八・八住民集会以後の経過と今後の方針
             一一・七学習報告集会に対する報告(案)

                 さいたま新都心高速道路問題等北袋地域連絡会
                           北袋ニ丁目自治会長        吉田 実
                           北袋一丁目自治会長        渋谷 十
                           北袋一丁目東自治会長      春日政一
                           北袋一丁目養和自治会長     中山亮治
                           北袋一丁目平和台自治会長   清水和夫
                           住みよい町をつくる会会長     山口義夫


   (一) 八・八住民集会と事業説明会
  八月八日、北袋地域住民集会が開かれ、換気塔の移動等の住民の新しい提案を一四〇名の参加者全員一致で採択しました。この提案をもとに話し合いで円満妥結をはかるために、引き続き、午後七時からの首都高速道路公団主催の「事業概要説明会」に出席をよびかけました。
首都高速道路公団埼玉工事事務所と同席した埼玉県新都心建設事務所は一時間三十分にわたり経過と概要についての文書を一方的に読み上げる説明を行い、住民の質問と意見が続出する中、午後九時までに会場を明け渡すという理由で、わずか十二分で質問を打ち切り閉会しようとしました。
参加者の強い抗議を受けて、都木信也・埼玉県新都心建設事務所長が事業概要説明会を後日継続開催することを約束しました。「住民の新しい提案が技術的に可能かどうか検討してご返事できるまでに一ヶ月かかります」という佐藤省三・首都高速道路公団埼玉工事事務所長の発言にもとづいて九月九日開催を住民代表が提案しました。
「説明会の継続開催は必ず行うが九月九日でよいかということについては各方面との調整が必要なので近日中に速やかに返事させてほしい」という都木氏の回答を信じて八月八日は閉会にしました。

   (二) 九・二 拒否回答書
 ところが、九月二日、都木信也、佐藤省三両事務所長連名の文書で事業概要説明会継続開催の約束を破棄し、「住民の新しい提案」を無視、さいたま新都市開業を迎えるにあたって調印された東西中央幹線と産業道路・大宮高速線暫定工事確認書による約束を破る次のような拒否回答を行いました。
  「八月八日の首都高速道路及び産業道路等の事業計画説明会につきましては全二一二二戸に案内状を配布し、ご関心のある方、約一四〇名の方にご出席いただき、ご静聴頂きましたので十分ご説明させて頂くことができ、情報開示と説明責任が果たせまして無事終了出来ました。皆様方のご理解を賜りまして誠にありがとうございました。」
「これまで繰り返し説明してまいりましたが、平成十一年十二月の議会答弁の通り換気所の位置については高速大宮線のルートや道路の構造、トンネルの換気効率等を総合的に検討し、更に環境アセスメントが実施され、環境基準を満足することを確認のうえ都市計画決定がされたものであることから現計画を尊重してまいります。そのためご要望には添えませんので何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」

 (三) 一九九九年暫定工事確認書を否認
さいたま新都心の街びらき(平成十二年春予定)に向けた東西中央幹線及び大宮産業道路の暫定実施について住民代表と彼らの前任者が調印した確認書の中で
   「一〇省庁一七機関の移転等に伴い、さいたま新都心地区周辺の自動車交通量増加するほか生活環境に影響を及ぼすことも懸念されることは現在、双方の認識である」
 「東西中央幹線及び大宮産業道路の暫定整備着工にあたり、これまでの話し合いをふまえて当面二車線供用として、四車線供用については再度話しあうものとする」
    「高速大宮線の現在の工事区間(東側地区)の延伸整備に関しては合意形成に達していないため、引き続き話し合いを継続しお互いの理解の下に進めるものとする」
とあり、この確認書にもとづいて結ばれた高速大宮線の整備についての確認書で
   「トンネル出口と換気所の見沼田圃区域内への移動要望につきましては見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針によると遊水機能を確保しなければならないことや大規模構造物の設置に関する開発を規制するこどなどに抵触しますので現計画の変更は困難でありますが環境対策を含め平成十一年六月十五日の確認書の通り誠意を持って話し合いを継続し努力してまいります。」
とあることについて一方的な解釈変更をおこなっています。

  (四) 継続開催要求は一部の声゛?
そして九・二文書は自らの事業概要説明会の進行方法が引き起こした住民の抗議や継続開催要求を歪曲して次のように述べています。
「なお八月八日に終了した説明会では、まだ残念ではございますが、ご理解いただけない方が一部いらっしゃいまして、徹夜しても徹底的に話し合うからこの場の団体交渉に出席しろなどの強硬なご意見が出されています。」
「今後とも行政の公正、公平の原則に基づきまして地方自治の精神で自治会との健全なる関係を継続してまいりますので何卒、ご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。」
しかし、事業概要説明会の継続開催要求は出席者全員の声でした。もともと、住民の新しい提案で円満妥結による工事協定結び、住民集会をひらいて承認を得て工事に入るようにした方がよい、という住民代表の提案を無視して、住民代表が県や公団の努力や説明を正しく住民に伝えていないと考えられる、と云って直接住民に案内して事業説明会を開催したのは彼らです。事実を偽り住民を騙す、公共の奉仕者にふさわしくない自らの態度こそ反省する必要があります。

  (五) 矛盾を深める工事説明会
 彼らは、概要説明会はすでに終了したものとして、九月一九日と二〇日、北袋地域住民のうち、高速大宮線の両側四〇米以内の住民に案内を限定して工事説明会を行い、工事着工を強行しようとしています。
 しかし、この工事説明会によって首都高速道路公団が土地収用委員会の裁決なしに、「住民代表との円満妥結がなければ土地を売らない、移転もしない」とする地権者の生活と権利を無視して工事強行を行おうとしていることが明らかになりました。
 住民の多くが工事による家屋被害が生じた場合、一方的に業者の見積もりで金銭補償とするのでなく、原状回復を原則として話しあう等の補償の方法その他について工事協定を要求するなど、不安と矛盾は更に深く大きなものになっています。
 
  (六)住民代表の捺印による反論要望書
住民代表はこの事態の中で、九月一七日、事業概要説明会の継続開催をあくまで求め、説明会の開催と十月着工に反対し、九・二文書回答に対する反論と住民の要望を明らかにした文書を作成し、六団体の代表者が夫々捺印して提出し、この文書に対する回答を求めています。それから一ヶ月余を経過していますが、いまだにその回答が行われていません。

  (七) 副知事の斡旋を拒否
 この間、「住民の新しい提案」について松下県議の要望に応えて鈴木副知事が県の土木部門に検討させた結果、
   「技術的に可能であり、換気塔の位置移動は都市計画決定の変更にはあたらない。」
との回答を得たので
   「この住民の新しい提案で円満妥結して、早期に工事にはいったらどうか」
と首都高速道路公団に相談したところ
   「費用が余分にかかる」
「換気塔の移動を行えばアセスメントをやり直さなければならないので時間がかかり、工事完成時期に責任が持てない。すでに現在の位置でアセスメントを行い、公害もないとして都市計画決定が行われているので、あらためて検討し変更する必要はない」
という理由で拒否したことが明らかになりました。

  (八) 富樫参議員の調査
この問題を重視した富樫練三参議院議員が十月十日、国政調査権にもとづいて国土
交通省と首都高速道路公団土木部を国会に呼んで報告を求めました。
その結果、首都高速道路公団と埼玉県の現場担当責任者が、住民の新しい提案についての大局的判断の立場に立たず、上司に正確な報告を行わず工事強行を進めていることが明らかになりました。
この、国会議員の正当な国政調査権に基づく行為を理由に、首都高速道路公団と埼玉県の現場担当責任者は住民代表との話し合いを拒否しました。
富樫議員の注意を受けて、彼らは十月三〇日、北袋地域(六団体)連絡会事務局との話し合いを行い、十一月一九日首都高排気塔見学会を行うことなどを決めましたが、住民代表の要望書についての回答はいまだに行われていません。

  (九) 今後の方針
 問題を解決する上で頑なな現場担当交渉責任者の反省を求め、大局的判断のできる知事、国土交通省等上部との話し合いを行うことが必要になっています。
そのために、議会を中心に運営されている民主主義社会の常識にもとづいて、党派を超えて国会議員をはじめ各界の協力をお願いすることが大切な段階に入っています。
 八月八日住民集会が採択した文書の中で今後の方針について次のように述べています。
   「私たちは首都高速道路公団が住民の環境を守る要求を無視し、新しい住
民の提案を受け入れず一方的に工事強行することを許しません。彼らがそ
うするならば、埼玉県知事や公団理事長と直接話し合い、確認書にもとづ
いて工事停止仮処分の提訴をはじめ、あらゆる可能な方法でこれを阻止し
ます。そのために住民集会と署名も必要になります。
高速大宮線新都心東側工事を凍結しやめたらどうかという意見もつよく
なっています。国民の中には道路公団の赤字、国や県の大赤字が公共事業の
濫費から生まれていることを批判し、これ以上の高速道路建設の凍結を要求
する声もつよくなっています。
八月中はお盆の行事等もあり、話し合いや住民集会開催も困難ですが、
十月末頃までに住民集会を開いて、それまでに話し合い解決の道を開きたい
と存じます。」

  (一〇)知事と国土交通省への陳情
この中でも当面、土屋知事と国土交通省に要望書を提出し、大局的判断に立って住民の新しい提案による円満妥結の道を開くために話し合うことが大切です。
特に土屋知事は、立候補の際、住民の公開質問状に対して
「都市計画になっているものは変えられないが、それ以外の環境を守るための住民の要望は実現する」
 と答えており、日本一の環境県をつくる立場に立って、その後も同じ趣旨の発言を行い、県議会答弁もこの立場で行っています。換気塔の移動が都市計画決定の変更に当たらないことが明らかになっています。大局的立場に立って土屋知事の英断をお願いしたいと考えます。

  (一一) 話し合いによるこれまでの成果
 「8・8住民集会」で採択された報告文書に記載されているように、一九八八年、畑和埼玉県知事から高速大宮線建設について協力要請があってから一四年。「住民の環境を守る要求は何でものむから高速道路に反対だけはしないでもらいたい」という担当者の要請に応じて当時の住民代表が提起した
  「北袋の住宅地内は高速道路を地下で通して出入り口は見沼田圃の中に建設してほしい」という要求を無視して
  「アセスメント調査の結果、地域に環境公害はおこらない」
 として一方的な都市計画決定が行われてから一二年になります。
 「埼玉県にだまされた」としてこの決定に対する抗議と反対のねばりづよい運動が展開される中で、私たちはさいたま新都心開発による高速道路公害をなくし、住民の暮らしと環境を守り住みよい町をつくるために連絡会を結成し、埼玉県やさいたま市、首都高速道路公団と話しあいを行ってきました。
 その結果、高速大宮線の北袋住宅地内排気塔位置の移動や産業道路、東西中央幹線道路の四車線化が引き起こす大きな問題が残っていますが、歩道に窒素酸化物光脱硝装置をつけさせたり、さいたま新都心駅のエレベーター設置、公園やコミュニティセンター、駅前自転車駐輪場、バス停、生活道路、通学路を保障させるなど、たくさんの成果をあげることができました。

  (一二) 団結して道をひらきますよう
 十月二九日、東京公害裁判で国と自治体、道路公団が五度目の断罪をくだされました。それぞれの道路についてのアセスメントによれば公害は起こらないことになっていました。ところが公害は東京をはじめ全国に広がっています。その責任を問われて事前対策を怠ったとして損害賠償と改善対策を命じられました。
 判決の結果この責任を追及された国土交通省は
  「アセスメントは推計に過ぎないものであり万能ではない。特に、古いアセスメントは不備な点が多くその結果公害が広がった、という事実を認めざるを得ない」としてアセスメントの取り扱いを改善すると約束しました。
 古い高速大宮線のアセスメントにより都市計画決定になっているからとの一点張りで住民の新しい提案を拒むことは許されません。
 しかも私たちは、高速大宮線だけでなく、さいたま新都心再開発による一五本の関連街路をはじめとする面的複合汚染についての可能な事前対策を要求しているのです。
 道理に基づいて超党派の議員と各界の協力をお願いし、団結して努力すれば必ず道は開けます。
 よく話しあって住民の新しい提案で円満妥結して、工事協定を結んで工事に入ることが出来るようがんばりましょう。


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