ツルアリドオシ

 木漏れ日のスポットライトを浴びて、5mmほどのかわいい小さな実が美しく輝いていました。アカネ科のツルアリドオシです。
 名前の由来は、同じアカネ科にアリドオシという低木があり、この木にはアリの体をも貫けるような、鋭く細く長いトゲがあります。それに似て地面を這っているところからの名前でしょう。もちろんこの植物には、トゲはありません。
 花は大阪付近では6月上旬。小さな花ですが、一面に咲くと、なかなか見応えがあります(下の写真)。株により、花柱の長く突き出るものと、雄ずいの長く突き出るものとの2型があります。右下の2枚の写真を比べてみてください。なお、この2枚の写真は、花弁に生える毛を写したくて、少し暗くして撮ったものです。
 ところで、これらの写真、どの花も2つずつ咲いていることに気がついたでしょうか?

 ふつう、1つの実は1つの花からつくられます。ところがこの植物では、花の子房がくっついていて、熟すと、2つの子房から、つなぎ目の無い、あたかも1つのように見える果実( 正確に言うと、子房下位ですので偽果になります )ができるのです。
 最初の果実の写真をよく見てください。ちゃんとガクの跡が2カ所にあるのが分かるでしょう。