サトウモロコシ(砂糖蜀黍)
Since 2013/09/07


 サトウモロコシを栽培してみました。ネット通販で入手した種子を5月16日に播いたところ6日後に発芽し始め、順調に育ちました。8月に入ると草丈は2bを超え、同月下旬には穂が出始めました。下の写真は9月6日現在の様子です。穂先までの高さは3〜3.5メートルあります。

 (写真はクリックすると大きくなります。)

 サトウモロコシはその名の通り、葉や茎などの外観はトウモロコシに似ていますが、トウモロコシのような果実は出来ず、代わりにサトウキビのように茎に糖分を蓄えます。イネ科モロコシ属。外国でソルガムとかコウリャンと呼ばれている雑穀の仲間です。コウリャンなどと同様に「種子」で増えます。バイオエタノールの原料として注目されているスーパーソルガムも親戚(改良品種?)です。

 私が小学生のころ(1950年代)、我が家ではこれをサトウキビと呼んで子供の「おやつ」にしていました。敗戦後の砂糖が貴重品だった時代です。糖分を含んだ茎は表面が竹のように硬くて、包丁や草刈り鎌では切れません。それを「押し切り」で節の部分を取り除くように短く切り、切断面から前歯を使って硬い表皮を剥がし、ステイック状にした柔らかい「ずい(髄)」の部分を噛んで汁だけを飲み、口に残るカスは吐き出していました。「押し切り」とは、稲わらや牛のえさの「まぐさ(秣)」を切るための道具で、当時は農家の常備品でした。我が家には現在もあります。

 茎の収穫期は「穂先の種子が乳熟するころ」とのことなので、写真を撮った日に一部を切り倒して生食してみました。忘れていた懐かしい香りが口いっぱいに広がりました。しかし「甘み」は昔ほどではありませんでした。敗戦直後は、甘みに飢えていたので、これでも充分甘く感じたのでしょう。

 
サトウモロコシの汁液はショ糖のほかに不結晶性の糖やタンパク質を多く含むため結晶化が困難で、砂糖の原料としてはほとんど利用されませんが、アメリカでは、ソルガムシュガーの糖蜜は隠れた人気があり、今も生産されているそうです。 

 手持ちのスロージューサーで糖液をしぼることにも挑戦してみました。結果はNGでした。表面の硬い層を取り除いて「ずい」の部分だけにして投入したのですが、絞りカスが排出口で詰まってしまい、ジューサーが悲鳴を上げました。

 沖縄などの暖地で栽培されているサトウキビは通常、親株の茎を挿し木したり株分けしたりして苗を作ります。当地(瀬戸内地方)は冬季に気温が氷点下になるため親株の越冬が難しく、サトウキビ栽培には向いていません。

 同じ瀬戸内でも四国の香川県や徳島県では江戸時代から、伝統産業の高級砂糖「和三盆」の原料となる「竹糖(ちくとう)」が栽培されています。これはサトウキビの一種ですが、温帯での生育に適した品種で、沖縄のものとは異なる品種です。沖縄のサトウキビと比べると背か低くて細いので、地元では「細黍(ほそきび)」と呼ばれているそうです。小さくて細い分、生産性は劣ります。   
 


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