6・5国土交通省陳情と6・12工事協定交渉に関する報告

2003年6月26日(木)

埼玉新都心道路問題等北袋町地域連絡会事務局 山口義夫

 

(一)

6月5日、富樫練三参議院議員の紹介で代表者全員が署名捺印して扇千景国土交通大臣に左記の陳情書を提出しました。

 

(二)

道路局有料道路課長補佐が応対し「平成元年のアセスメントと都市計画決定にもとづいて首都高速道路公団の業務は瑕疵なく行われている。そのため換気塔の移動は困難だが、できることは行なって住民の納得がいくようにしたい。工事協定は結ぶように指導する」との回答がありました。

富樫議員は日本共産党参議院国対委員長でもあり有事法制が当日特別委員会で強行採決が行なわれるという緊迫した事態にあり、やむなく中途退席され、立合った北原秘書と陳情後今後の進め方を相談しました。

 北原秘書の意見は次の通りでした。

「国土交通省は換気塔の移動は困難だができることは行って住民の納得がいくようにする。工事協定は結ぶように指導するとの回答があったのだからまず地元で首都高速道路公団と話しあって貰いたい。その上で一致できない点があったら、その問題点を持ってきて貰って富樫議員の立会いで話しあいを行うことにしたい。」

(三)

6月12日、地元で首都高速道路公団と話しあいを行いました。

 住民代表として連絡会事務局の吉田、山口、小川、大熊の4名が出席しました。首都高速道路公団の権限を持つ責任者として長谷川和夫東京建設局第二工事部長の出席を求めましたが当日はカゼをひいて熱があるということで欠席。佐藤埼玉工事事務所長他2名が出席しました。

 問題点は次の通りです。

(1)工事協定について話しあいがつくまで工事を中止してもらいたいということにつ

いては佐藤所長は頑として聞き入れません。

工事協定の中味として北袋一丁目については双方の原案が出され、話しあいが行われましたが、北袋二丁目については換気塔の位置移動、地権者の立退き等の問題があり、話しあいに入れないでいます。

 議事録方式による北袋一丁目工事協定は換気塔の位置移動、地権者の立退き等について話しあいがつけば北袋二丁目の工事協定としても準用できるものであり、別紙双方の原案対比表にもとづいて重要な相違点についてさらに細部の話しあいが必要になっています。しかし、工事協定について話しあいがつかないまま工事は一方的に強行されており、不公平な事態の中で落着いて工事協定の中味についての話しあいもできません。

 まず、富樫議員の立会いで話しあっている間は期間を限定してでもよいから工事を中止していただくことをおねがいします。

 

(2) 特に北袋二丁目地権者の問題は重要です。首都高速道路公団は一九九〇年の都市計画決定以来立退きや土地削減を承知しない地権者に対する土地収用委員会裁決申し立てを一〇余年にわたって保留し放置してきました。本年、その申し立てを行いましたが、地権者は換気塔の移動、工事協定等について住民代表と話しあいがつけば替地、削減等に応じるとの意思表明を行っています。土地収用委員会もその話しあい解決を望んでいます。ところがその話しあいの途中で一方的に首都高速道路公団は本年一月北袋一丁目の工事を開始し、本年五月、北袋二丁目の工事強行を行いました。北袋二丁目の地権者は目の前の工事強行による騒音、振動等に苦しんでいます。このような首都高速道路公団の無法な行為が許されてよいのでしょうか。地権者も住民も何の抵抗する権利もなく、泣き寝入りしなくてはならないのでしょうか。富樫議員の立合い、あっせんでこの問題を明らかにしていただきたいと考えております。  

 

(3)北袋二丁目住宅地内の換気塔を移動することの重要性については富樫議員の要請に応じて国土交通省陳情理由Aによってすでに明らかにしてあります。ところがこの国土交通省陳情に対して道路局有料道路課長補佐は

「平成元年のアセスメントと都市計画決定にもとづいて首都高速道路公団の業務は瑕疵なく行われているので工事中止や換気塔移動等を命じたり指導することは困難です」

と回答しました。

 しかし、最近、国会でアセスメント法が採択される以前の閣議決定にもとづいて行われたアセスメントが道路建設優先のため不備のあるものであり、「そのアセスメントによれば公害は一つも発生しない筈なのに何故こんなに道路排気ガス公害がはびこっているのかという東京公害裁判判決にもとづく公害健康被害者の質問に対して国土交通省は答弁に窮し、「アセスメントは完全ではない、推測にすぎない」と答えたことは周知の事実であります。

 ところが首都高速道路公団は一九九〇年のアセスメントにもとづく都市計画決定を楯にとって「北袋住宅地内の高速大宮線地下出入口は現計画のままでよいから、換気塔だけは至近距離にある見沼用水路を越えたところへ移動していただきたい」という住民の苦渋の妥協案を一蹴しています。この案は「技術的に可能であり都市計画決定の範囲内である」ということが埼玉県土木部門の回答があり首都高速道路公団もそれを認めているのに、なお「一九九〇年のアセスメント結果は公害は起きないと予測されているから換気塔移動の必要はない。このことについての技術的経済的検討も回答も必要ない」「いつまでも平行線の話しあいをしているわけにはいかない」といって工事強行を始めてきました。その中で、住民の要求によって事業概要説明会の継続開催を約束しておきながら一方的にこの約束を破棄し、工事説明会での事前に工事協定を結ぶことについての住民の要求を無視して工事強行を行っています。

 この経過から見ても「首都高速道路公団の業務は瑕疵なく行われている」と言えるでしょうか。それでは住民との合意を大切にして業務をすすめるという国土交通省発足の新方針に反するのではないでしょうか。

 しかも、「埼玉新都心開業を迎えるにあたっての大宮産業道路・東西中央幹線道路・高速大宮線暫定工事確認書」での住民との合意重視協定は反古にされてよいのでしょうか。

 さらにこの時点で「平成元年のアセスメントを楯にとって排気ガス公害は起らないと予測されているから換気塔の移動の必要はないというのなら、その時のアセスメント調査そのものを改めて問題にしなくてはなりません。すべてこれまでの一〇年に及ぶ交渉の中で要求されていることですが、その根拠となる測定資料の提出をあくまで求めます。首都高速道路公団も埼玉県も原資料は見当らないと答えていますがそれではすみません。富樫議員からも明らかにして下さい。

 

(4)議事録方式による北袋一丁目工事協定について双方が提出した原案の項目別対比表を別紙のように提出します。

その中で大きな問題となっているのは

@    付近住民の工事被害事前調査を40M範囲内だけでなく要望する者に対しては行い、その結果を首都高速道路公団に保存するだけでなく、住民と住民代表に提出すること

A    地下水・地盤調査についても同じようにすること

B    補償は金銭補償を原則とするが、話しあいがつかない場合には原状回復を基本とすること

C    病人・受験生その他工事騒音振動風害等の精神的肉体的被害についても補償し必要な場合は移転措置等を行うこと

D    工事車輌通行路の特定等の安全措置等

です。

 

6月15日の北袋地域代表者会議で報告された工事協定交渉上の問題点は次の通りです。

 

2 工事確認書(工事協定書に代わるもの)について

地元側が先に提出した北袋1丁目地域(産業道路西側)の工事確認書案に対する、公団側の検討結果を踏まえた回答が去る6月12日出されたが、なお両案の間には次の7項目に関して見解の相違がある。地元連絡会側ではこれらの項目を主体にして、さらに逐条ごとに検討を重ねながら、今後とも先方に歩み寄りや改善を要求してゆくこととする。

(1)工事による家屋等の損傷の補償の仕方(金銭補償と原状回復の問題)

(2)作業時間と休業日(なおこの項目についてはその後先方から、午前8時から

     午後6時までとの回答がありほぼ解決)

(3)騒音や振動対策(病人や介護老人の問題等も含めて)

(4)地下水位や水質の観測と結果の通知

(5)工事車輌の運行ルートの明確化(産業道路と東西中央幹線のみとし、側道は

使用しないとあるが、その他の道路はどうなのか)

(6)現場管理と苦情処理のさらなる明確化

(7)道路構築物による日照や電波障害、地盤沈下等の補償方法や範囲の明文化

                                 以上。

 

 

以上、報告いたします。

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