森の大百科事典

人工林

戻る  2004.3

人工造林地(富士山麓)
 植林地とも言います。
 植えられているのは、ヒノキの苗木です。最近では、こんなに大面積の人工造林地を見たことがありません。
 縦と横を一定の間隔で植えますので、列が綺麗に揃っています。1ヘクタール(100m×100m)に3,000本を植えたとすると、苗木の間隔は約1.8m(1間)です。1坪に1本の苗木が植わっていることになります。
 上の人工造林地を少し角度を変えて見るとこんな感じであります。斜めに見ても列は綺麗に揃っています。
 人工造林地の向こうには、富士山が見えました(4月上旬に写す)。

本数の数え方
 農業の場合の単位は10アール(1千平方メートル)ですが、森林の場合はヘクタールを使います。1ヘクタールは1万平方メートル(100m×100m)のことです。下の投稿で「ヘクタール当たり2,900本」と書きましたが、次のような方法で数えました。
 半径4mの円の中に入る立木の本数を数えます。1箇所だと片寄りがありますので、何箇所か数えます。50平方メートル中の平均本数を求めたら、それを200倍して1ヘクタールの本数とします。1本1本数えているわけではありません。

分かれ道
 どっちが良いかと言えば、上の「育てる」の方が良いですね。右上のような森林を二段林とか、複層林(ふくそうりん)と言います。画一的に植えられた人工造林地も、その後の手入れ次第ではどんどん多様な森林になっていきます。

 

 「放置する」主因は、林業では儲からなくなったからです。なぜ林業は儲からなくなったのでしょうか。この答えは、少しづつ整理していきたいと思っております。

ヒノキ林(富士山麓)
 約1.8m間隔の列が一直線に延びています。1ヘクタール当りの本数を数えてみたら、2,900本ほどでした。通常は木が大きくなるにしたがって間伐が行われますが、写真のヒノキ林はほぼ植えたときの本数のままです。
 外から見れば緑豊かに見えますが、一歩中に入れば暗黒の世界に近いです。
45年生のスギ林(富士山麓)
 1ヘクタール当たりの本数を数えたら2,500本ありました。1度は間伐が行われたようでするが、その後は手が入っていません。胸高直径は17cm、平均樹高は15mでありました。収量比数を求めると0.9でありました。

巨大な排水溝
 「暗黒の世界」では地表に光が十分届かないので、地表には植生がほとんどありません。
 また富士山麓の土壌は火山灰性黒色土壌ですが、比重が小さいこの土壌は少しの流水により流れ出す性質を持っています。富士山麓には流水が常に流れる河川はありませんが、ひとたび降雨があると道路や裸地などの不透水面から集まった水が林地の低い箇所や杣道などを流れます。
 流水は地表植生の乏しい林床を浸食し、ところによっては写真のような雨裂浸食(ガリー)へと進行します。

60年生の人工林(三重県)
 植林は1945年と書かれていました。
 最初は1ヘクタール当たり8千本を植え、その後8回の間伐を行い、現在では1ヘクタール当たり550本が残っているそうです。枝打ちは5回行われ、胸高直径は26cm、樹高は20mの立派な人工林になってます。
 三重県の速水林業にて。