2.喫煙率

(1)成人
  日本専売公社(現日本たばこ産業株式会社)の「全国たばこ喫煙者率調査」によれば、1958(昭和33)年からのわが国成
 人の喫煙率は、図・・1―1(略)のように推移している。男の場合は、1966(昭和41)年の83.7%を最高に漸減の傾
 向を示し、1986(昭和61)年には62.5%にまで低下している。これに対して女の場合、同じく1966(昭和41)年
 の18.0%を最高に、以後15%前後を上下し、1986(昭和61)年には12.6%となっている。
     図・・1―1 日本における喫煙率の年次推移(略)
  一方、喫煙率を年齢段階別にみると(図・・1―2(略))、男の場合、20歳代、30歳代の喫煙率の低下は比較的小さいの
 に比べて、40歳代以降の喫煙率の低下が著しい。これに対して女の場合、50歳代以降の喫煙率が著しく低下しているのに比べ
 て、20歳代は逆にかなり増加しており、年齢段階によって喫煙率の推移には大きな違いがみられる。
  わが国の喫煙率を欧米各国のそれと比較してみると、男の喫煙率が高く、女の喫煙率は低い、というわが国の特徴がいっそうは
 っきりしてくる(図・・1−3(略))。
     図・・1―2 年齢段階別の喫煙率の年次推移(略)
  喫煙率は、文化や経済などさまざまな要因の影響を受けるといわれているが、欧米各国の喫煙率は一様に低下してきている。た
 とえば英国の場合、1972年から1982年の間に男は52%から38%に、女では41%から33%に低下している。また米
 国の場合、1966年から1975年の間に男は52%から39%に、女は34%から29%に低下している。このように各国の
 喫煙率は、わが国に比べ、より急速に低下している。
     図・・1―3 世界各国の喫煙率の比較(略)
     図・・1―4 喫煙経験率(略)
     図・・1―5 喫煙率(略)

(2)未成年

  未成年の喫煙率に関する全国的な規模の調査は、これまでのところわが国で無作為抽出調査は行われていない。しかし、一部の
 地域で実施された2、3の調査(図・・1−4(略)、図・・1−5(略))によれば喫煙経験率、喫煙率ともに調査によってか
 なりの開きがある。その理由としては地域差、学校差のほかに、調査方法や喫煙行動に関する質問内容の違いが考えられる。成人
 喫煙者の多くは十代のうちに喫煙習慣を身につけていることが推測される。

(3)社会階層別

  英国王立内科医学会の報告によれば、1958年から1975年にかけて、社会階層別の喫煙率には著しい差が生じた(図・・
 1−6(略))。男では、社会階層1、2(上位)の喫煙率が急激に低下する一方、社会階層5(下位)では変化がみられなかっ
 た。女では、社会階層1の喫煙率のみが低下した。
     図・・1―6 社会階層別男女の機械巻き紙巻たばこの喫煙率(1958−1975)(略)
  わが国における東京都民の収入階層別たばこ出費額比の経年変化に関する調査によれば、収入階層の上位は、下位に比べてたば
 こ出費額が低下する傾向にある(図・・1−7(略))。
  日本たばこ産業株式会社の調査によれば、職業によっても喫煙率に差がみられる。最も喫煙率の高い職業は、男女ともにセール
 スマン・サービス業従事者であり、最も喫煙率の低いものは、男では管理職・自由業であった。
     表・・1―1(略)に示すように、わが国男性医師の喫煙率は、一般成人男子に比べて低い。
     図・・1―7 勤め先収入階層世帯別たばこ出費額比の経年変化(略)
     表・・1―1 医師と喫煙(男)
  しかし、図・・1―6(略)の英国男性医師の喫煙率と比較すると、わが国では男性医師の喫煙者はまだ多いといえる。
 職業集団のうちで医師の喫煙は、人びとの喫煙行動に与える影響の大きさという点で重視される。