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静岡県の「不都合な真実」(1)
 

480億円の血税が使われる太田川ダム取水計画は
過大な需要予測に支えられたズサンな事業だ!?





 

1,破綻している静岡県の水需要予測


 静岡県企業局は、平成12年に太田川ダム利水計画に係わる水需要予測の見直しを行いました。しかし、『まず事業計画ありき』からの作業だったためか、そこでも過大な需要予測が行われ、『太田川からの取水がないと水不足になる』という結論を導き出しました。

 私どもは、この静岡県の需要予測は、『@現状の水需要の趨勢を踏まえたものでな、A合併効果を考慮しない妥当性を欠いた予測』と指摘し、再度の見直しを求めてきました。しかるに、静岡県企業局は県議会や公共事業評価委員会等において、自らの予測の正当性を主張し続け強引に事業継続を図ってきました。

 しかし、その強弁も破綻がきました。

 需要予測算定からの5年間における水使用の実績は、「(下図のように)横這い状態」が続き、企業局の予測が大きく狂っていることが明らかになってきたからです。(静岡県は、500万人の集客があった浜名湖園芸博時の需要量が増加した年度の例をあげ、今後も水需要は増加し続けると主張しています)・・・・・
平成17年度の実績をみますと、静岡県企業局の予測は約80,000トンも過大な見込みになっていました。太田川からの取水計画量は56,500トンですので、それを大幅に上回る水余りになっていたことになります。

 ※下図グラフで「静岡県の予測」と「実績」の乖離が拡大していくことをご確認下さい。


 【グラフ 1】



一日最大給水量(これが事業計画の基準になります)について、静岡県企業局の予測と
 実績の乖離を具体的数値で示すと下記のようになります。


 【表1】 
      │企業局予測 実績   │予測の過大分     (単位:トン)
   H13│458,180  │ 438,302│  19,878 │
   H14│468,290  │ 429,317│  38,973 │
   H15│479,190  │ 425,374│  53,816 │
   H16│490,110  │ 454,315│  35,795 │ <---浜名湖花博(500万人来訪)
   H17│498,630  │ 419,051│ 79,579





2.今後の水需要予測
   〜事業完成年度は13万トンの大量な水余りに〜


 平成17年度の実績の具体的数値は、以下の【表2】の通りです。
これをベースにして、これからの水需要の予測をしてみたいと思います。

   ※平成17年度の実績
     
「静岡県の水道の現況(平成17年度版)」(静岡県発行)より引用

 【表2】
   給水人口  │一日最大給水量│一日平均給水量一人最大給水量(日
  1,069,054人 419,051トン    377,469トン │  391リットル    


(1)給水人口について
 静岡県予測の給水人口は、実績値よりも15,795人過大でした。
 一方、私どもは日本統計協会の人口推計を使用してきましたが、実績値よりも7,600人も過大な推計でした。尚、私どもは上水道普及率100%として給水人口を求めてありますが、静岡県のそれは98.7%になっていることを考えれば、日本統計協会の人口推計をそのまま使用して、ピーク時の平成31年(実際のピークは平成27年度)までの最大給水量を予測していくことは的はずれではないと考えます。



(2)一人当たり最大水使用量(一日)
 表2の「一人当たり最大使用量(一日)」は、(遠州地域全体では)合併効果や節水型生活の浸透等で391リットルになっています。今後もこの趨勢が続くものと考えられますので、この数値を使用して今後の需要予測をしたいと思います。
 (ちなみに、浜松市のそれは371リットルになっていました。浜松市が予測した数値は412リットルでしたので、ここでも合併効果を見誤っていたのではないでしょうか
。浜松市は平成16年度末に将来の需要予測を行っていますが、その約6ケ月後の平成17年度実績において約3万トンも過大な見込みになっていました)


(3)一日最大給水量の算定   ( 給水人口 × 一人当たり最大水使用量(日) 
 給水人口は(1)のように統計協会の推計を用い、それに(2)の
391リットルを乗じて、「一日最大給水量」を算出すると表3の「今後の水需要予測」になります。・・・・・それを、静岡県企業局の予測と比較しますと(静岡県の予測が)いかに過大な見込みであるかがお分かりになると思います。


【表3】
           │ 給水人口(推計) │ 今後の水需要予測 │静岡県の予測 │予測の過大量
   平成17年度 │1,069,054 (人)│  419,051 (トン)498,630(トン)  79,578(トン)
   平成22年度 │1,112,063    │  434,817     │ 539,980  │ 105,163
  平成27年度 │1,113,874    │  435,525     │ 553,670  │ 118,145
   平成31年度 │1,108,925    │  433,590     │ 564,550  │ 130,960

 ※1の【グラフ 1】の「今後の予測」のように、横這い状態になっていることをご確認下さい。
  平成16年度の実績がやや大きくなっているのは、500万人の来訪があった国際浜名湖花博のためです。



(4)結論として
 このような趨勢からみて、太田川ダムからの一部通水が始まる平成21年頃には、静岡県の計画水量に対して、毎日約100,000トンの水余りが発生することが予想されます。 さらに、全面通水になる平成31年頃には130,000トンと太田川取水計画量(56,500トン)の2倍超の水量が余ることになります。


 以上のように、
 太田川ダムからの取水は全く必要ないことが確認できます。480億円という巨費を投じて進められる当該事業は、自然破壊と市民に負担だけを強いるムダで危険な巨大な箱物計画というほかありません。
こんなデタラメな事業について、関係自治体、関係議会、公共事業評価監視委員会等から問題提起がでてこないというのはどのようなものでしょうか?


※「危険なダム」については、別紙「ダム提体の建設場所(左岸)の岩盤すべり問題」を参照してください。







                          
                           

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