ポカリの日記  タエコ・メッツラー
昔の夏の思い出(2)
国籍も違う私に、打ち明け話をしてくれたのが嬉しかった!
現在の私です。物語は14年前の話しですよ。

 夏の夜の光りが窓からさしていたので、私の方からは窓際のベットで寝ていたジョージアが両手を顔に当てているシルエットだけが見えて、その上叫び声が伴ってなんとも気味の悪いものだった。

 私は夢うつつだったので、それが夢なのか、映画のシーンなのかなんなのかしばらくはわからなかった。やっと正気づいた時、ソフィアが「どうしたの?」と聞いた。ジョージアは「悪い夢をみたわ。あのユーゴの男の夢よ」と答えた。

 そう、その前の晩に3人でユーゴ料理を食べに行った時にジョージアが話していたあの男だ。ジョージアがギリシャからユーゴにやってきた訳はその男に会うためだった。

 ギリシャでその男と2か月間くらい付き合っていたのだけれど、彼がユーゴに帰ってしまったのでジョージアははるばるギリシャから会いに来たのだ。それでやっと着いて彼に電話をしてみると、「会いたくない」と言って電話を切られたそうだ。

 なんちゅう男だ!事情は当事者でないからよくわからないけど、無性に腹が立ってきた。それなのに、ソフィアは「ひどいわねー、でもユーゴの男ってかっこいいわよね、男らしいって感じ!私も昨日列車で会った男の事がわすれられないわ〜」なんて言うので、私はずっこけて腹が立ったのも忘れてしまった。でもさすがにジョージアは彼女の真新しい経験から「そんなに簡単に男を信じたらだめよ」なんて言っていたっけ。

 まー、そんな変な男の話はどうでもいいんだけれど、ジョージアが(少々奇妙な話ではあったが)会ったばかりの、そして国籍も違う私に打ち明け話をしてくれたのが、私にはたいそう嬉しかったのを覚えている。

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                                                  (つづく)

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