ボラ
海域汽下汽上淡水陸上
「日本の淡水魚」(山と渓谷社)等の記述によれば、
日本には、海域を含めて、14種以上のボラ類が分布するという。
その中の何種かは、本来生活史の中で、必ずしも淡水を必要としないにも拘らず、
汽水域、そして淡水域へと陸域深く侵入する。
中でも特にボラは、適応範囲が驚く程広いようで、
堰などで、遡上が困難な場所を除いては、
海水淡水を問わず、全国どこでも見られる魚となっている。
ことさら汽水域では数多く見られ、春から夏にかけては、
大量の稚魚が河川下流域で観察できる。

海から遠く離れた、付近には田圃の広がる扇状地の灌漑用水路。
この様な環境にもボラは出現する。カワムツB型、イトモロコ等と共に見られた。
(日本海側の水系にて、8月)

本州太平洋側では、最もポピュラーなボラ類、”ボラ”
■ボラとの出会い■
僕にとって、ボラは思い出深い魚である。
小学3年生の頃、よく父親と港に隣接する貯木場へ行く機会があった。
今思えば、そこは汽水環境で、
浮かべてある丸太に乗って、カダヤシを掬って遊んでいたが、
あるとき、沖の筏に行っていた父が大きな魚を素手で捕まえてきた。
それがボラであった。
驚いて水面から飛び出し、筏の上に上がってしまったのだという。
父はそれが、「へそのある魚」だと教えてくれた。
僕はどうしても、ボラが自分でも捕まえたくなり、
沖の方へ行ってみた。すると、沢山のボラがおり、
僕の姿を見ると、案の定丸太の間をジャンプしながら逃げて行く。
頑張ったものの、、結局その日は自分では採る事ができなかった。
父が採った3尾が、夕食のおかずとなったが、
今でも、あの「ヘソ」と呼ばれる胃の苦さは強烈に憶えている。
しかしそれ以来、ボラは僕にとって何か気になる存在となった。
ボラ1尾がなかなか採れなかったあの頃が、今思うと懐かしいが、
ハゼやコチもいたその貯木場も、今では埋め立てられ、
思い出の中だけになってしまった。

沖縄島で採捕したボラの幼魚。よく肥えている。
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