さるとりいばら

さるとりいばら


サルトリイバラ(ユリ科Liliaceaeシオデ(スミラックス)属Smilax)
  学名:Smilax.china
  別名:マンジュウシバ、サンキライ


 シオデ(スミラックス)属は、熱帯や温帯に約200種が分布しています。
サルトリイバラは、日本各地、朝鮮半島南部、中国、台湾、インドネシア、フィリピンなどに分布する落葉の蔓性植物です。
茎は2m以上に伸び、長い巻きひげで樹木などに巻きつきます。

 節ごとに曲がった鋭い棘があり、「イバラ」の名前がありますがユリ科の植物です。
葉は表面に光沢があり、円形から楕円形で長さ10cm前後になります。
4〜6月に長さ4mmほどの黄緑色で、6弁の花をつけます。
また、サルトリイバラは雌雄異株で、雄花には雄しべ6本、雌花には仮おしべ約3本と雌しべが1本あり区別します。
花後10〜11月に直径7〜9mmの球形で赤い果実が熟し、昔からいけ花や茶花、ドライフラワーとして利用されます。

 サルトリイバラ(猿捕茨)の名前の由来は、棘のある茎を伸ばし、そこに猿が追い込まれ捕まってしまうという意味からだそうですが、別 名「サンキライ(山帰来)」の名前も有名ですね。
また、関西以西では、大きく育った葉を用いて餅や団子を包む習慣があり、マンジュウシバとも呼ばれています。

 さて、サルトリイバラに関する名前は漢方を含めて、「サンキライ(山帰来)」「土茯苓(ドブクリョウ)」「抜契(バッカツ)」などが ありますが、サルトリイバラ(Smilax.china)と、台湾や中国原産のケナシサルトリイバラ(Smilax.glabra Roxb)が混同されているよう です。

 サルトリイバラの根茎を生薬名「抜契(バッカツ)」と呼び、ケナシサルトリイバラの根茎を生薬名を「土茯苓(ドブクリョウ)」と呼ぶ そうですが、「サンキライ(山帰来)」については諸説あるようです。

 先ず、「山帰来」の名前の起源は、「和漢三才図会」に「楊梅瘡(梅毒)の重い者は山に捨てられる習慣があり、土茯苓を飲んで治って 帰って来たところから山帰来と名付けられた」との記述があり、ケナシサルトリイバラ=「土茯苓」=「山帰来」の関係が最初のようです 。
そして、サルトリイバラと「山帰来」の関係は、あくまでも「土茯苓」の別名が「山帰来」であり、ケナシサルトリイバラとサルトリイバ ラの形態が似ているから混同されている説、「土茯苓」の代用として日本ではサルトリイバラを「山帰来」とし、さらに進んでサルトリイ バラの和名も「山帰来」であると言う説があります。

栽培

 日当たりと水はけのよい場所で、乾燥を嫌いますので保水性のよい土壌であれば特に特別な管理が必要な植物ではありません。
最も注意する点は栽培する場所(スペース)です。
つる性ですからつるが支持できるような支柱などが必要ですし、茎にとげがありますので、人があまり触れないような場所を選ぶ必要があ ります。

 種から育てる場合は、秋に熟した実を採取し、果肉を水で洗い流し、保湿貯蔵し春播きします。
育苗箱などに点播して、本葉2〜3枚になったら定植します。
その他殖やし方としては、秋〜春にかけて株分けが可能です。

収穫

 早春に若葉を摘み取ったり、晩秋に熟した実を収穫します。
また、秋に根茎を掘り取り、水洗し細かく切って日干したものを生薬として利用します。

 ただし、茎には鋭いとげがあるので、収穫するときは怪我をしないように十分注意して下さい。

用途、効能

 根茎にはステロイド系のサポニンを含んでおり、解毒作用があり、薬効としては、はれもの、できものにきびなどやむくみのときの利尿 などに効果があるそうです。
また、中国ではその昔梅毒に現在でも癌に効くとされ利用されているようです。

 乾燥させた根茎は、約10gを水200〜300mlで約半量まで煎じたものを飲用します。
食用としては、若芽、若葉、つる先を天ぷらやおひたし、あえものにします。

 また、赤く熟した実は、そのまま生食も出来ますし、よく利用されるのがホワイトリカーなどに漬けて薬用酒にします。

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