カクレミノ(隠蓑)
Since 2000/07/18
Last updated on 2014/03/20


 
カクレミノは、1本の木にいろんな形の葉がつくことで知られています。下の写真は、2000年7月14日に天下台山(相生市)のとんび岩付近で撮影したもので、楕円形と三裂した葉が写っています。幼樹には人間の手のように五裂した葉もあるそうです。

 三裂した葉の形がおとぎ話の「かくれみの」に似ているところからついた名前です。日本人が古来から神聖視してきた樹木のひとつで、古事記や日本書紀に出てくる、「みつのがしわ(三角柏)」という、当時宮中でごちそうのときに食器に使った植物がこれにあたるという説もあります。

 神社にもしばしば植えられています。相生市古池の「荒神社」では、現在倉庫が建っているあたりにかなりの大木があって、筆者は40年前に登って遊んだものです。その後、周囲の宅地開発や境内の整備があり、いつの間にか無くなっています。

 カクレミノの材は軽軟で白く、沖縄ではユグルまたはヨゴロと呼ばれ、砂糖樽材として用いられます。九州地方では、この木の葉を噛むと歯がボロボロ欠けると言い伝えられ、ハコボレ、ハオトシなどの方言名があります。実際には有毒ではなく、イノシシや牛馬はこの木の葉を好んで食べます。

  (写真はクリックすると大きくなります。)

(追記 2000.07.24)

 昨日、カクレミノの花を探して大島山(相生市)へ行きました。カクレミノはたくさんありましたが、枝先は次の写真のようになっていました。これは花(蕾)ではなく、幼い果実と思われます。少し遅かったようです。


(追記 2000.09.13)

 TAK.ECHOさんから、カクレミノのつぼみと果実の見分け方の情報を頂きました。つぼみは先端に線状の割れ目があり、果実は先端に丸い円状の線が入っているとのことです。早速、相生市のスポーツセンターと墓地公園の間の斜面に自生しているカクレミノを観察したところ、枝先の粒は次の写真のようで、先端に火山のカルデラような円形の線がありました。やはりこれらは果実でした。


(追記 2000.11.27)

 相生市スポーツセンターと墓地公園の間の斜面に自生しているカクレミノの果実が、熟して黒くなっていました(11月22日)。

 11月25日に果実を持ち帰って指でつぶしてみました。果実1粒に4〜5個の種子が入っていました。


 (追記 2014.03.20)
 
杉やヒノキの植林地は「死の森」とよくいわれますが、そのような、光のほとんど届かない空間で、やせ細った幹を精一杯伸ばして、なんとか生き延びようとしているカクレミノの群落を見かけました。初めて見たときは、まるで地獄の亡者かゾンビの群れのように思えて、背筋がゾクッとしました。白く写っている、たくさんの細い幹が全部カクレミノです。

                            

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