ボラその3



ボラは元々は南方の魚のようだ。
南の海で、展開される、様々なボラのバリエーション。
ここで紹介している以外にも、
日本近海にはまだまだいろいろな種類のボラがいるらしい。
できる事なら、汽水域で彼らと遭遇できれば、
こんな幸せな事はないだろう。

ボラ類の同定に関しては、naokiさんに助言をいただきました。


フウライボラ
汽水域に侵入していたフウライボラ(沖縄島産、12月)

フウライボラ

海域汽下汽上淡水陸上

一見して、まず気になったのはこの変な顔だった。
上唇は厚く、さらにめくれ上がってブツブツがある。
いかにも、「僕ら苔食いです。」然とした顔だ。
この個体は、海から少し上った、最初の堰堤下の溜まりに群れていたもの。
潮汐の影響はあるが、塩分濃度は、満潮時でもほぼ淡水に近い場所である。
辺りには大きめの石がごろごろあり、
フネアマガイの仲間があちこちにくっついていた。
それにしても、ボラの仲間は逃げ足が速い。
寸前まで来ても、網を発見するや、反転してジャンプ。
特にこのフウライボラは透明度のある場所にいたので、逃げる逃げる。
苦闘の末に、やっと捕まえたのが写真の個体である。


コボラ
寸詰まりな体型は愛嬌がある(沖縄島産、12月)     

コボラ

海域汽下汽上淡水陸上

紀伊半島や四国沿岸などでも見られますが、
南西諸島に行くと、とにかくこのボラがたくさんいます。
ボラは上から見てもほとんど区別がつかないので、
これの群れをとにかく採って、その中から違いそうなものを選り分ける感じです。
それでも何かわからない事も多いのですが・・・。
これも南方系のボラですが、先のフウライボラとは違い、
ヘドロが堆積し、メタンのあぶくが出ているような、都市河川でも見られます。
しかし、こういう環境にいたほうがボラらしい、
と思ってしまうのが、都市生活者の辛い所です。
しかし、彼ら「泥食い」のボラにとっては、
案外快適な場所なのかも知れません。
10cmくらいの幼魚が、あちこちの川で大群で見られました。


タイワンメナダ
タイワンメナダ幼魚(紀伊半島産、10月)     

タイワンメナダ

海域汽下汽上淡水陸上

南方系のボラの1つです。
本州でも、黒潮に運ばれて毎年数cmにも満たない稚魚が接岸するそうです。
上の個体は、秋に見られたもので接岸後しばらくたち、少し成長したものと思われます。
本州に流れつく南方系ボラ類のなかでは、比較的数が多いものだそうで、
改めて探してみると、意外と多く見る事ができました。
体はやや側偏しますが、ナンヨウボラほど偏平ではありません。

タイワンメナダ
夜間採集した個体
(紀伊半島汽水域産、10月)

タイワンメナダ
体の側偏がポイントだそうです。
(紀伊半島汽水域産、10月)

タイワンメナダ
体の側偏がポイントだそうです。
(紀伊半島汽水域産、10月)

タイワンメナダ
タイワンメナダとコボラ(右)
(紀伊半島汽水域産、10月)

タイワンメナダ
体の側偏がポイントだそうです。
(紀伊半島汽水域産、10月)



ナンヨウボラ
ナンヨウボラ幼魚(四国河川産、9月)

ナンヨウボラ

海域汽下汽上淡水陸上

南方系のボラの1種です。
四国の太平洋側の河川などで見られました。
他のボラ類に比べて、やや体高があり、かなり側偏するのが特徴だそうです。
胸鰭基部の上方に黒斑があるのも特徴的ですが、これは消えている場合がありますし、
他にこのような斑を持つ種類もいるので、採集した現地において正確に見分けるのは、
とても困難です。
また本種も、夏以降には本州沿岸に幼魚が現れる事があるのだそうです。

ナンヨウボラ
夜間採集した個体
(四国河川産、9月)

ナンヨウボラ
体の側偏がポイントだそうです。
(四国河川産、9月)



オニボラ
オニボラ(西表島産、10月)     

オニボラ

海域汽下汽上淡水陸上

これも南方系のボラ。
マングローブ群落のある河口部で見られました。
他のボラ類のような大群ではなく、数尾〜せいぜい10尾程度の群れが表層にいました。
もっとも、今回幼魚しか確認していないので、本来は群れるのかもしれませんが。
幼魚は太短く、また胸鰭を含む上半分の鰭は黒く、
尾鰭を含む下半分の鰭が黄色いという特徴ある魚なので、
判別が難しいボラ類にあっては非常にわかりやすく、また魅力的な種だと思います。
また、他の南方系ボラ類と同じく、本土にも現れる事があるようです。


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