No.01 高速道路公害 更新日2005.11.4

05.06.12 総会決議

埼玉新都心と関連道路などの

公害をなくし住みよい町をつくる会

第十一回総会決議(案)

 

2005年6月12日

         埼玉新都心と関連道路などの公害をなくし

住みよい町をつくる会会長  山口義夫

 

      目  次

(一)  苦渋の決定

(二)  成果に確信を持って前進することの重要性

(三)  団結と運動の成果

(四)  運動の経過と教訓

(五)  会の名称変更と拡大強化

(六)  今後の方針について

(七)  体制と財政について

 

一 苦渋の決定

昨(2004)年5月16日第一〇回総会を開いてから1年を経過しました。第一〇回総会の直前、埼玉新都心高速道路問題等北袋町地域連絡会(以後連絡会と記す)代表者会議と住民集会がひらかれ、埼玉新都心開業を目前に調印された暫定工事確認書に違反し、住民との合意もなく北袋町二丁目住宅地内で強行されている高速大宮線出口と換気塔工事を中止して、話しあいで工事協定を結ぶことを要求する仮処分提訴が決定されました。

 それから1年。本年4月3日の原告団裁判対策会議の苦渋の決定により4月13日、第13回審尋の席上、原告団代表は、首都高の方針説明文書を裁判所の事件記録に留めることを条件に提訴をとりさげてきました。

 この苦渋の決定に至る経過は本総会に対する報告文書の一つとして総会出席のご案内に同封して事前にお届けしてあります。

 

 成果に確信を持って前進することの重要性   

「住みよい町をつくる会」と北袋町地域自治会、多くの団体、個人との協力により埼玉新都心再開発と関連道路計画などが引起こす公害と環境破壊をなくし事前対策を要求する私たちの運動は大きな成果をあげてきました。換気塔にNOX低濃度脱硝装置を仮処分裁判でつけることができればさらによかったのですが、現段階の力関係でやむなく苦渋の決断をせざるをえない事態となりました。しかし、私たちはこの事態に落胆することなく、団結と運動の成果に確信を持って前進しなければなりません。

高速大宮線は現在では高速埼玉新都心線と名称を変更し、さいたま市道路企画課長が認めている通り、数年後には新都心東側も四車線となり第二産業道路で終わらず、東北縦貫道路や常磐道路とつながり首都圏核都市間連絡環状高速道路網になっていきます。

埼玉新都心を中心とする再開発と15本の関連道路の引起こす公害と環境破壊の波は対策を講じなければ更にひどい状態になります。

目前の産業道路四車線化にともなう横断道路、生活道路確保、南大通り線開通にともなう南小学校等の学童を守る公害対策の問題、天沼、大原町民立ち退き問題もあります。

三菱マテリアル等、埼玉新都心地帯にある大工場移転に伴う土壌汚染対策、見沼等の歴史と自然・緑等の環境を守る問題もあります。なによりも焦眉の急の問題として首都高が高速大宮線北袋地域についての「さらなる環境への負荷軽減措置」として約束した10項目をはじめ、埼玉新都心再開発と15本の関連道路等が引起こす公害、環境破壊をなくすための埼玉県、さいたま市(大宮市)の約束、私達の運動の成果の実行をせまり、具体的に点検し監視しなくてはなりません。

 

  団結と運動の成果

〈1〉高速大宮線に関する運動の成果は次の11項目です。別紙の北袋二丁目工事協

定調印の前提事項としてその実施について4・13仮処分取り下げ以後、3回に及ぶ連絡会事務局交渉を行っています。

@ 環境施設帯への植樹

A 歩道へのNOx(窒素酸化物)除去ブロックの設置                

B 換気所壁面へのNOx除去タイルの設置及び擁壁面へのNOx除去塗装の実施

C 換気所に浮遊粒子状物質を高効率で除去可能な最高水準の技術による電気集塵機の

設置

D 低騒音舗装の施工、雨水の跳ねあげも防ぐ

E 透光板と併用した高遮音壁の設置

F 供用後の大気観測及び騒音調査実施

G 抗口から100m区間の全面覆い、及びその先70m区間の遮音壁の更なる嵩上げ

H 住民が利用する多目的広場

I 排気塔の高さの再検討

J 供用後の環境調査、換気塔にNox除去脱硝装置を設置する問題についての約

 

〈2〉高速大宮線の約束を除く埼玉新都心再開発と関連道路等が引起こす公害・環境破壊等に関する運動の成果は次の6項目です。

@埼玉新都心開業を目前に東西中央幹線道路を四車線のところ二車線開業とし、その歩道には肺ガン発生等の原因となる窒素酸化物公害をなくすための光脱硝装置をつけさせました。四車線にする場合、南小前や交差点付近ではさらに土壌空気浄化装置を付けることになっています。

A埼玉新都心駅や周辺を住民の住みよい環境、バリヤフリーの街にすることを要求し、エレベーター、エスカレーター、駐輪場、公園、新しいバス停留所、照明、交通信号等を新しく設置させこれまでの生活道路や通学路の安全を保障させています。

Bアリーナ等の埼玉新都心内の施設を近隣住民の使いやすいようにすることを要求し、新都心東側に図書館、音楽会・美術展・映画・演劇鑑賞等を行うことのできるコミュニティセンターをつくることを約束させました。これは大宮市の責任で場所も明らかにされており、三市合併によりさいたま市になった後の交渉でも優先的につくると約束されていますが、さらに追及することが必要になっています。

C埼玉新都心に流入する自動車台数を減らすために来客はできるだけJRやバスを利用すること、常勤者の駐車場使用を許可制にし、アリーナ開催日車使用を規制することを埼玉県に約束して貰いました。

D大宮産業道路の通過交通トンネル化の要求について、その実施は困難だが、歩行者横断対策として歩行者専用信号機を小林ストアー脇とグルメタウン付近に2ヶ所増設の約束を得ました。

Eカタクラショッピングセンター、巨大駐車場、駅前駐輪場、40年に及ぶ三菱原子炉問題の解決、放射性物質・放射能廃棄物、カドミウム等の大規模汚染土壌対策、上落合高速道路工事による地盤沈下被害対策に貢献することができました。

 

四 運動の経過と教訓

以上の長い間の成果は有志住民と自治会など各界の個人・団体の団結と協力、努力と運動によって生みだされました。

1988年、埼玉新都心再開発にともなう高速大宮線建設問題が起り、埼玉県の担当部長が北袋自治会長宅を訪ねて「環境対策についての住民要求は何でも実現するから高速道路絶対反対はしないでもらいたい」と頼んで歩いてから17年になります。

(1)この中で北袋地域の3自治会による高速道路反対同盟が結成され、次の要求実現

のための話し合いと運動が行われました。

@    高速大宮線は北袋地域住民を立ち退かせないで住宅街は地下で通して出口と換気塔は見沼田んぼの中に設置してもらいたい。

A    地下を通る高速道路の地上は遊歩道にしてもらいたい。

B    立ち退きを迫られている地権者の要求と権利を尊重し、生活道路通学路を保証し住民が要求する公害、環境対策を誠意をもって実施してもらいたい。

(2)ところが1990年、住民の要望無視の高速大宮線環境アセスメントと都市計画

決定、事業決定が行われ、住民のねばり強い交渉が行われました。その中で、高速大宮線は北袋一丁目は地下で通り北袋二丁目住宅地内に出口と換気塔が設けられ、見沼地域を高架で通ることが明らかになりました。

(3)1996年3月北袋二丁目自治会が独自に住民集会を開催し独自解決を目指す

運動が起り、多くの人々の統一と団結のための努力で北袋一丁目と一丁目東自治会を

含めた住民集会がひらかれ、共同の要望書が埼玉県と大宮市・首都高に提出されました。

(4)以上の要求実現のための推進力として個人加盟による独自の組織が必要である 

として私たちの「住みよい町をつくる会」が96年6月に結成され、独自に新都心調査や埼玉県との交渉を行い、埼玉県知事候補に公開質問状を出して返事をもらうなど活発な活動を開始しました。それ以来9年を経過しました。

(5)私たちは藤原県議のあっせんと協力で埼玉新都心見学と埼玉県との話し合いを

行い、その中で北袋一丁目地内は高速大宮線は地下で通るが、その上を東西中央幹線道路が通り、北袋一丁目で地上に出て産業道路と四車線でT字交差することを知って愕然としました。しかも、高速大宮線も東西中央幹線道路も産業道路、南大通り線、赤山東線をはじめ、埼玉新都心再開発に伴う15本の緊急幹線街路が四車線でつくられ、その周辺は自動的に高速事務所ビル地帯に用途地域変更になることも知りました。さらに、埼玉新都心は18の大手町にある中央官庁の移転を中心に計画されており、その許認可、補助を含む職務権限の管轄範囲が関東甲信越静岡地方に及んでおり、高速道路も首都圏核都市間連絡道路網の一環であり大量の人間と事務所、車の流出入を引起こすことが予想されていることを知りました。

(6)96年6月埼玉県知事候補に対する公開質問状に対してどの候補者も公害をな

くし環境を守るための住民の要求実現に関して全力をあげて努力すると答えました。

(7)私たちは以上の問題に対する事前対策を要求する交渉を行い、埼玉県新都心建設

事務所長を招いて平和台会館で住民説明会を行い、北袋地域の自治会長を招待しました。

(8)その中で、北袋地域自治会連絡会に私たちにも入って一緒に協力

してもらいたいと吉田実北袋二丁目自治会長から要請されました。藤原県議にかわって新しく県議になった松下ゆたか氏の助言もあり、私たち「住みよい会」も加盟して「埼玉新都心高速道路問題等北袋地域連絡会」を結成し、埼玉県建設局長交渉などを行う中で前記の成果を獲得することができたのです。

 

以上の成果を獲得する上で地域自治会と連絡会を結成して共闘した

ことが大きな力となったことは大切な教訓です。同時に連絡会との関

係で私たちの独自活動が抑制され、たたかいを真に住民に根ざしたも

のにし、共闘の輪を広げる上で大きな発展の障害となったことも事実

です。

また、裁判闘争を行う上で複数の弁護団を結成することができなかった

問題等今後のために検討することが課題です。

 会の名称変更と拡大強化

 第二回総会で、高速道路問題だけでなく埼玉新都心再開発と関連道路などの公害をなくし住みよい町をつくるために奮闘することを確認し、会の名称を「埼玉新都心道路公害等をなくし住みよい町をつくる会」としてきました。これをより明確化するため、「埼玉新都心と関連道路公害等をなくし住みよい町をつくる会」とします。(別紙、会則改正案参照)

この見地に立って私たちの会は北袋地域だけでなく、公害に反対し住みよい町をつくることを願うすべての団体個人と広く協力してたたかいをよびかけます。

 

六  今後の方針について

(1)以上の創立以来の趣旨と目的に基づいて会員と連携拡大に努めます。引き続き「北袋連絡会」を維持し自治会と協力共闘しながら、自治会の傘下組織でないことを明らかにして私たちの会の独自活動を結びつけてとりくみます。

(2)高速大宮線換気塔に電気集塵機だけでなくNOX低濃度脱硝装置をつける問題で本訴をやるかどうかについては首都高とさいたま市との話し合いの結果如何で判断するという態度を堅持します。

そして排気汚染北袋測定局設置と複合汚染対策をさいたま市に要求し、数年後に予定されている高速大宮線の東北縦貫道路、常磐道路を結ぶ延伸の際の新法によるアセスメントに住民の要望を反映します。

(3)埼玉新都心を中心とする再開発・車公害の波は今後の発展いかんでは、北袋地域だけでなく南大通り線など、天沼、浅間町、大原地域や南小等の学童公害対策などが大きな問題になります。住宅地に高層マンション建設など住環境の問題も起きています。それぞれの地域にそれぞれの課題のとり組みができるよう、お互いの援助交流に努力します。新都心西口の桜木町、上小町換気塔周辺の問題にも配慮します。

(4)東京大気汚染公害裁判原告団や首都圏道路問題連絡会、道路公害反対運動全国交流集会や環境問題対策の全国の友人たちと協力して、人間と自然と地球と宇宙環境を大切にする二一世紀を生みだしましょう。

 

七 体制と財政について

以上の方針を実現するためには自治会をはじめ、各界各層によびかけ、力を合わせることが必要です。

そのための呼びかけ・会員拡大、宣伝・機関紙誌の発行、

シンポジウム開催などに取り組みます。

幅広く会に結集できる方法を考えます。会費納入・募金を

お願いし、実行に見合った財政を確立します