エイ


「エイ」というといかにも海の魚というイメージだが、アカエイは河口域で見られる事もある。
その姿は、まさに泳ぐ座布団。普通の魚にはない魅力を持った、河口域の大物だ。




アカエイ
アカエイ♀(濃尾平野河川、6月)

アカエイ
なかなかカワイイ顔?

アカエイ

海域汽下汽上淡水陸上

写真は伊勢湾流入河川にて釣穫された全長約1mの個体。
主として内湾に生息するエイだが、夏季には河川下流部に侵入するようだ。
今回確認した河川でも、ウナギやスズキ釣りなどの外道として、相当数が釣られている。
尻尾のトゲに強い毒がある事は有名だが、歯も鋭いので注意が必要。
エイも飼育できれば魅力的な魚だと思うのだが、いかんせんこの大きさでは無理だろう。
写真の個体は雌だが、尻鰭の付け根に雄ではクラスパーと呼ばれる交接器が見られる。
撮影協力:西村氏(日本淡水魚類愛護会)



■棚ぼたアカエイ撮影記■
6月下旬のこの日、僕と西村氏は夜になるのを待って某河川下流域に向かっていた。
今日の目的は、アカエイを確認する事。
時期としては少々早いかもしれないが、前々から暖かくなったらアカエイを狙おうと申し合わせていたので、
実は僕らにとっては、満を持しての決行でなのである。
先ずは近所の釣具屋で情報を聞く。
いきなり、「エイ釣りたいっていって来た人は始めてだわ」と笑われてしまったが、実際外道として結構つれているらしい。
勧められるままにカメジャコ(アナジャコ)とチョウセンゴカイを購入し、いよいよ釣り場に到着した。
少し風があるが、天気は上々。既にウナギ釣りの人や、エビをとっている人等もいるようだ。
仕掛けはセイゴ用とウナギ用の2種類用意し、何本かを投入。後は待つだけなので、他の釣り人の様子を探りに行く。
堤防上の闇の中に何個もの光の点が見える。竿先に付けた発光する目印だ。
少し行くと、何やらグループがいた。すかさず西村氏が釣れますかと声をかける。
すると何と、「エイ」との答えが返ってきた。もちろん僕らは目の色が変わり岸壁に駆け寄った事は言うまでもない。
都合のいい事に、それはもう岸壁のところまで寄せられていた。
「でかい!」軽く座布団くらいはありそうだ。寄せてはきたものの、あまりの重さに水から上がらないのだそうだ。
無理に引き上げれば糸が切れるのは間違いなさそうだ。
その時釣っている人が、もう糸を切るしかないので、自分で引き上げるならあげようかと言ってくれた。
僕らの答えは当然、「下さい!」であった。
しかしそれからが大変だった。西村氏が糸を受け取り、顔だけ水面に出るようにしておいて、
僕がタモ網に入れようと試みたが、どう考えてもエイの方がタモ網の直径よりも大きい。
それに尻尾の先が長くてなかなか網の中に入ってくれないのだ。
西村氏の手を見ると、今にも重さで糸が指に食い込みそうだ。そのうち何とか尻尾が網の中に入ったので、
タモ網に乗っけるような形で引き上げた。
ようやく陸揚げには成功したものの、相手はエイ。刺されでもしたらえらい事になる。
だからといって尻尾を切ってしまったのでは、せっかく貰った意味がない。
しかし、何はともあれ撮影しなければならない。西村氏が車までデジカメを取りにすぐさまダッシュする。
僕はというと、逃げないように監視しながらも、エイが弱らぬように水を掛ける。
間もなく西村氏が戻ってきて、無事撮影成功。エイにもやっと川に戻って戴いた。
棚ボタながら、今回の目的であるエイも見る事ができ、充分満足した。
機会があれば自分の手で釣ってみたいが、1つわかったことは、今回僕らが使用したヤワな竿や仕掛けでは、
絶対に釣り上げられないということだった。多分掛かった瞬間にブチッって感じだっただろう。
今回このような機会を与えて下さった、Fさんはじめ釣り人の方々に心から感謝いたします。ありがとうございました。
ちなみに、撮影を終わって僕らの竿を上げてみると、西村氏の投げた竿に、セイゴが1尾掛かっていた。



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