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●カワラノギク自生地荒らされピンチ 中津川

わずかに残ったカワラノギクの花と保護を訴える吉江啓蔵さん。周囲には、4輪駆動車のわだちとごみの散乱が目立つ=愛川町中津の中津川右岸河川敷で
 絶滅寸前のキク科の草花カワラノギクが自生する愛川町中津の中津川河川敷が、レジャー用の四輪駆動車や、ごみの不法投棄で荒らされピンチにさらされている。

 カワラノギクの自生地は、同じ相模川水系の河川敷でも二、三カ所しか確認されておらず、河川を管理する県相模川総合整備事務所は、早急に調査に乗り出す。

 カワラノギクは、全国でも鬼怒川、多摩川、相模川の三水系にしか自生しないキク科の二年草。秋に薄紫色のかれんな花を咲かせる。ダム建設や護岸工事などの河川環境の変化で激減。環境庁のレッドリストで、絶滅が心配される危急種に指定されている。

 相模川水系のあちこちで見られたが、現在は、ほぼ絶滅状態で、市民団体などが、海老名市の相模川左岸などで人工的に苗を移植する努力を重ねている。

 中津川の自生地は、八菅山ふもとの河川敷。地元で観察を続けている日本自然保護協会の自然観察指導員の吉江啓蔵さん(79)によると、数年前まで百株ほどあったが、一昨年は十株で、現在はわずか五株しか確認できないという。

 とくに最近は、レジャー用の四輪駆動車が道なき道を縦横に疾走。カワラノギクの株を踏みつける被害が目立っているという。踏み跡は、植生が後退して河原特有の石がゴロゴロした砂れきになるため、キャンパーらが入り込み、バーベキューなどをする悪循環。ポリ袋や、ジュースなどのごみが散乱している。

 大型家電や建設廃材の不法投棄も後を絶たない。

 だが、河川敷利用は、原則自由なため、法的規制は難しい。相模川総合整備事務所河川部は「つい最近、職員が自生を確認した。ごみの不法投棄防止や、貴重種保護に有効な手段がとれるかどうかを含めて、早急に調査したい」という。

 吉江さんは「私は、もう年を取ってしまったが、昔語りで過去を話すだけでは寂しい。何としてもカワラノギクを守って後世に伝えたい」と話している。
(11/15)

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