環境基準2200倍の六価クロムを検出 埼玉の日本ピストンリング工場 ........................毎日新聞 2001.02.23

大正製薬大宮、トリクロロエチレン2700倍基準値超える地下水汚染 .........................................埼玉新聞 2001.2.21

富士写真光機テトラクロロエチレン地下水汚染問題埼玉新聞 .......................(2000年12月1日 掲載)

トリクロロエチレン広域汚染 飯能と東松山 基準の21倍の地域も埼玉新聞 ............... (1999年9月10日掲載)

トリクロロエチレン汚染 東芝深谷工場を調査埼玉新聞 .............................. (1999年5月21日掲載)

トリクロロエチレン 深谷の地下水汚染 汚染源は薬品工場 最高値「ほぼ原液」埼玉新聞  (1999年3月17日掲載)

富士電機 吹上工場のトリクロ汚染土壌入れ替えへ.............................................埼玉新聞 



【1】有害物質:
環境基準2200倍の六価クロムを検出 埼玉の工場 

毎日新聞 2001.02.23
 埼玉県与野市のエンジン部品メーカー「日本ピストンリング株式会社」(地引啓修社長)は22日、同社の与野工場(従業員851人)敷地内の地下水から環境基準の2200倍の六価クロムを検出したと発表した。基準の4000倍のトリクロロエチレンや、同2700倍のテトラクロロエチレンも検出された。現時点で健康被害は確認されていないが、同社は昨年7月に汚染の可能性が高いことを知りながら、公表していなかった。

 同工場の移転計画により、同社は昨年7月、工場敷地内145カ所の土壌ガスを調査。濃度の高かった地下水の11地点について今月、再度調査した。

 その結果、最高1リットル当たり120ミリグラムのトリクロロエチレン(環境基準は0・03ミリグラム)、テトラクロロエチレン同27ミリグラム(同0・01ミリグラム)、六価クロム110ミリグラム(同0・05ミリグラム)を検出した。

 発がん性の疑いのある六価クロムは、クロムメッキ処理の過程で発生していたものが漏れた可能性が高いが、1970年以降は漏えい防止装置を改善したため、同社は「それ以降の漏えいはない」と話している。また、43年からエンジン部品のピストンリングの洗浄用にトリクロロエチレンを、テトラクロロエチレンについては69〜89年に使用していた。

 同社は22日夜から、揚水ポンプと活性炭処理などで有害物質を取り除く浄化対策を行うとともに、25日に住民説明会を開くことを決めた。

 これまで公表しなかったことについて、同社与野工場移転本部の田辺幸男取締役副本部長は「生ぬるいという印象を受けられても仕方がない」と話している。



大正製薬大宮、基準値超える地下水汚染 
会社と市が調査 会社と市が調査
 

埼玉新聞 (2001年2月21日 掲載)

今月5日に大正製薬(本社・東京都豊島区、上原明社長)大宮工場敷地の地下水から環境基準値を超える有機塩素系化合物が検出された問題で、周辺民家の井戸水を検査していた同社と大宮市は20日、それぞれ検査結果を公表した。

 大正製薬の検査では、汚染源と推定される場所から半径500メートルにある民家の井戸20本と調査の申し出があった井戸56本から水を採取。工場北東側の民家の井戸水から環境基準値(1リットル当たり0.03ミリグラム)の3.6倍のトリクロロエチレン、11倍(同0.01ミリグラム)のテトラクロロエチレンを検出した。また、南東側の1カ所で2.2倍のテトラクロロエチレンを検出した。

 一方、大宮市は、同じく半径500メートル以内で計40本の井戸を調査。会社調査で環境基準値を超えた北東側の同じ井戸で基準値の23倍のトリクロロエチレン、同7倍のテトラクロロエチレンを検出した。

 ほかの井戸は不検出ないし、環境基準値未満だった。

 環境基準値を超えた井戸は飲料用に使われていたことから、会社側はポリタンクで水を供給しているが、上水道の敷設など恒久対策を協議したいとしている。また、汚染水の除去と拡散防止のため同社は、敷地内で揚水井戸の数を増やしたほか、遮水壁の設置などに取り掛かる。


地下水に発がん性物質、報告遅れ 大正製薬大宮工場

埼玉新聞 (2001年2月7日 掲載) 

 大手製薬メーカーの大正製薬(本社・東京都豊島区、上原明社長)は6日、同社大宮工場の敷地内の地下水からトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど有機塩素系化合物を環境基準値を超えて検出したことを明らかにした。検出された最高値は昨年11月2日の調査で、トリクロロエチレン(環境基準値1リットル当たり0.03ミリグラム)が同基準値の2700倍、テトラクロロエチレン(同0.01ミリグラム)が1000倍だった。

 同社は、応急対策や汚染源特定を急ぎながらの恒久対策、周辺民家の井戸水調査や住民説明に取り組むことを明らかした。同工場で製造した製品への影響はない−としている。

 一方、5日に報告を受けたという大宮市の新藤享弘市長が「これまで報告されなかったのは遺憾だ」と口頭で同社に伝えた。同市は同日から周辺民家の聞き取り調査に入る一方、井戸水を飲料に使わないよう呼び掛けている。

 同社の説明によると、工場の環境整備を進める一環として1999年から敷地内の土壌ガス調査や簡易ボーリング調査を行った際、工場南門付近で環境基準値を超える数値が検出された。昨年8月から調査用井戸48本を使って地下水調査を行ったところ、トリクロロエチレンが29カ所、テトラクロロエチレン28カ所で環境基準値を超えた。

 汚染原因について同社は、南門付近で昭和30年代から50年代にかけて、医薬品の張り薬を製造する際に、生産工程や機械洗浄で両物質を使用したと説明。「漏れたりなど不適切な管理が推定される」としている。

 同社は汚染地下水の拡散防止のため試験用井戸から水をくみ上げ、浄化装置で浄化する応急対策を取った。また、恒久対策として、汚染地域を囲む鉛直遮水壁を設け、地下水や土壌の浄化に取り組むという。

 また、同社は6日に吉野町1丁目、今羽町の両自治会、近隣マンションの自治会の役員に状況を説明、7日から周辺民家を回り井戸の有無や調査協力を呼び掛ける住民相談室(フリーダイヤル0120・663・165)を設置した。



富士写真光機と大宮市が調査結果を発表 地下水汚染問題

埼玉新聞 (2000年12月1日 掲載)

 大宮市植竹町の光学機器メーカー富士写真光機の工場敷地内で毒性のある有機塩素系化合物が地下水から検出された問題で、大宮市環境部は30日、同社と大宮市が実施した周辺井戸水の調査結果をまとめ、公表した。

 汚染が発覚した10月10日以降、約1カ月間かけて会社と市が周辺地域の民家の井戸460カ所を対象に水質検査を実施。テトラクロロエチレンは60カ所で検出、環境基準値(1リットル当たり0.01ミリグラム)を超えたのは18カ所、最高値は630倍。トリクロロエチレンは15カ所で検出され、基準値(同0.03ミリグラム)超は3カ所、最高値は9倍だった。

 同市環境部は調査結果を分析し、汚染範囲を▽工場敷地の南部から南東方向200メートル付近▽同南南西方向600メートル付近▽同北東方向500メートル付近−の3カ所と確認した。

 南部直近と南東方向200メートル付近の汚染は、工場敷地の汚染が原因となっている可能性があると指摘、会社側に汚染源の特定を急ぐよう指導した。一方、南南西方向600メートル付近と北東方向500メートル付近の汚染については「途中の井戸で汚染は認められず、必ずしも富士写真光機による汚染とは考えにくい面もある」とし、市が独自に汚染源の確認調査を行うとしている。



最高は基準値の630倍・富士写真光機地下水汚染 

埼玉新聞 (2000年10月21日 掲載)

 大宮市植竹町の光学機器メーカー「富士写真光機」(樋口武社長)の敷地内の地下水から有害物質のトリクロロエチレンなどが検出された問題で、同社と大宮市は20日、工場周辺の民家の井戸水を調査した結果を公表した。高濃度汚染が確認された同社駐車場の南東側で環境基準値の最高630倍のテトラクロロエチレンが検出されるなど複数の井戸が環境基準値を超え、汚染の深刻さが浮き彫りになったかたちだ。

 大宮市は汚染発覚直後の10、11の両日、駐車場の南東側を中心に半径500メートル以内にある民家の井戸48カ所からサンプルを採取。分析の結果、駐車場から南側20メートルの地点で17倍のテトラクロロエチレンを検出した。基準未満の数値が検出された井戸は18カ所。48の井戸のうち飲用が21カ所(上水道なし10、あり11)、飲用外(ふろ、洗濯、散水など)27カ所で、基準値を超えた井戸は飲用外という。

 一方、富士写真光機が住民要望に基づき実施した調査は83カ所。検査結果が出た61カ所のうち、基準値を超えた井戸は11カ所で、特に駐車場南東側200メートル付近で、トリクロロエチレン9倍、テトラクロロエチレン630倍、同じく3倍、200倍と大幅に超過した井戸が2カ所があった。

 同社は、敷地外でも地下水汚染が明らかになったことにショックを隠せないでいる。汚染源特定は進んでいないが、浄化作業を強化するため装置を増設するなどの対応を図っているという。また、井戸水を飲まないよう呼び掛ける一方、井戸水だけを使用している民家に飲料水などを配布している。



トリクロロエチレン広域汚染 新たに3カ所確認

飯能と東松山 基準の21倍の地域も

埼玉新聞  (1999年9月10日掲載)


 昨年七月から十二月にかけて県などが行った一斉調査で敷地内の土壌や地下水から、有毒性が指摘される有機塩素系溶剤のトリクロロエチレンが環境基準以上検出された事業所について、汚染範囲特定のため周辺の地下水を調べた結果が九日、まとまった。既に判明している熊谷、深谷市のほか、東松山市と飯能市の三カ所でも広域汚染があることが分かった。また、一斉調査後に汚染が分かった事業所で、基準の八百五十倍のジクロロエチレンや、五百十倍のテトラクロロエチレンが検出された。いずれも県内で検出された中で最高の値。

 周辺地下水調査は、一斉調査で汚染が分かった工場など十二事業所と、一斉調査後に自主調査で汚染が判明した三事業所を対象に実施された。

 この結果、東松山市神明町二丁目と飯能市南町の工場周辺でトリクロロエチレン、同市新光の工場周辺でテトラクロロエチレンの広域汚染を確認。範囲はそれぞれ約一キロ四方で、汚染の最高値は基準の二十一倍だった。

 東松山の工場は一月から除去作業を行っているが、飯能市の二工場は自主調査の段階。飯能市の二地域はほかにも汚染源と推定される工場があり、県はそれらにも自主調査実施を指導する。さらに先に汚染の実態が判明した深谷、熊谷市で実施している「クリーンアップ事業」をこれらの地域でも順次実施し、汚染を除去したい考え。

 高濃度汚染が判明したのは、北足立郡吹上町南一丁目の工場と桶川市日出谷の工場の敷地内。

 吹上の工場からは、トリクロロエチレンの分解物質で内臓への慢性毒性が指摘されるシス1、2−ジクロロエチレン(環境基準は一リットル当たり〇・〇四ミリグラム)を基準の八百五十倍に当たる三十四ミリグラム検出。周辺からは基準以上の汚染は検出されず、県は「流れがなく、たまった状態ではないか」としている。同工場は三月から除去作業を実施中。

 桶川市の工場からはテトラクロロエチレン(同〇・〇一ミリグラム)を基準の五百十倍の五・一ミリグラム検出。しかし、同工場はテトラクロロエチレンを過去に使用していないため、県は隣接する別の工場が汚染源である可能性が高いとし、別の工場に自主調査を要請している。

 今回の周辺調査でトリクロロエチレンなどが検出された井戸を所有する住民に対し、県は飲料用に使わないよう指導している。


トリクロロエチレン汚染 東芝深谷工場を調査

埼玉新聞  (1999年5月21日掲載)


 熊谷市と深谷市にまたがる東西約二キロ、南北約一キロの範囲で、地下水からトリクロロエチレンが検出された問題で、環境庁の調査チームによる現地調査が二十日、深谷市幡羅町の東芝深谷工場など両市内数カ所で行われた。

 トリクロロエチレンは、県が昨年七月から実施した事業所の一斉調査で検出された。県内十二カ所で国の環境基準(一ミリグラム中〇・〇三ミリグラム)を超えたが、熊谷市新堀の事業所では〇・二一ミリグラム、深谷市幡羅町の事業所では〇・三二ミリグラムが検出された。

 その後、県がこの二事業所周辺の二十七地点を追跡調査、深谷市と熊谷市がそれぞれ独自に行った調査と合わせると、九十九地点のうち三十地点で環境基準を超えた。

 この日調査に当たったのは、環境庁水質保全局企画課地下水・地盤環境室の安藤茂室長を団長とするチーム。環境庁職員のほか、県大気水質課、県北部環境管理事務所職員なども加わった。

 調査チームは、環境基準を超えるトリクロロエチレンが検出された深谷市と熊谷市の井戸の状況調査、地域一帯の概況視察、さらに自主調査で汚染が確認された東芝深谷工場を視察。両市担当課職員や東芝の担当社員の説明を受けながら、民家の井戸や東芝の地下水浄化施設などを視察した。

トリクロロエチレン 深谷の地下水汚染

汚染源は薬品工場
県環境生活部断定 最高値「ほぼ原液」

埼玉新聞  (1999年3月17日掲載)


 深谷市内の井戸から高濃度の有機塩素系化合物トリクロロエチレンが検出された問題で、県環境生活部は三月十六日、汚染源を工業用薬品製造販売「東栄ケミカル」深谷工場(同市人見中塚六七五ノ一)と断定した。汚染は同工場から東方向へ約四百五十メートルの範囲に広がっており、原液とほぼ同じ濃度が検出された地点もあった。県は同工場に対し早急な浄化対策を要請した。

 一九八八年度の県調査では、深谷市折ノ口の民家の井戸から地下水一リットル中、環境基準の百三十倍に当たる三・九ミリグラムのトリクロロエチレンを検出。県は九七、九八の二カ年で汚染源の特定調査を進めてきた。

 井戸周辺の土壌ガス調査で高濃度が確認された二地点について、ボーリングを実施。東栄ケミカル深谷工場の敷地内、深さ九・二メートルの土壌の溶出試験で最高値の一リットル当たり八十二ミリグラムを検出したことから、同地点を汚染源と特定した。

 この数値は、土壌の環境基準の二千七百倍以上。県大気水質課は「(トリクロロエチレンの)ほぼ原液の状態」としている。この地点の地下水からは一リットル当たり四十七ミリグラムを検出したほか、環境基準を超えている井戸が、同工場から地下水の下流方向(東方向)へ約四百五十メートルの範囲に広がっていることも分かった。

 東栄ケミカル深谷工場は深谷市役所から南へ二・八キロ。七七年六月から約十五年間、使用済みのトリクロロエチレンを蒸留、再生する作業を行っており、汚染源付近には蒸留装置やタンクが設置されていた。

 同工場によると、ドラム缶の底に残ったトリクロロエチレンが手作業で集めた過程で地中に流れ出したらしいという。現在は取り扱っていない。

 県は三月十五日付で、同工場に汚染地域の浄化対策を要請した。大気水質課によると、地下水の流れは年間数センチ程度で、汚染がこれ以上広がることは考えにくいという。また汚染が判明した井戸は飲用には使われておらず、健康被害も心配ないとしている。

 工場側は既に二月から浄化作業のための調査を始めており、四月には作業に入る見通しという。 


富士電機 吹上工場のトリクロ汚染
土壌入れ替えへ

埼玉新聞 


 富士電機(沢邦彦社長、本社・川崎市)の吹上工場(渡邊経彦工場長、吹上町南)は十日、県庁内で記者会見し、同工場内のトリクロロエチレンに汚染されている土壌、約千五百立方メートルを入れ替えることを明らかにした。

 吹上工場では、トリクロロエチレンに汚染されている約五百平方メートルの土壌を約三メートルの深さで堀り上げ、新たに健康な土を入れる。汚染土壌は、土壌処理専門の処理業者によって処理される。同社では入れ替え工事に約二億円かかると見込んでいる。来春にも工事に着手し、二〇〇〇年内には完了させるとしている。

 吹上工場は一九六〇年ごろから九七年まで発がん性があるとみられるトリクロロエチレンを、部品の洗浄剤として利用してきた。県などの調査で、この中の一部が周辺の土壌に浸透し、土壌や地下水が最高で環境基準の約八百倍を超す量が検出されたため、今年一月から土壌ガス吸引浄化、九月からは地下水のくみ上げ浄化などを行ってきた。しかし、完全に処理するにはかなりの時間を要することが判明し、土壌の完全入れ替えに取り組むことになったという。