森の大百科事典

森を愛している。

戻る  2005.2

■森を愛している。
 小学校の校庭に立つ二宮尊徳は、手には本を持ち、背中には薪の束を背負っていました。かつては生活のため否応なしに、どちらかと言えば強制的に森林と関わり、その中で風土に基づいた現実的な自然観を育んできました。しかし現代は、日常の場から森林が姿を消すことにより、森林は遠い存在となりました。
 緑(森林)に対する市民の関心が高まっていると言われていますが、遠いものや非日常的なものに対しての憧れから「森林を愛している気持ち」になっているとも思います。森林への理解は森林での体験をとおして図られると、私は思います。
■百匹目の猿
 幸島(こうじま)は、宮崎県串間市の周囲約4キロメートルの島です。昭和28年のある日、この島に住む餌づけされた一歳半のメス猿が、サツマイモの泥を水で洗い流してから食べることを始めました。この行動は若い猿や母親猿に真似られ、4年後には20匹中15匹に広がりました。その後、幸島の猿と全く接触のない他地域の猿たちも、イモを洗って食べる行動を次々に始めました。
 ある行為をする個体の数が一定量に達すると、その行動はその集団だけにとどまらず、距離や空間を越えて伝播するそうです。こうした現象を「百匹目の猿現象」と呼んでいます。
 林業に関わる人たちも、林業の成果を次代に引き継ぐために、もっと「林業」を発信する必要があると、私は思います。