アケビコノハ

 アケビコノハというガの幼虫が、ミツバアケビの蔓をかじっているところを見つけました。 カメラを近づけると、下の写真のような警戒のポーズ。 何となく恐ろしげな、すごい姿勢ではありますが、チョウやガの幼虫を餌にしている小鳥たちは、本当にこの姿を見て、餌にするのを止めるのでしょうか?
写真1 アケビコノハの幼虫  撮影:H18.5.6. 大阪府の堺市と大阪狭山市の境にある陶器山にて

 写真2と写真3は、写真1の一部を切り取って、回転させたものです。 写真2は、明らかに目を想像させます。 鳥は目玉模様を嫌います。 襲われる動物の顔を連想させるのでしょうか。 鳥よけには1つの目玉模様でも有効なのですが、2つ並ぶと効果が上がるのでしょうか。
写真2 写真3
 写真3は、動物の体の前部のようでもあります。 巣を狙われるなどで鳥の恐れるヘビが首を持ち上げた姿を想像できなくもありません。 鳥たちはアケビコノハの幼虫のこの姿を、どのように見ているのでしょうか。

 ところで、写真1の威嚇のポーズ、裏から写真を撮ると、幼虫の顔が分かります(写真4)。 急所である頭の部分を隠していたのですが、化けの皮がいっぺんにはがれた感じがします。 動物の顔の先端のように見えていた部分は、尾肢(幼虫の体のいちばん後に付いている肢)を持ち上げて伸ばしていたんですね。

 このアケビコノハ、成虫もなかなかのものです。 幼虫はこわがらせて身を守りますが、成虫は、葉柄まである枯葉そっくりの擬態で、身を隠します(写真5)。
写真4

写真5 アケビコノハの成虫
 このアケビコノハは、発見したとき(H18.12.15.)は、足を体にぴったりとくっつけ、横になって、職場の廊下に「落ちて」いました。 H女史は、何度もこの前を通り、「何でこんなところに枯葉が一枚?」と、ずっと思っていたようです。
 「アカエグリバ」のページでも触れましたが、このアケビコノハも、少しくらい触っても飛んで逃げたりしません。 枯葉が動いてはおかしいですからね。 ですから、上のように、ポーズを決めて写真が撮れるわけです。
 でも、つついていると、急に前翅を広げ、後翅を見せます。 後翅には鮮やかなダイダイ色に目玉のような模様があります(写真6)。
 鳥になったつもりで想像してみてください。 餌を探して枯葉をつついたつもりが、急に鮮やかな色と、恐ろしい大きな目玉が現れる・・・。 ビックリして飛び上がって、もう一度その辺りを見ると、枯葉ばかりで何もない(アケビコノハはすぐ翅を閉じます)・・・。 今のはいったい何だったのか? もうその場所に戻る勇気もなくなるかもしれません。

写真6 後翅を見せたアケビコノハ
 私も最初は冬の寒さで行動が鈍くなっているんだと、安心して写真を撮っていました。 アケビコノハにすれば、つつかれすぎてガマンできなくなってきたのでしょうね。 飛び立つと、すぐに近くに止まると思っていた私の予想を裏切って、はるか彼方に飛び去ってしまいました。
 最後に、顔のアップを紹介しておきます(写真7)。 こうして見れば、眼は保護色ですが、普通の蛾なんですけれどね・・・。 足にある白い円形の模様がどのような意味があるのかは、分かりません。

写真7 アケビコノハの頭部