2003年12月16日()

速大宮線トンネル換気塔に排気ガス除去装置(低濃度脱硝装置)設置の住民要求について

  

  上記の件に関して「埼玉新都心高速道路問題等北袋町地域連絡会」代表者は、住民署名を持参して18日国土交通省に陳情に行きます。(さいたま市、埼玉県、首都高速道路公団に対する陳情は後日。)

  つきましては、住民の要望と問題点に関してぜひ取材をして頂くよう、ご案内申し上げます。

  国土交通省交渉  18日14:00〜 国土交通省会議室    

   集合等について: 12:10さいたま新都心駅集合

            13:30 参議院会館ロビー集合 →タクシーで国土交通省へ

  住民集会 20日() 10:00〜12:00 

        北袋平和台会館ホール    

  

1.はじめに、なぜ今、陳情か

<陳情の趣旨> 

さいたま新都心を地下で連絡する高速大宮線の換気塔に、公害をなくす事前対策として「最高技術水準の有害排気ガス除去装置が実用化され次第設置する」という約束を守って、電気集塵機だけでなく、すでに実用化されている「低濃度脱硝装置(二酸化窒素除去)」の設置をしてほしい (資料@、別紙署名要望書)

(ア)今年86日に国土交通省が記者会見を行い「道路トンネルに係わる低濃度脱硝技術P2実験の結果実用のめどが立った」と発表した。10月6日にわれわれも見学し、SPM除去装置と結合させた低濃度脱硝装置により、NOx90100%も除去できる。その性能の素晴らしさを実感した。(資料A、別紙国土交通省パンフ)

(イ)   すでに、16年度東京中央環状新宿線、川崎線14箇所に設置が決まっている。

(ウ)県、市そして公団はトンネルの排気ガス除去装置に関し、その時点での「最高技術水準の除去装置」を検討することを約束していた(資料B、平成15年3月首都高速道路公団の回答)

<なにが問題か>

これまでの経緯と現状について(資料C、別紙「北袋町地域連絡会ニュース」)

15年前、埼玉新都心再開発に伴う緊急街路計画の一環として高速大宮線建設に協力を求められて以来、北袋町の住民は道路公害を未然に防ぐため粘り強く話しあってきた。1996年に北袋地域5自治会と個人加盟の「住みよい町をつくる会」が「連絡会」を結成し、埼玉新都心開業を目前にして埼玉新都心建設事務所長、首都高速道路公団埼玉工事事務所長との間で暫定工事確認書が調印された。

しかし、「高速大宮線の現在までの工事区間延伸整備に関しては合意形成に達していないため、引き続き話合いを継続しお互いの理解のもとにすすめるものとする」という条項を一方的に破棄し、この1月来、住民の合意のないまま工事を強行している。

去る6月5日の国土交通省との陳情において、国土交通省は公団に対し「工事協定については、文書を取り交わすなど、住民の理解を得る努力をするよう公団に伝える。排気塔の移動は困難だが、可能な措置はとるよう指導する」と回答した。

その結果、公団は、北袋一丁目地内については議事録形式による協定が交わされたが、二丁目地内の話合いは、換気塔問題は「現場の所長の権限を超える問題」であるとか、の発言もあり地元住民と工事所長の交渉は膠着状態にあって中断されている一方で工事はどんどん進んでいる。

公団は、「アセスメントの結果、高速大宮線は排気ガスは基準値以下で公害は起らないと予測されている」と13年前のアセスメントにもとづく県の都市計画決定を楯に住民の事前対策を求める要求を拒否している。住民との間の約束はもちろんだが、拒否の根拠となっているアセスメントについても厳しく検証されなければならない。

2.拡がる署名

高速路線通過と換気塔建設予定地の北袋町地域ばかりでなく、影響を受けると思われる近隣の住民から6千を超す住民署名が短期間に(北袋町以外は実質1、2週間)寄せられた(資料D)

3.さいたま市の就学児童のアレルギーが増加している

さいたま市では児童のアレルギー性鼻炎が県平均の2倍にもなっている。加えて、小中学生の喘息等アレルギー疾患は13年度872人(1.2%)から14年度には2,206人(2.3%)と急増していることがさいたま市教育委員会の統計調査で明らかになった(資料E)

4.予測の通過車両の台数の増加

14,200台(H16)、41,600台(H22)と公団は予測しているが、今後、新都心機能がフル稼働し、新都心区画整備が更に三菱マテリアルまで拡大される計画もある。来秋開業の片倉新都心モールには巨大駐車場が建設中である。

高速連絡道路も第二産業道路への連結で止まらず、更に核都市広域幹線道路として所沢や千葉方面への延長が構想にある(資料F)。それらが進行すれば大きく予測を上回る可能性がある。

5.アセスメントは不完全

NO2に焦点を当てて検討してみたい。アセスメントは不完全のもと考えられる。平成12に別途非公式の調査を追加して住民説明会で発表しているが、正式なアセスとして認められるのか?大いに疑問がある。

その測定値のBGの年平均値は0.017ppm (0.021ppm, H12調査)となっている(資料G)測定場所は県立浦和西高(H12水資源公団宿舎)で北袋交差点の道路から100m以上も離れ、見沼用水路沿いの条件の極めて良い環境が選択されている。このため、健康への影響を住民が最も心配している産業道路沿い付近の実態は反映していない重大な欠陥がある。喘息や発がん性が問題のNO2に関して、最近4年間のさいたま市の13の測定点でも日平均値の年間98%値は環境基準値0.06ppm以下に対し0.051~0.059ppmとかなり限界に近い値を示している(資料H)。北袋の産業道路近辺も、それに近い値になっていると考えるのがより論理的である。(加えて、平成22年のBG予測値が0.015ppmに低下している根拠も記されていない。)

また、住民説明会資料では排出排気ガスの寄与濃度が小さいとしている。これは風速10mで地上100mまで噴き上げ大風量で希釈する方法である。新たに加わる排出排気ガスの総量が周辺環境へ、より大きく影響を与えると考えられる。希釈する大気自体が環境基準ぎりぎりの0.051~0.059ppmであれば、希釈される排気ガス中の濃度の寄与が少なくても基準値を超えてしまうことは容易に予測される。

加えて、健康への影響を主に考えるヨーロッパの環境基準と異なり、日本の環境基準は達成可能な値を用いているといわれており、さらに、多くの大気汚染による公害患者の発生をみて、必ずしも、健康上、安心できる数値ではないというのが、住民の考えである (資料I)

したがって、低濃度脱硝装置の設置は必須のものと考える。このような数値を根拠に工事の強行を行っていることは容認できるものではない。



資料@ 要望書、署名        (工事中)

資料A 国土交通省パンフ

資料B 首都高 回答 

資料C 「北袋町地域連絡会ニュース」 (工事中)

資料D 署名数  (途中経過)

資料E 表1.さいたま市立小学校疾病等調査結果

資料F 核都市広域幹線道路構想

資料G 住民説明会資料 別表1

資料H 最近4年間のさいたま市の大気汚染状況

資料I 日欧米の環境基準の考え方 特許庁





資料B 首都高 回答に見る「最高技術水準の除去装置」問題




資料C 「北袋町地域連絡会ニュース」       (工事中)


資料D 署名数 (途中経過)

町会名等

署名数

町会名等

署名数

北袋1丁目

北袋1丁目東

養和自治会

平和台自治会

北袋2丁目自治会

住みよい町をつくる会

(むつみ幼稚園)

410

311

99

477

1770

1451

天沼台みな月会

大原6丁目自治会

天沼町2丁目東部自治会

下木崎団地

下木崎団地

上小町

334

186

970

78

72

148

 

 

総合計

6306



資料E 表1.さいたま市立小学校疾病等調査結果

 

病名

13年度

14年度

%

%

アレルギー鼻炎と診断された者

6,517

7.4

6,905

7.4

アトピー性皮膚炎と診断された者

1,426

1.6

2,119

2.3

気管支喘息と診断された者

872

1.0

2,206

2.3

 

2.埼玉県児童生徒の疾病等調査結果

 

病名

14年度

%

アレルギー鼻炎

3.29

アトピー性皮膚炎

2.36

喘息

2.71

 



資料F 核都市広域幹線道路構想 日本歩行者連盟HPより


資料G 住民説明会資料 別表1




資料H 最近4年間のさいたま市の大気汚染状況

さいたま市 年度別平均 NO2

国立環境研究所 データベースより

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年間値データ(NO2)(ppm)

測定局情報

測定年度

 

測定局

有効測定日数

測定時間

年平均値

1時間値の最高値

日平均値の年間98%値

1時間値が

日平均値が

98%値評価による日平均値が0.06ppmを超えた日数

用途地域

令別表第3の区別

測定局設置主体

 

 

0.2ppmを超えた時間数

0.1ppm以上0.2ppm以下の時間数

0.06ppmを超えた日数

0.04ppm以上0.06ppm以下の日数

 

(日)

(時間)

ppm

(時間)

(日)

 

 

 

 

 

さいたま市 平均

362

8641

0.029

0.120

0.051

0.0

11.8

3.2

60.2

1.3

 

26

 

2001

 

さいたま市 平均

361

8629

0.030

0.107

0.051

0.0

5.4

2.8

69.7

0.8

 

26

 

2000

 

さいたま市 平均

364

8707

0.029

0.120

0.051

0.0

5.9

2.8

66.7

0.8

 

26

 

1999

 

さいたま市 平均

361

8647

0.031

0.127

0.059

0.0

22.8

8.4

78.5

4.2

 

26

 

1998

 

4年間 平均

362

8656

0.029

0.118

0.053

0.0

11.5

4.3

68.8

1.8

 

 

 

 

 

13箇所の平均値
市役所、衛生研究所、根岸、駒場、曲本自排、辻自排、宮原、春里、指扇、大宮、三橋自排、大和田自排

.

さいたま市 年度別平均 SPM

国立環境研究所 データベースより

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年間値データ(SPM)(mg/m3)

測定局情報

測定年度

測定局

有効測定日数

測定時間

年平均値

1時間値が0.20mg/m3を超えた時間数

日平均値が0.10mg/m3を超えた日数

1時間値の最高値

日平均値の2%除外値

日平均値が0.10mg/m3を超えた日が2日以上連続したことの有無

環境基準の長期的評価による日平均値が0.10mg/m3を超えた日数

測定方法

用途地域

令別表第3の区別

測定局設置主体

(日)

(時間)

mg/m3

(時間)

(日)

mg/m3

 

(日)

 

さいたま市 平均

359.1

8590

0.040

11.5

7.08

0.252

0.098

 

3.77

3

 

26

 

2001

さいたま市 平均

360.8

8632

0.041

10.0

4.85

0.319

0.092

 

0.46

3

 

26

 

2000

さいたま市 平均

362.9

8687

0.038

9.2

3.15

0.275

0.083

 

0.15

3

 

26

 

1999

さいたま市 平均

363.6

8695

0.048

81.9

22.08

0.343

0.131

 

19.08

3

 

26

 

1998

4年間 平均

361.6

8651

0.042

28.2

9.29

0.297

0.101

 

5.87

3

 

 

 

 

13箇所の平均値
市役所、衛生研究所、根岸、駒場、曲本自排、辻自排、宮原、春里、指扇、大宮、三橋自排、大和田自排






資料I 日欧米の環境基準の考え方 特許庁技術調査課技術動向班、
      環境計測・分析技術に関する技術動向調査




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