ちゃんを討てぬ、と勝負を翌日に持ち越した朧ちゃん。これは時間稼ぎだったように思えます。念鬼殿の策にはまり、眼を塞がれた弦之介様を討つのは簡単ですが、もう一度・・・、という朧ちゃんの願い。そして「そなたは討てぬ」と弦之介様に言われ、覚悟を決めた朧ちゃん。例の荒れ寺で眼が開いた朧ちゃんはもしかすると弦之介様もあすには開眼するかもしれぬ、という期待もあったかもしれません。お互いに見つめ合って(瞳術と破幻の瞳・・・危険)最後を迎えたかったのかもしれません。

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