森の大百科事典

地球温暖化

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温暖化の原因
 46億年前に地球が誕生したころの大気は、そのほとんどが二酸化炭素と水蒸気でした。その後、25億年前に誕生した植物が二酸化炭素を吸収して酸素を排出する光合成を始めた結果、非常に長い時間をかけて大気は現在の組成に変わりました。
 地球が誕生したころの大気中の二酸化炭素は、どこに行ったのでしょうか。それらは、化石燃料(炭素)として地下のタンクに貯蔵されてきました。地下に貯蔵された化石燃料を急激に燃やすことによって、再び大気中の二酸化炭素が増え、地球は温暖化しています。
 20世紀後半の大量生産・大量消費のライフスタイルによって、地球に存在していたある種の制御システムが崩壊の危機に立っていると思われます。厄介なのは、崩壊を防ぐためには人間の欲望をコントロールし、化石燃料の消費を抑える必要があることであります。便利な暮らしに慣れた私たちは、簡単にライフスタイルを変えることができるのでしょうか。

温暖化と森林
 二酸化炭素の吸収源として森林が期待されています。木の重さの半分は、炭素であると言われています。木を植えて森林を増やすことによって、二酸化炭素のタンクを作ることができます。
 しかし、生長が旺盛な若い木は二酸化炭素をどんどん吸収しますが、木が大きくなるに従って吸収する量は次第に低下します。木にも寿命がありますので、やがては倒れ、朽ちて、木に貯められた二酸化炭素が大気中に再び放出されます。

温暖化と住宅
 木の寿命がくる前に木を伐採して、木材を家などに利用することが大切であります。木の家をつくることは、私たちの身近なところに、二酸化炭素を貯めるタンクを作ることになります。外国の木材は運搬にエネルギーを使いますので、地域で生産された木材を使った方が良いでしょう。さらに、簡単に壊して捨ててしまう木の家ではなく、美しく丈夫で長く愛される木の家を作ることも大切でしょう。
 また木の家は、住宅の製造時に排出される二酸化炭素量も少ないので、化石燃料を節約する面からも大きく貢献しています。
 地域材を使った木の家を増やすことは、大気中の二酸化炭素の貯蔵と抑制によって、二酸化炭素の増加に歯止めをかける方法の一つであります。そして、それを提案する建築士の役割は大きいと思います。

温暖化とバイオマス
 寿命を終えた家の木材は、紙やボードなどにリサイクルし、最後は燃料として使うことができます。そうすれば、化石燃料を使う量を減らすことができます。化石燃料は新しくつくることはできませんが、森林は何度でも新しくつくることができます。
 森林を中心とした地域循環システムを確立すれば、大気中の二酸化炭素を増やすことにはなりません。これは難しいように思われますが、スウェーデンの地方都市であるベクショー市(人口7万5千人)では電力の40%を木材を燃やすことによって得ていると言われています。
 木材の生産と利用を循環させることは地球環境の保全に役立つことであり、木材は21世紀の基本的な生活資材として私たちに不可欠なものであると考えます。良質な木の家を増やすことによって、自然と共生する町並みやライフスタイルを広めることが求められていると私は思います。