Pの作曲家


ジャック・ドゥ・ラ・プレル Jacques De La Presle (1888-1969)

フランスの作曲家,教育者。本名ジャック・ギョーム・ドゥ・ソーヴィユ・ドゥ・ラ・プレル(Jacques Guillaume de Sauville de la Presle)。1888年7月5日ヴェルサイユ生まれ。ヴェルサイユ音楽アカデミーでポール・フォーシェ(Paul Fauchet)に師事したのちパリ音楽院へ進み,アントワーヌ・トードーに和声法,ジョルジュ・カサドに対位法,ポール・ヴィダルに作曲法を師事するとともに,フォーシェの後を受け,ヴェルサイユのノートル・ダム聖堂でオルガニストを務めた。1914年,ローマ大賞の応募を目の前にして,第一次大戦の勃発のため従軍するも,戦後再びヴィダルに師事し,1920年にカンタータ『ドン・ファン』でローマ大賞第2位,翌1921年にカンタータ『ヘルメス神話(Hermione)』で第1位を獲得。翌年からローマの仏芸術アカデミーに1925年までの4年間留学。帰仏後は,1937年から1958年までパリ音楽院和声法科の教授となり,モーリス・ジャール,アントワーヌ・デュアメル,アンドレ・マチウ(カナダ人)らを育成したほか,1930年からパリ放送の音楽監督も務め,1945年から1952年までは仏国営放送音楽部門の主任検査官にも就任した。著述家としても『60の和声教程』(1945年:ルダック社),『10の楽典教程』(1947年:パリ,ラクール社)の著書がある。1969年5月6日パリにて死去。(関連サイト:ジャック・ド・ラ・プレル 仏語)


主要作品

カンタータ ・カンタータ【ドン・ファン】 Don Juan (1920)
・カンタータ【ヘルメス神話】 Hermione (1921)
協奏曲 ・村の教会 l'église de village (1925) {p, orch/vo, p}
・ロ調の協奏曲 concerto en ré (1949/1957) {p, orch}
1) ローマ,ナポリ,ウィーン Rome, Naples, Vienne
2) イルドフランスの風景 paysage d'île de France
3) ヴェルサイユ Versailles
4) 民衆の祝祭 fête populaire

・プロヴァンスの心象風景 impressions provençales (1958) {p, orch}
・アリアとジーグ aria et gigue (-) {p, orch}
器楽/室内楽 ・雨に濡れた庭 le jardin mouillé (1913) {hrp}
・ヴァイオリン・ソナタ sonate pour violon et piano (1914) {vln, p}
・スケルツェット scherzetto (1929) {vc, p/orch}
・弦楽四重奏のためのホ調の組曲 suite en sol (1929) {2vln, vla, vc}
・演奏会用小品 pièce de concert (1932) {vc, p}
・二調の小組曲 petite suite en fa (1957) {bssn, p/orch}
1) ジグ gigue
2) アリア aria
3) タンバリン tambourin

・短い小品 pièces brèves (-) {bssn, p}
・若い半獣神の夢 le rêve d'un jeune faon (-) {hrn, p}
・秘められた歌 chanson intime (-) {vln, p}
・東洋風 orientale (-) {sax, vla, p/fl, p}
・アルマ・マーテル alma mater (-) {org (hrmn)}
ピアノ曲 ・聖母を讃えよ ave maria (1916)
・小さな子守歌 petite berceuse (1918)
・子守歌 berceuse (1928)
・奇妙なパレード parade fantasque (1930)
・主題と変奏 thème et variations (1942)
・心象のアルバム album d'images (-) ...9曲
歌曲 ・極東の歌 extrême orient (1910) {vo, p}
・涙 larmes (1910) {vo, p}
・風は海から les grands vents venus d'outre-mer (1910) {vo, p}
・明るい庭 ce jardin clair (1910) {vo, p}
・死の歴史 heureux ceux qui sont morts (1920) {vo, p}
・3つの哀歌 trois élégies (1913-1921) {vo, p}
・祈り prière (1922) {vo, p}
・巣箱 le rucher (1922) {vo, p}
・夏の時 heures d'été (1922) {vo, p}
・時々刻々 les heures (1922-1923) {vo, p}
・風 le vent (1923) {vo, p (orch)}
・雨の中で sous la pluie (1927) {vo, p}
・印象 impressions (1928) {vo, p}
・神秘を待ち望む者 l' attente mystique (1929) {vo, p (orch)}
・2つのワルツ deux valses (1935) {vo, p}
・手紙 la lettre sur une poèsie d'H. Barbusse (1940) {vo, p}
・日中 heures claires (1945) {vo, p}
・3つの詩 trois poèmes (1952) {vo, p}
・永久なる父よ père éternel (-) {vo, org}
・聖母を讃えよ ave maria (-) {vo, org}
・夜明けに a l'aube (-) {vo, orch}
・彼はどこに où est-il ? (-) {vo, p}
・夕刻 fin de journée (-) {vo, p}
・野の薔薇に染められた屋敷 la maison serait pleine de roses (-) {vo, p}
・2つの歌 deux chansons (-)
・お人形の小さな歌 petite chanson pour la poupée (-) {vo, p}
・二コラと子猫たち Nicolas et les petits chats (-) {vo, p}
合唱曲 ・2つの春の合唱曲 deux choeurs de printemps (1929) {choir, p, strings}
・ココリコ cocorico (1937) {tnr, choir, p}
・オラトリオ【聖ジャンの黙示録】 l'apocalypse de saint Jean (-) {2choir, orch}


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★★★★
"French Recital Pieces : Pièces en Ré (Busser) Pour Diane (J.Charpentier) Scherzetto (J.de la Presle) Légende (Poot) En Irlande (Bozza) Pièce Mélodique No.8 (Vuillermoz) Le Rêve du Jeune Faon (de la Presle) Romance sans Paroles (P.M.Dubois) Poème Fantastique (Delerue) Sonatine (R.Guillou) Cantecor (Busser) Légende (Planel) Souvenir (Bonneau)" (Mark : 2611-MCD)
Robin Dauer (horn) Dennis Hay (piano)
アーカンソー州立大学助教授ロビン・ダウアーと,ミシシッピー州ブライスビルで地域単科大講師をしているデニス・ヘイという,普通なら手が出ない(失礼)顔触れによるこのCD。あからさまなミスはそれほどなく,曲を聴く分にはさほど問題ないとはいえ,やはりローカルな面々とあって,音運びがかなり重そうなうえ危なっかしい。それでもこれが売り物になるのは,マイナー作家への慈愛に満ちた素晴らしい選曲がゆえ。ドビュッシー絡みで名前こそ良く知られているものの,作品となると滅多に聴けないビュセール周辺もさることながら,むしろ聴きものはモーダル度の高いその他の無名作家。いずれもよりかっちりした器楽的モダニストの佇まいで,いうなればデュカをもう少しドビュッシーに近づけた印象でしょうか。わけてもプレルとヴュイエルモーズは名前しか聞いたことがありませんでしたが,ピエール・ガベーユ的な平明さとモーダルな色彩感覚があり,かなり達者な仕立て屋なのに驚きました。評伝でしか知られてないヴュイエルモーズはともかく,プレルさんはローマ大賞まで獲ってるのに作品集一つなし。ヒドイッ!『ロ調の協奏曲』は昨年譜面が復刻されたようですし,歌曲も譜面が相当数出てます。ここは一つ世界に先駆けて,日本のどこかの楽団さんや歌手さんが作品集を世界初録音なんていかが?戦艦級のオケが散々録音してる手垢の付いた巨人ものを,極東でまたバカみたいに再録するより,彼らが見落としている実力不相応な評価の人を探し出して光を当てる方が,余程文化的に意義深いですし,その姿勢はきっとあなた方を,世界が注目する団体へと昇格させてくれるでしょう。本盤がこうして海を渡り,日本のサイトへ載せられているように。

(2004. 7. 20)