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気づきノート、その63
「究極の野菜」という言葉を知っていますか?
お答えいたします。
その野菜はズバリ、「レジーナス」でしょうね。下の野菜品種別成分表をご覧いただければ特筆すべき栄養価を誇っています。しかし東南アジアから導入されたこの野菜は栽培管理が難しく、現在のところ我が国では沖縄のある地域でしか生産されていません。今後の品種改良が期待されます。
これからの究極野菜の条件は
1.栄養価が抜群に高いということ
2.くせのない甘味とか、個性的な風味があって、とても美味しく食べられること
3.食べやすくて、軽く、小さく、使いやすいということ
4.料理法が簡単で、洋食・和食・中華・・と利用範囲が広いこと
5.栽培方法が容易で、農薬に依存しなくても栽培が可能であること
こういったことを考えると次にクローズアップされる野菜は「プチベール」「ブロッコリーナ」でしょう。
プチベールは青汁ケールと芽キャベツとの交配から作り出されたもので、平成10年に「ある種苗会社」から
ミニベール6という名称で登録されました。またブロッコリーナはケールとブロッコリーとの交配種です。
そしてこれらの野菜は病害虫にも強く、11月から3月までの長期間の収穫が可能なのです。
野菜品種別の成分比較表(可食部100g当り)
野菜の品種名 ビタミンA 効力 ビタミンB2 ビタミンC マグネシウム カルシウム βーカロチン 鉄分 植物繊維
レジーナス 13,000 1.05 108 393 872 23,400 34.9 40.1
プチベール 2,400 0.24 170 380 4,400 5.2 1.6
モロヘイヤ 5,600 0.42 64 46 260 10,000 1.0 5.9
大麦若葉 1,440 0.29 12 41 129 15,200 6.8 18.1
ホウレンソウ 1,700 0.23 65 70 260 3,100 3.7 3.5
ニンジン 4,100 0.05 260 7,300 0.8 2.4
ブロッコリー 400 0.27 160 30 49 720 1.9 4.8
カボチャ 340 0.60 15 17 17 820 0.4 2.3
ニラ 1,800 11 50 3,300 0.6 2.0
ケール 3,300 0.15 81 220 2,900 0.8 3.7
キャベツ 10 0.05 44 43 18 0.4 0.6

気づきノート その64
雑草たちの役割りとはなんでしょう?
雑草には、未だ私たちには解明されていない自然の節理を正常化させる役割りがあるように思われます。
例えば降雨により肥料成分が地面の深部に下がったものを地表面近くに引き戻す。
あるいは様々な雑草は、土に帰ったあとで、様々な草が独自に含む成分を土壌に還元し、土を健全化させている。また様々な雑草であるが故に、単一の病害虫の大発生を未然に防止している。
また雑草の根は、土壌根圏の環境を理想的な三相構造へと導いてくれている。
また雑草が存在することで様々な天敵の存在を位置付け、このことは小さな昆虫からカエル、そしてヘビといった食物連鎖の図式を形成する根幹をなしている。ヘビがいてくれることで畑ネズミの大暴れをコントロールしてくれる。湿潤や逆に干ばつ被害といった異常気象を緩和してくれる。
雑草は地面の温度や水分を理想的な環境に調整してくれている。雑草たちに肥料を横取りされるなんてことは決してないのです。雑草が野菜よりも勢力を伸ばしてきたら、雑草を刈り取って、野菜の株元に敷き詰めてください。肥料を還元してくれます。決して雑草を引き抜いてはいけないのです。こういった制御により土壌生物たちの良好な環境条件も向上してきます。ハタケミミズも増殖していきます。
長期間の干ばつで、畑が乾いてきても雑草たちが野菜を守ってくれています。このことは夜間に畑を観察することで容易に気づくはずです。雑草が夜露を呼び寄せ、野菜に潤いを与えていることに気づかれることでしょう。
春の七草のハコベなどは食卓をにぎわせてくれたり、畑の地表面を絨毯を敷き詰めたように穏かなものにしてくれます。多くのクモ類や昆虫類を呼び寄せてアブラムシなどの害虫類の大発生を抑制してくれます。
コンパニオンプランツとして野菜の成長を促進してくれたりもしてくれます。
気づきノート その65
種の保存はなぜ大切なのでしょうか?
イギリスから4粒のソラマメのお話をいたしましょう。
ロードカット・ブッシュさん(現在97歳)の父、フィリップさんは真紅の花を咲かせるソラマメを大切に育てていました。お父さんが亡くなられて久しい、ある日、納屋から4粒のソラマメのタネが見つかりました。
娘のロードカット・ブッシュさんは以前に「このソラマメは実に素晴らしい」との名声を聞いていたので、途絶えさせるわけにはいかないと思い立ち、ロンドンの西、コベントリーという町のヘンリーダブルデイ有機農法研究所に4粒の種子を持ち込んだのでした。30年前の出来事でした。
それが今では全英国に広がって、数千人の手で赤い花の咲くソラマメが育てられるまでになったのです。
イギリスでは野菜の9割がスーパーマーケットで売られています。でも並べられているものは大きさや形が整った見栄えの良い限られた品種だけです。それ以外の珍しいものなんて、とてもリスクが大きく出来る相談ではないと彼らは言います。
出来るだけ多くの品種を確保しておくことは、来る気候変動への対応策としてもとても重要なことなのです。
各地からコベントリーの町に送られてくる珍しい品種と見られるものは何世代にも渡って調べる必要があって、最終的に貴重な品種だと断定できるのは全体の10%程度だけだといわれます。
こうしてこの研究所に所属するシードガーデアン=種を守る人たちにより、これまで約700種もの貴重な品種群が登録されました。チャールズ皇太子が研究所の構成員に加わったことでシードガーデアンの存在も急激に注目されるようになりました。
サセックス大学生物学研究室のマイケル・ハッチングス教授は研究成果を次のように述べています。
「世界各地でのさまざまな調査結果からわかったことですが、どんな環境のもとでも生物の種類が豊かなほど、生き物の生命活動は活発であるということが言えます。逆に植物の種類が限定され、生き物のバラエテイが乏しくなると生態系の崩壊を招きます。種を保存するということはとても大切な行為なのです。」

気づきノート その66
化学農薬を使用するということに対して、どのように考えればよいのでしょうか?
化学農薬は効果の発現を自由競争という市場資本経済の中で各社が競い合いながら発展してきました。ですから確かに病害虫に卓越した効果が得られるはずです。
このことで食料生産物は比較的に安定して市場に出回るようになってきました。
30年前からの技術開発は実に凄まじいものがありました。
その反面、効果を求める相手が特定されず、皆殺しの構図が浮き彫りになってしまいました。このことからも使用に際しては「農家に哲学」が不可欠なのです。
この点で私の考えることは決して化学農薬、化学肥料といった科学文化を否定するものではないということです。
実際にも現在では生態系にやさしい農薬類が普及してきていますね。
しかし現実には日本での使用が禁止されたはずの、以前の劇毒農薬が中国産野菜の残留農薬として次々に検出されていて、問題になっているのです。今年平成14年に入って発覚した中国産野菜だけでも月に一度の頻度で違反事例が出てきています。
さらに気になる点は中国国家品質監督検査検疫総局が公表した内容です。
それによると「・・・昨年6月から9月に23箇所の卸売市場で抜き取り検査を行ったところ、47%の野菜から基準を超える残留農薬が検出された。」と報じているのです。

気づきノート その67
収穫した野菜の貯蔵の仕方で質問です。これで良いでしょうか?
  
キュウリの上下が逆です。野菜は自然の状態に戻ろうと呼吸量を増やし、糖分やタンパク質は分解され、味も栄養分も減少してしまいます。
  
気づきノート その68
大自然農法の野菜づくりとはどのような方法なのですか?
簡単に要点をまとめて教えて下さい。
簡単にかつ分かりやすく説明しますと、大自然の営みを理解して野菜の本来の成長する力を伸ばしてやる農法ということになります。
具体的な一例をあげます。京都大学院の農学研究科と生物系特定産業技術研究推進機構との共同研究で「植物は会話している」という確認がなされた事例が挙げられるでしょう。つまり植物は自衛手段を持っているということで、ライ豆はハダニに葉を食べられることが多い(天敵)ですが、寄生されたライ豆の風下では食害の程度が少なくなることが分かったのです。「天敵が来襲してきたぞ。殺虫成分や忌避成分の分泌をもっと促がせ!」とでも言っているのでしょう。
気づきノート その69
大自然農法とは殺虫剤や殺菌剤の使用について制限があるのですか?
本来、植物たちには自ら天然物質としての殺虫物質などを生成する能力があります。
ですから野菜栽培において殺虫剤の使用の有無を目くじら立てて議論する意味はあまり考えなくてもいいのだろうと思っています。
ただ栽培環境の条件で負荷がかかっていると、それだけ野菜自体の天然様殺虫成分の含有量も多いはずで、ここに土つくりの重要性があるのだと気づくでしょう。
要は安全な農薬(殺虫剤・殺菌剤)とか優良な活力促進剤、ホルモン剤、優秀な資材などをいかに賢く安全に活用(使用するではありません)するかが大切なのだと言えましょう。
気づきノート その70
健康と料理について一流の料理家の考えはどうなのでしょうね?
元志摩観光ホテルの総料理長として著名な高橋シェフの講演メモを紹介します。
・「食文化」という語は、かなり曖昧なもので「食生活文化」が正しい。
・料理は芸術だと言えるが、心に残るものが本当の料理であり、これは唯一、著作権のない芸術文化である。
・人は顔に知性と育ちが表れるものであり、料理で健康になれる。
・3年間の食生活は、その人の健康を表現している。
・ナンバーワンよりオンリーワンを目指そう。
・昔はお腹で食したが、五感で味わう時代から今は頭で味わってほしい。
・土が野菜を育てるのである。
・土つくりには100年の歳月がかかることを知るべきだ。
・その土でお百姓さんは100種の作物を育てていた。
・価値観のない人には料理は作れない。
・残るような料理は作るべきでない。
・母の手料理は伝承文化である。
・料理の8割は素材であり、その素材の中に文化的な背景が裏付けされている。
・土の中に入っている野菜(タマネギ、ジャガイモなど)は体を温めてくれる。
・身土不二(しんどふじ)という語は、1日に行動する範囲で生産された食材を食するのが健康に良いという意。
・塩は汽水域での海水から煮詰めて精製されたものが最高である。
・顧客満足度を料理の世界で言えば、98パーセントの賛美を得ることである。
・本質的には日本人にはフランス料理は作れない。
・森を見れば、そこの魚介類の味が理解される。
・稽古とは元を問うということであり、50歳を超えてから勉強しても無駄である。
・安い菓子類は農薬使用の野菜よりももっと恐ろしいものである。素材は高価なものを選ぶこと。
・健康は働くことであり、働くことは勉強することである。
・家庭の料理がまずいという夫は、自分から「まずい!」と言うことが必要。
・私(高橋氏)はスーパーマーケットで素材を買った経験がないので、買うためのノウハウを知らない。
・自然の季節に収穫された野菜が本来のものだから、たくさん買って加工食品にするのも良い。
気づきノート その71
食品品質表示についての考えかたとは?具体的事例を紹介してください。
高級和牛としてつとに有名な松阪牛の個体識別システムを紹介します。
三重県松阪食肉公社は平成14年8月19日に画期的な個体識別管理システムをスタートさせました。これはBSE対策の一環で、牛の出生地から牛の識別番号、生産者の特定、肥育日数、飼料、品質規格、など約30項目の情報量を一括的に網羅しデータ―ベース化させるもので、紛らわしい偽装表示をなくし、消費者の信頼に応えるべく万全を期すものだと言えそうです。DNA鑑定にも対応できるように個々の検体を冷凍保存もする徹底ぶりが現代の常識となります。
そしてさらに秋の県定例議会には産地偽装を防止するため、県内産の牛肉のDNA鑑定を抜き打ちで実施することにし、検査費の予算を計上しています。天下の松阪牛を処理する際に耳から採ったDNAと、個体識別番号を添付して店頭に並べられている肉のDNAとがピッタリ一致するのですから「安い買い物」の価値は充分にあるでしょう。
気づきノート その72
有機質肥料で育てられた野菜はどうしておいしいのですか?
有機野菜が美味しくて栄養価に優れているという報告はオーガニックフォーラムのページをご推奨させていただきます。個人的に栄養価の分析を試みるには20万円もの委託料金が必要になるからです。一般的には有機質の肥料が与えられると、土壌圏内での微生物群は活発化し、土壌構造も三相分布という理想的な構造へと向かっていきます。
このことは保水性や空気の交換をも向上させていきますから大切な吸収根(細根)が活発化し、活躍するのです。吸収根の周囲には有益なバクテリアたちが集まってきて根の中に入ったり出たりしながら共生関係を持続させていきます。野菜がバクテリアを育て、バクテリアも野菜に栄養成分を運んでいるのです。
一方、安定した吸収根は野菜をより健全化させて、光合成反応をも盛んにします。
でんぷん製造工場でもある葉から生産される葉緑素(クロロフィル)やカロチンといった栄養成分が豊かになるため全体にがっしりとした姿の野菜へと成長していきます。
こうして野菜の色は濃くなり、香りは本来の濃厚な味や栄養価の保持へと結ばれていきます。野外に放任されていたカボチャが翌年の5月でも健在な訳はここにあるのです。
化学肥料で栽培された野菜では樹形は大きく育ちますが、中身が希薄だと言えます。
気づきノート その73
野菜の品質表示についての考え方とは?
JAS法の問題点が食肉などの偽証表示で浮き彫りになりました。
野菜の品質表示の手法は、現在のところコーデックス委員会の流れに従順に沿ったように動いています。これらの根源的な問題点については既述してきたところです。
問題の整理はもっと基本的なところから再考すればいかがでしょうか?
現在の制度はデータ―重視が出発点となっていますが、これを現場重視、事実重視とすればどうでしょう? いわゆる店頭商品の抜き打ち分析テストです。
でもこの手法はお金と手間がかかりすぎます。もっと簡単で単純な手法、システムがあります。現在の法律でも劇薬類についての購入は印鑑が必要となっていますね。これをすべての農薬類に摘要拡大するのです。生産者の○○さんは○月○日に△という薬品を○○量購入した実績があるという現実を登録管理するというシステムです。
たったこれだけのことで購入者はホンモノの正しい品質表示を認識することが可能となるでしょう。Aさんという方はBという野菜を購入しました。そのBという野菜に表示してある情報で、生産者はCさんであることも知り得ます。そしてDという登録管理システム先に問い合わせればCという生産農家が面積あたりにどれだけの量の農薬を使用しているのかが推測することも可能なのです。逆に農薬の購入量が少なく、有機質肥料の購入が多い生産農家であれば商品の信頼度も増すことでしょう。
気づきノート その74
農薬の散布後、その残効性はどれほどの期間なのですか?
農薬の残効性は降雨などの条件によっても異なりますが、スミチオンとかマラソンといった比較的に穏かな効き目の殺虫剤は7日から2週間程度でしょう。恐ろしいのは浸透移行性のある農薬です。これらの農薬は葉面や根などから植物の体内、細胞の中に直接に浸透していくため残効性が高いです。1ヶ月間も農薬が作用しつづけている可能性も考えられるわけです。しかもこの種の農薬は洗浄しても消滅しませんから・・。
気づきノート その75
連作障害にはどういった症状が見られますか?
十字花類の野菜にはキャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、大根など多くの品種があげられます。野菜の植え付け方は同じ品種を植え込まないことが基本です。一つの畝にトマトばかりを植え付けるのではなく、トマトを植えたら次の苗はオクラを植えるというように多品種を一つの畝に植え付けていく方法がお勧めです。
さて、連作障害がおきにくいと言われている、この十字花野菜にも連作による成育障害と思われる症状がみられました。発育不全とか病害虫に犯されやすいなどの観測事例が見られました。
気づきノート その76
大自然農法でお薦めの農薬にはどのようなものがありますか?
天然植物のクララから抽出された害虫忌避剤というものがあります。これは化学農薬ではありませんが、害虫の咀嚼能力を著しく減退させるもので、食害が極端に少なくなるため野菜の生育状態も健全なままに推移していくことが可能となるわけです。市販の商品名は「アグリクール」という名称で販売されています。決して農薬ではないのです。使用方法は、通常の農薬のように1000倍稀釈液を噴霧します。詳細は自然観察会行動記録集の第40回にて紹介中です。
気づきノート その77
機械による畑土の耕転作業では何が流出するのですか?
ズバリ、土が流出します。それも最も大切な良質の畑土であるはずの表土の部分が流れ去ってしまいます。

       
気づきノート その78
雑草は有機の友達であるとはどういうことなのですか?
雑草が成育している空域には昆虫類も豊富に生活しています。それらは野菜の害虫が大発生することを防いでくれます。

気づきノート その79
農薬にたよらずに有機野菜を作ることは可能でしょうか?
天然の植物資材からの抽出液が注目されています。忌避作用のあるそれらは農薬ではなく、害虫による食害を押さえたり、害虫が脱皮して成長することを阻止したりして、野菜の成長を守ってくれるのです。
次回からの気づきノートは「完結編=The Green Experiment : Cuba,s Organic Revolution」です。

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