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風ボタルは眠らない

見えてきたアルタモンテ.パス ウィンドファーム
アルタモンテ.パスとはスペイン語で(高い丘)の意だそうだ。
この日は「カリフォルニアの青い空」のイメージとはだいぶ違う。
低く垂れ込める雲の切れ間から太陽の光がその(高い丘)を黄金色に染める光景に息を飲む
オー、大地の空気を裂くように回転しているではないか、ついに来たぞ!風の王国に!
一つ二つ三つ点々と、、数えられない無数の風車が迫ってきている。
風キチの風ボタルの心はいやがうえにも高まり、フォードのハンドルを握る手も忘れ、
テジカメをまさぐりながら、傍らのガンコ山に、撮って!撮って!と叫んでいた.早く!
えっ?!とオロオロするガンコ山、おまけにデジカメの使い方が分らん、だと.

こうなったらままよ、胸の高鳴りを抑えられず、風車の群れにドンキホーテよろしくフォードを
突進させる。
蜂の飛ぶ音に囲まれていた.この広い大地にこの音しか聞こえない。
ガンコ山が何か言っているようだが、そっちの方がこの地球上の生物の音とは思えず、体に
受けつけない。
無数の風車が、風きり音を発し、共鳴し擦れ合う蜂の羽音、それは風ボタルにしかわからない
言葉なのだ。この音を、この言葉を聞く為に来た。 人間的生物の音を発するガンコ山がやかましい.
しかし、その雑音も風ボタルの心からは追い払われてきている.
心に染み渡る、そしてその音はついに風ボタルの全身に響き渡る。
わかるか、分るか、分るぞ!この言葉が、風の詞が! 風よ!今度は俺の心を聞いておくれ!
この瞬間、風ボタルの全身はジャズとなって弾けていた.
傍らでは、風の言葉が分らないガンコ山が、ひっそりといじけていた. つづく