かりん

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 カリン(バラ科カリン(プセウドキドニア)属)
  学名:Pseudocydonia sinensis
  別名:アンランジュ


 「咳や痰にカリンエキス配合...」なんてフレーズを耳にするぐらい、この薬効は有名ですね。
カリン(花梨)は中国原産のバラ科の落葉樹で、以前はボケなど3種とともにボケ属に入っていましたが、現在は1属1種になっています。
中国では2000年も前から、薬用としてはもちろん、衣類に香りをつけたり室内で芳香を楽しんだりするのに果実を用いていたそうです。

 かつて同属であったボケも、中国原産で平安時代頃より日本に渡来し、栽培は江戸時代になって盛んになったといわていますが、もともと果実を薬用にする為に導入されたそうで、実を乾燥して砕いたものが、生薬の木瓜(もっこう)です。
また、日本原産のクサボケを、和木瓜とか草木瓜といいます。

 そして、カリンの中国の生薬名は、メイサで、果実の表面に光沢があるので光皮木瓜とか唐木瓜などといいます。
ただし、日本では、薬局方でカリンのことを木瓜と称してますので混乱しています。

 ついでに、台湾や中国の南方では、木瓜といえば、パパイヤのことを指し、これの生薬名は香木瓜と言うそうです。

 カリンが日本に渡来した時期は明確ではありませんが、現在では東北地方から中国地方まで、よく栽培されており、特に甲信越、東北地方が有名ですね。
ただし、長野諏訪でおみやげの名物、カリンの砂糖漬けは、よく似た同じバラ科のマルメロの果実で、また、マルメロ実自体もカリンと称して売られていますので、混乱しないようにしましょう。

 マルメロ(Cydonia oblonga)ですが、芳香から成分までカリンと似ていますが、中央アジア原産で、果実の表面には褐色の綿毛があり、表面に光沢のあるカリンと区別出来ます。
 さらに、カリンと言えば家具などの材木に用いるカリン材を思い浮かべる人もいるでしょう。
しかし、こちらは、東南アジア原産のマメ科シタン属(Pterocarpus spp.)で、別種です。(結構これも混同されています)

 カリンの学名で、属名のPseudocydoniaは「偽物のマルメロ」、種名のsinensisは「中国産の」意味があるそうです。

・栽培

 分類としては、耐寒性落葉になります。
鑑賞用としては鉢植えでよいのですが、採果目的では高さ10m以上になりますので、露地植えにします。

 表土が深く、水はけと排水のよい肥えた土壌で日当たりのよい場所を好みます。
また、果実が大きいので、風当たりの強いところは不向きです。

 苗は、落葉後か芽の出る少し前に入手し、堆肥や腐葉土などを十分すき込みます。
施肥は植えつけ時以外特に必要ではありません。

 乾燥地では、果肉がさらに堅くなりますので、特に夏場の過度の乾燥を避け、土壌湿度を保ちましょう。

 生育はやや遅いのですが、徒長枝が多く、落葉した後、交差した枝、内側に向かっている枝、枯れ枝などを剪定して、通風と採光をよくします。

 増やし方は、接ぎ木(早春)、種子(取りまき、保湿貯蔵後に春まき)、取り木、挿し木(春は前年枝、夏は半熟枝)になります。

・収穫

 晩秋に、果実が黄色く色づき芳香を放つようになったら収穫します。

・用途、効能

 果実には、水分は80%、糖分はショ糖0.9%、ブドウ糖1.9%、果糖2.1%、ソルビトール2.7%を含み、有機酸はリンゴ酸1.2%、クエン酸0.1%を含んでいます。
これにより、風邪の予防や咳,痕,疲労回復に効果があります。

 果肉は堅くて生食には適さず、砂糖漬け,ハチミツ漬,ゼリー,飴,ジャムなどにします。

 簡単に煎じて飲むには、
水洗いして輪切りにし、日干しで乾燥させるます。
乾燥した果実5〜10gを水400mmlで半量になるまで煎じて飲みます。

 では、カリン酒には、
カリン1kgを、輪切りにして、氷砂糖200〜400gを加え、ホワイトリカー1.8Lを注ぎます。
好みによって、レモンを3〜4個加えても良いようです。
2ヶ月くらいから飲めますが、半年以上おくとさらによく熟成します。

 もっと、凝ってカリン飴。
良く水洗いしたカリンを、八つ切り程度にし、カリンと同量の水を入れ鍋で加熱します。
最初は強火で、煮立ったら弱火にして、1時間くらい煮ます。
次に木綿などで煮汁を漉しとります。
漉しとった煮汁を再び鍋に入れて、1Lに対して800g程度の砂糖を加えて焦がさないように煮詰めます。
攪拌しながら加熱を続け、ゼリー状になったら火を止めて、広口ビンに移します。


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