第2回
猫とガーデニング

 突然ですが、猫は「ガーデニング」、伝統的な言い方をすれば「庭いじり」が大好きな動物です。
 庭で爪を研いだり、身構えたり、または大きなあくびをする姿を見ていると、つくづく人間のガーデニングの効用と類似していると思ってしまいます。

  草花で演出されるガーデニングは、今ちょっとしたブームです。それは猫の世界でも同様で、ただ縄張りや狩りという本来の習性が発揮出来る安らぎがあるという意味です。つまり猫はとても土いじりが好きなのであって、見方を変えると、人生の支える立派な趣味なのです。

  そんなに庭で過ごすのが好きならば、猫用のガーデニングを考えてあげてもいいかも知れません。
 ガーデニングには単独で身を潜める常緑樹や潅木でその場所を作ってあげるのがポイントです。そして爪を剥ぐためのスギやヒノキなどの針葉樹があるとベストです。樹が植えられなけばスギの丸太を打ち込んでも良いでしょう。これらの木は樹皮が縦に剥がれるので野良猫の愛用品でもあります。

  半夜行性動物である猫にとって、夜の庭は大好きな空間となります。
 猫は光を網膜細胞に吸収させて薄明かりでも鋭い視覚を発揮します。そのため視力が0.3と良くないものの、光の感度は人間の6〜8倍あり、夜間になって活動の本領が発揮されたりします。
 その証拠に闇夜の猫はおどおどせず、軽快に歩く姿は人に威圧感すら与えます。
 まさに夜は猫の世界です。暗闇で見る猫こそ本来の姿が見られます。
 こうした空間では他の猫への意思表示が示され、臭い付けのために頬の臭腺を寄せたり、スプレーと呼ばれる尿をかける行為や樹木などで爪磨ぎをします。
 これらの行動は、マンションのベランダや室内でも応用出来るわけで、例えばキャットタワー(麻巻きタワー)で上下移動と居場所を授け、常緑樹の代わりに鉢植えや板で見え隠れさせます。そして猫用ドアーや木道などがあれば猫は大喜びです。
 特に高齢な猫には静かで安息出来る場所が喜ばれます。そして適度な運動や興奮は、自律神経の安定を促し、体内の機能を活発にさせるので健康にも好都合です。
 ところが飼い主が土いじりをしなかったりさせなければ、仕方なく他所の庭に侵入してしまいます。その習性から猫は害獣となる要素を含んでおり、最近では近隣への迷惑を考慮して室内飼いが推奨されつつあります。

 欧米では室内飼いが一般的で、庭が荒らされる事は少ないのでしょうが、日本では日常的な問題となっています。
 やはり飼い主も趣味を同じくしていれば問題ともならないのかも知れません。 猫は自分の意思表示するために、土いじりの趣味は不可欠なのです。はっきりした調査結果は出していませんが、恐らく100%近くの猫が何らかの趣味を持っていると思われます。
 猫は猫の額ほどの空間でもいいので、飼い主と一緒に趣味を生かしたいと考えているに違いありません。
「ドギー&キャッツ」 2003年5月号掲載

第3回に続く

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