森の大百科事典

木質バイオマス

戻る  2004.10

薪(まき)
 私も小学校のころまでは、薪でわかすお風呂でした。最初に入るとお湯をかき混ぜるのが大変でしたが、最後に入るとぬるくなっていました。薪が燃えるのを見ているのは、飽きませんでした。
 写真の風景を見ていたら、近くの製材所から買ってきた薪が、家の壁に沿って積まれていたことを思い出しました。
 つい最近まで、木材は燃料として使われていました。日本人は、里山の木材を燃料として使うことによって、雑木林と呼ばれる、多様で、美しい森林を維持してきました。
 薪の流通がなくなるとともに、雑木林は姿を消しつつあります。そして、雑木林だから生きていたカタクリなどの生物相や、私たちの暮らしの知恵まで消えてしまいそうです。
 なお、木材は、世界全体では今でも燃料としての利用が半分以上を占めています。

カルシファー
 洋の東西を問わず、炎には畏れのようなものを感じるようです。
 ハウルの動く城には城の動力源である火の悪魔カルシファーが登場しますが、キャンプファイヤーの炎を眺めていると何か語りかけれているようで飽きることはありません。ガスコンロの炎を見つめても、こんな感覚にはなりません。カルシファーも、キャンプファイヤーの炎も薪(木材)が共通点です。

ペレットストーブ
 写真は、カナダのエンバイロ製のペレットストーブです。木材を細かく砕き、再び固めたペレットを燃料としています。送り出される温風は、やさしい暖かさを感じます。
 最近では、国産のペレットストーブの開発が各地で行われています。
 ペレットストーブは、自動化された薪ストーブです。タンクにペレットを入れておけば、後は自動で燃焼します。点火もマッチを擦る必要はありません。

ペレットいろいろ
 ペレットボイラー内でのペレットの燃焼状況です。

 一口にペレットと言っても、形や素材がさまざまです。
 カナダ産のペレットです。
 (株)ツツイのペレットです。
 大阪府森林組合のペレットです。
 葛巻林業(株)のペレットです。

木材から電気を
 写真は、皮むき機で剥いだ樹木の樹皮です。こうした樹皮も粉砕したりして、いろいろに活用する努力がされています。
 写真は、プレカット加工や建築現場で発生する端材です。ちょっとした台に使えそうですが、こんなにたくさんは必要ありません。
 焼却処分をしていた物を有効に活用する、地球温暖化防止のために少しでも化石燃料の消費を抑えるため、こうした木質バイオマスはエネルギーとして使われ始めています。グラフは林野庁が調べた木質バイオマス発電機の導入状況です。全国で導入が徐々に進んでいることがわかります。

 木質バイオマス発電では先駆けの銘建工業株式会社のサイトへ。
 まずは、木片の大きさがいろいろだと自動処理が難しいので、粉砕して同じ大きさにそろえます。
 粉砕された木片は、ベルトコンベアに乗り、乾燥炉へ運ばれます。
 木片の含水率にばらつきがあると効率的な焼却ができないので、事前に乾燥炉で含水率を調整します。乾燥炉の熱は、この後に出てくるボイラーの熱を使っています。
 乾燥炉で含水率を整えた木片は、ボイラーに投入されます。木片が燃えた時に発生する熱を使って、高圧の水蒸気が作られます。この高圧の水蒸気は、発電機のタービンを回し、電気に変わります。

 またこの時に発生するは、木片やおが粉の乾燥などに使われています。

 このように、異なるエネルギーを同時に得ることをコージェネレーション(熱電併給)と言います。
 蒸気ボイラーで作られた高圧の水蒸気は、発電機に送られます。水蒸気によって発電機のタービンが回り、電気が作られます。
 木材の流れ、熱の流れ、水の流れ、電気の流れが組み合わさって、電気が生まれます。
 こうして作られた電気は、主に木片が発生する製材工場などで使われます。施設を整備する経費が必要ですが、電気代や木片の処理経費の節約メリットがあります。更には、地球温暖化の防止にも役立っています。

 グラフは、発電規模と木材の使用量の関係です。