
| 赤い惑星(わくせい)、それは火星です。地球にもっとも近づく惑星は金星なのですが、金星はいつも厚い雲におおわれているため、地球から金星表面は観察できません。火星が昔から観測対象だったのは、地球から地表がみられる一番近い惑星だったからです。(木星や土星もホントはガスの雲におおわれていますから、地表は観察できないのですよ。) 2003年8月、「火星超大接近」の話題はニュースでもありました。「4万年に1度の接近」なんて報道されると「へええ、火星って4万年に1回しか接近しないんだあ」と思ってしまいます。そんなことはありません。火星はだいたい2年2ヶ月ごとに地球に接近します。今年のようにとても近づくのは大変めずらしいということなのです。 |
| 惑星写真はひげくま先生にとっては決して得意な領域ではありませんでした。なぜなら、ぼくの望遠鏡は短焦点なので、高倍率を必要とする惑星よりも、低倍率で星雲星団などを観察するのに都合のいいものであったし、暗い惑星を視野に入れてピントを合わせることが難しいのと、せっかく撮影しても露出がなかなかうまくいかないし、カメラブレもよく起こるからです。しかし今回は新しい方法にめぐり会えて、自分でもおどろくほどの写真が撮れました。それは、目で火星を見るかわりにビデオカメラにのぞかせたのです。 ただそれだけなら、黒い視野に赤い火星がふわふわ動き回っている動画にしかなりません。ビデオカメラは1秒間に30枚の静止画像がとれるデジカメだと思ってください。10秒間なら300枚、20秒間なら600枚とれるわけです。1枚の画像ではざらつきやゆれなどがあって、とてもじゃないですが見ばえのする写真にはなりません。けれど、たくさんの画像を重ね合わせて鮮明な写真を作る技術があるのです。最近ではパソコンを使って、星の写真を処理できるようになりました。今回はそれを使ってみました。 その一枚一枚のあまり鮮明でない画像を重ね合わせ、最後にわり算をするような処理をしてくれるソフトがあります。こうしてできた1枚の画像の明るさや色合いなどを調整したら見違えるような「写真」ができあがりました。肉眼で望遠鏡で見ても、これほどはっきりしたもようはわかりません。 |
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| 8月19日 午後10時45分 初めて写した画像に、こんなもようが写ってました。正直びっくりしました!!! |
8月21日 午前2時50分 右の黒いとんがりは「大シュルチス」という部分です。 |
8月21日 午後10時30分 同じ日でも時刻がちがうと、表面のもようがかわります。火星も自転しているのです。 |
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| 8月28日 午後11時36分 かなり気流が悪い日だったので、火星がぼけてしまいました。蒸し暑い夜でした。 |
8月29日 午前1時22分 左の写真の約2時間後です。もようが少し動いているのがわかりますか。 |
9月1日 午前0時31分 望遠鏡で見た火星は空気のゆらぎのためいつもふにゃふにゃと動いているように見えます。 |
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| 9月4日 午後9時4分 中央に目玉みたいなもようが見えます。昔に見た、「火星」の絵そっくりです。 |
9月5日 午前1時36分 気流が安定したときにはこんなにはっきりとした画像がとれるのです。 |
9月9日 午後11時59分 9月4日と似た部分です。この日の方が気流は安定していました。 |
| 火星の下半分に見えている白い部分は極冠(きょっかん)という南極の部分です。火星は地球から見ると、時刻によってかたむき方がちがいますので、極冠の位置がちがってうつっています。 |
| 撮影に使用した機材 | 望遠鏡 : タカハシ製屈折望遠鏡 FCT-100 口径100o 焦点距離640o F6.4 接眼レンズ : ビクセン製 LV-10o 架台 : ビクセン製GP赤道儀 1軸モータードライブ付き カメラ : ソニー製デジタルビデオカメラ DCR-PC110 ソフト : レジスタックス2(フリーソフト) ステライメージ4(アストロアーツ社製) パソコン : 富士通 FMV-MG12B/M |
| 撮影地 | 京都府乙訓郡大山崎町の自宅。 自分の部屋から望遠鏡をつきだして、南の空の火星を追いかけました。 |