前述したように、ボラと一口に言っても1種だけではない。
南西諸島では数種の南方系ボラ達が河口域を泳ぎまわり、
逆にメナダは北へと進出する事で繁栄を勝ち取っている。
そんな、「ボラではないボラ達」の一部をここでは紹介したい。

汽水域で採捕したメナダ(日本海側河川、8月)
 淡水域で見られた幼魚
メナダ
海域汽下汽上淡水陸上
九州以北に分布(前述「日本の淡水魚」に拠る)しているようであるが、
本州中南部、特に太平洋側ではそう多く見られる魚ではないようだ。
しかし、日本海側では状況は一変する。
日本海側の河川河口域では、むしろボラよりも一般的な魚で、
河口域で群れる稚魚を採集してみると、
その殆どがメナダであると言う事も、そう珍しくは無い。
また、ボラ程では無いのかも知れないが、メナダも夏季には、
汽水域を越え、淡水域をかなり遡上しているのが観察できる。

(周防灘沿岸河川産、10月)
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(周防灘沿岸河川産、10月)
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(周防灘沿岸河川産、10月)
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■メナダ〜大いなる誤解〜■
僕はメナダが好きである。
しかし、恥ずかしながら告白してしまうと、
僕がメナダを初めて見たのは、まだ去年('00年)の夏の事なのだ。
もちろんメナダという名前は小さい頃から知っていたし、
子供向けの図鑑などの絵は見て知っているつもりだった。
しかし、この図鑑というのが曲者で、
そこには、ボラと殆ど同じ絵が描いてあり、その特徴として、
ボラとの違いはまぶた(脂瞼)の有無である事が強調されていた。
確かにその通りなのだが、幼い僕は、
ボラとの違いは「まぶた」の有る無しだけであると思い込んでしまった。
それ故、「今までみたボラの中に、きっとメナダが混じっていたんだろうな」
くらいにしか思っていなかったのである。
しかしである。
実際日本海側のとある河口域で初めてメナダに出会った時は、
非常にショックを受けた。
「ボラと全然違う!」これが第一印象であった。
扁平な頭、スマートな体型、そして何より色が違う。
少し赤銅色に染まった落ちついた色合いは、
もはや「まぶた」など見なくても、彼がメナダであることを主張していた。

メナダ生息地
ドブのように見えるが、小河川の河口部である。
奥からは、主に生活廃水を水源として、淡水が流れ込んできている。
この河川の場合、汽水域は長さ僅か数10m、水深も数10cmに過ぎないが、
メナダだけでなく、実に様々な種類の魚が見られる。
僕が確認したものだけ列挙すると、
シマヨシノボリ、ウキゴリ、スミウキゴリ、ビリンゴ、ゴクラクハゼ、マハゼ、チチブ、シモフリシマハゼ、
クロダイ、スズキ、シマイサキ、サヨリ、ボラ、ウグイ、クサフグ、ヒガンフグ、トラフグ
これらの魚がそれぞれ微妙な塩分濃度の中で住み分けている。
まさに、汽水域の魅力を凝縮したような水域であるが、
一つ難点を挙げるとすれば、排水路であるが故、少々汚い事であろうか・・・。
(日本海側の水系にて、8月)
撮影協力:北楽師門氏
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紀伊半島汽水域産、9月
 名前の由来となった背面の隆起
セスジボラ
海域汽下汽上淡水陸上
紀伊半島、沖縄島、濃尾平野などで確認している。
ボラやメナダなど、他のボラ類の幼魚の群れに混ざる形でいる事が多い。
大きめの個体では、背面の隆起により判別は簡単であるが、
数cm程度の個体では、特にメナダとの判別がしにくい。
その場合、本種の方がやや寸詰まりな感じがある事や、頭部が扁平でないなどで見分けるが難しい。
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 幼魚。 (紀伊半島汽水域産、9月)
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 成魚。 (四国太平洋側河川産、9月)
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