環境基本法第16条では、環境基準とは人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準であるとされています。これは行政目標であり、施策の総合的かつ適切な実施により、その確保に努めなければなりません。大気の汚染に係る環境基準については、二酸化硫黄、浮遊粒子状物質、一酸化炭素、二酸化炭素、光化学オキシダント、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン(ジクロロメタンについては、平成13年4月より)の9物質について、次のとおり定められています。

(備 考)
1  浮遊粒子状物質とは、大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒径が10ミクロン以下のものをいう
2  光化学オキシダントとは、オゾン、パーオキシアセチルナイトレートその他の光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化カリウム溶液からヨウ素を遊離するものに限り、二酸化窒素を除く。)をいう。
環境省は、平成13年4月20日付けでジクロロメタンによる大気汚染に係る環境基準を告示した。



■評価方法

 環境基準による大気汚染の評価方法(環境基準の達成状況)については、短期的評価長期的評価が定められている物質があります。
 二酸化硫黄、浮遊粒子状物質、一酸化炭素には短期的評価と長期的評価が定められており、二酸化窒素は長期的評価により取り扱うこととされています。光化学オキシダントは、環境基準値により評価します。






大気汚染に係る環境基準


汚染物質 人の健康への
主な影響
環境基準
二酸化いおう
(SO2
のどや肺を刺激し、気管支炎や上気道炎などを起こす 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること
一酸化炭素
(CO)
血液中のヘモグロビンと結びつき、神経系に影響を与える 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること
浮遊粒子状物質
(SPM)
肺胞に沈着し、気管支炎や上気道炎などを起こす 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること
光化学オキシダント 目、のどなどを強く刺激する 1時間値が0.06ppm以下であること
二酸化窒素
(NO2
のどや肺を刺激し、気管支炎や上気道炎などを起こす 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること
ベンゼン 高濃度の曝露により発ガン性が認められる 1年平均値が0.003mg/m3以下であること
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
高濃度の曝露により神経系への影響が認められる 1年平均値が0.2mg/m3以下であること
ダイオキシン類 慢性毒性として発ガン性などがみとめられる 1年平均値が0.6pg-TEQ/m3以下であること
ジクロロメタン 高濃度の曝露により、神経系への影響が認められる 1年平均値が0.15mg/m3以下であること


大気汚染 環境基準

 環境基本法(平成5年11月19日,法律第91号)第16条第1項の規定に基づき,二酸化いおう等8項目について,環境基準が全国一律に設定されている。

1. 大気汚染に係る環境基準

物質 環境基準 測定方法
二酸化いおう 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり,かつ,1時間値が0.1ppm以下であること。 溶液導電率法又は紫外線蛍光法
一酸化炭素 1時間値の1日平均が10ppm以下であり,かつ,1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。 非分散型赤外分析計を用いる方法
浮遊粒子状物質 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり,かつ,1時間値が0.20mg/m3以下であること。 濾過捕集による重量濃度測定方法又はこの方法によって測定された重量濃度と直線的な関係を有する量が得られる光散乱法、圧電天びん法若しくはベータ線吸収法
二酸化窒素 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppm までのゾーン内又はそれ以下であること。 ザルツマン試薬を用いる吸光光度法又はオゾンを用いる化学発光法
光化学オキシダント 1時間値が0.06ppm以下であると。 中性ヨウ化カリウム溶液を用いる吸光光度法若しくは電量法、紫外線吸収法又はエチレンを用いる化学発光法

    1 )浮遊粒子状物質とは,大気中に浮遊する粒子状物質であって,その粒経が10ミクロン以下のものをいう。

    2 )光化学オキシダントとは,オゾン,パーオキシアセチルナイトレート,その他光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化カリウム溶液から ヨウ素を遊離するものに限り,二酸化窒素を除く。)をいう。

2.環境基準の評価方法

物質 短期的評価 長期的評価
二酸化いおう 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり,かつ,1時間値が0.1ppm以下であること。 1日平均値の2%除
外値が0.04ppm以下
年間における1日平均値のうち高い方から2%の範囲内にあるものを除外したもの(1日平均値の2%除外値)について行う。ただし,1日平均値につき環境基準を超える日が2日以上連続した場合は評価を行う。
一酸化炭素 1時間値の1日平均が10ppm以下であり,かつ,1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。 1日平均値の2%除
外値が10ppm以下
浮遊粒子状物質 1時間値の1日平均値が.10mg/m3以下であり,かつ1時間値が0.20mg/m3以下であること。 1日平均値の2%除外値が0.10mg/m3以下
二酸化窒素 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまのゾーン内又はそれ以下であること。 1日平均値の98%値
が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下
年間における1日平均値のうち低い方から98%に相当するもの(1日平均値の98%値)について行う。
光化学オキシダント 1時間値が0.06ppm以下であると。

    1) 1日の平均値にあたっては,1時間値の欠測が1日につき4時間をこえる場合には評価の対象としない。

    2) 長期的評価にあたっては,年間の測定時間が6,000時間未満の場合は,評価の対象としない。



本則



大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令の施行等について(平成2年12月1日、環大規0384

 大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(平成2年政令第320号。以下「改正政令」という。)が、平成2年11月2日付けをもって公布され、大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令(平成2年総理府令第58号。以下「改正府令」という。)、昭和56年9月環境庁告示第82号及び昭和56年9月環境庁告示第83号を改正する環境庁告示(平成2年12月環境庁告示第95号及び平成2年12月環境庁告示第96号。以下「改正告示」という。)が、平成2年12月1日付けをもって公布され、平成3年2月1日から施行することとされたが、その改正の趣旨及び内容は、下記のとおりであるので、これらの施行に遺憾なきを期されたい。

第1 改正の趣旨
  ガス機関及びガソリン機関(いわゆるガスエンジン及びガソリンエンジン。以下「ガスエンジン等」という。)は、ボイラー等のばい煙発生施設と比較し、窒素酸化物の排出量が同等以上であるものの、これまで大気汚染防止法(以下「法」という。)の規制対象となっていなかった。しかしながら、これらの施設は、コージェネレーションシステム(熱電併給施設)、自家発電施設等として今後とも更に増加することが考えられる。このような状況に対応し、窒素酸化物対策の推進に資することをねらいとして、近年のこれらの施設に関するばい煙低減技術の進歩等の状況を踏まえて、実施したものであること。
第2 改正の内容
 1 改正政令の内容
  (1) ガスエンジン等を大気汚染防止法施行令(昭和43年政令第329号。以下「令」という。)別表第1に加えることとしたこと。規模要件は、施設の規模の分布状況、窒素酸化物の排出状況等を勘案し、燃料の燃焼能力が重油換算35l/h以上のものを対象としたこと。(改正政令本則)
  (2) 改正政令の施行日は、平成3年2月1日とすること。(改正政令附則)
 2 改正府令の内容
  (1) ばいじんの排出基準
    ばいじんの排出基準はガスエンジン等が良質の燃料を使用していることから、ばいじんの排出は一般的には極めて低濃度であること等を踏まえて、0.05g/m3N(特別排出基準は0.04g /m3N)としたこと。
  (2) 窒素酸化物の排出基準
    窒素酸化物の排出基準は、全国一律の施設単位の排出基準であることにかんがみ、全国の施設の排出実態等を踏まえて、今回対象となる施設に対して適用し得る窒素酸化物に係る燃焼改善技術を採用すること等により達成される水準として、600ppmとしたこと。
  (3) 標準酸素濃度
    ばいじん及び窒素酸化物の排出基準に係る標準酸素濃度については、全国の施設における排出ガス中の酸素濃度の実態等を踏まえて、0%としたこと。
  (4) 届出様式の変更
    届出様式については、ガスタービン及びディーゼル機関の場合の届出様式と同様に「常用」又は「非常用」の別を明記することとしたこと。
  (5) 施行日及び経過措置
   @ 改正府令は、平成3年2月1日から施行することとしたこと。(改正府令附則第1項)
   A 改正府令附則第2項に規定する非常用施設(以下「非常用施設」という。)については、事業者における排出基準遵守に対する対応体制が現状では十分ではないこと等から、大気汚染防止法施行規則(昭和46年厚生省・通商産業省令第1号。以下「規則」という。)第3条から第5条までの排出基準、規則第7条の特別排出基準、規則第7条の2の特定工場等に係る規模の基準並びに規則第7条の3及び第7条の4の総量規制基準に係る規定の適用を、当分の間、猶予することとしたこと。(改正府令附則第2項から第4項まで)したがって、非常用施設については、総量削減計画の総量に含まれないものであること。
   B 法第5条の2の規定に基づく総量規制基準は、改正後の令別表第1の31の項に掲げるガス機関及び同表の32の項に掲げるガソリン機関(以下「今回追加施設」という。)についても適用されるが、同条第3項の規定に基づく特別の総量規制基準の適用については、規則第7条の3第3項及び第7条の4第3項中「都道府県知事が定める日」とあるのは「平成3年1月31日」としたので、今回追加施設であって、改正府令の施行日前に設置の工事が着手されたもの(以下「既設施設」という。)は、都道府県知事が定める日後に設置されたものであっても、既存のばい煙発生施設として取り扱うものであること。(改正府令附則第5項)
   C 既設施設に対する窒素酸化物の排出基準については、適用し得る対策技術の低減効果を考慮して、2,000ppmとしたこと。(改正府令附則第6項)
     ただし、法第13条第2項及び法第13条の2第2項の規定に基づき、既設施設については、窒素酸化物の排出基準及び総量規制基準は平成3年7月31日まで適用しないこととなるので留意されたい。
   D 既設施設のうち、昭和63年1月31日以前に設置の工事が着手された施設については、対応に要する期間として、窒素酸化物の排出基準の適用を平成5年1月31日までの間、猶予することとしたこと。(改正府令附則第7項)
   E 今回追加施設であって、改正政令の施行日以後に設置の工事が着手されるもののうち平成6年1月31日以前に設置の工事が着手されたものについては、対策技術の開発状況等を勘案して、窒素酸化物の排出基準を1,000ppmとしたこと。(改正府令附則第8項)
 3 改正告示の内容
  (1) 法第5条の2の規定に基づく窒素酸化物に係る総量規制基準の適用に当たっては、今回追加施設の単位燃料使用量当たりの窒素酸化物の排出量が、重油専燃ボイラーに比較して大きいことを考慮して、昭和56年9月環境庁告示第82号別表第3に今回追加施設に係る係数を追加することとしたこと。
  (2) 規則第7条の4第1項第2号に掲げる窒素酸化物の量として総量規制基準を定めるときは、同条第2項第2号及び同条第3項第2号に掲げる式のC及びCiの値は、昭和56年9月環境庁告示第83号に定める方法により、都道府県知事がばい煙発生施設の種類ごとに定めるものとしているが、今回追加施設に係るC及びCiの値の設定方法として、同告示別表に今回追加施設に係る施設係数を追加することとしたこと。
第3 その他留意すべき事項
 1 非常用施設の取扱いについては、昭和62年11月6日付け環大規第235号の記第3の1及び5に準ずること。
 2 今回追加施設について、燃料の燃焼能力の重油換算を行う場合には、次によること。
  (1) 燃料が気体の場合
    燃料の種類によって発熱量の差が大きいので、次の換算式によること。
    重油換算量(l/h)=換算係数×気体燃料の燃焼能力(m3N/h)
    換算係数=気体燃料の発熱量(kcal/m3N)/重油の発熱量(kcal/l)
    ただし、上式の気体燃料の発熱量は総発熱量を用いることとし、重油の発熱量は9,600kcal/lとすること。
  (2) 燃料が液体の場合
    従前のとおり、
    重油換算量(l/h)=液体燃料の燃焼能力(l/h)とすること。

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