フエダイ


フエダイの仲間は、主に幼魚が河口域で見られる。
南日本から南西諸島にかけてよく現れるようだが、南西諸島では種類、数ともに特に多い。
その中でもゴマフエダイは、河川中流域まで遡る事もあるそうだ。
魚食性が強いので、ルアー対象魚として、近年注目を浴びつつある魚たちだ。



オキフエダイ
オキフエダイ幼魚(沖縄島河川産、7月)

オキフエダイ
より小さな個体

オキフエダイ(沖縄名:イナクー)

海域汽下汽上淡水陸上

南西諸島や四国沿岸の河川下流域にて確認しました。
河口域を中心に幅広い環境でみられる、南西諸島では最も普通のフエダイです。
沖縄島のある川では幼魚がテトラの間に見られました。その川はマングローブはない川ですが、
テトラの間をマングローブの根に模しているのかも知れません。
釣りをする場合、クロホシやゴマフエダイと比べて、明らかに積極的に餌を突つきに来る事から、
警戒心は薄いと思われます。
幼魚は黄色の縦縞が美しいですが、成魚は50cmを優に越える猛魚だそうです。
しかしそんな魚でも、幼魚のうちはかわいらしく、気の強いスミゾメスズメダイに追いかけられていました。


幼魚
(西表島河川産、10月)


湾内の港で釣れた個体。
(西表島沿岸産、10月)


メッキといっしょに釣れた。
(奄美大島河川産、9月)


南日本沿岸に現れる。
(四国太平洋側河川産、9月)




ミナミフエダイ
ミナミフエダイ?(西表島河川産、10月)

ミナミフエダイ?

海域汽下汽上淡水陸上

八重山諸島の河川下流域や湾内で見られました。
沿岸域に多いフエダイらしく、淡水の影響がある場所にも侵入するようです。
ニセクロホシフエダイとよく似ていますが、こちらには眼を通る暗色帯がないようです。
石垣島、西表島では、オキフエダイ、コトヒキなどとともに非常に多く見られました。
また、幼魚は河川汽水域に見られましたが、ゴマフエダイのように渓流域までは遡上しないようです。
好奇心が旺盛で、釣りをしたところ、非常によく釣れました。
下の個体は多少淡水の影響のある入り江で、オキフエダイとともに群れていたものです。


港にて釣穫(西表島海域産、10月)




ニセクロホシフエダイ
ニセクロホシフエダイ(沖縄島河川産、5月)

ニセクロホシフエダイ(沖縄名:ヤマトビー)

海域汽下汽上淡水陸上

南西諸島各地の河川下流域や湾内で見られました。
幼魚はオキフエダイなどと一緒に見られる事も多く、
南西諸島においては、恐らくは体側に黒点のあるフエダイ類の中では、一番多い種類だと思われます。
都市河川など、多少濁ったような場所でも侵入してくるようで、
遭遇する機会の多いフエダイですが、淡水域では見た事はありません。
オキフエダイ同様に好奇心は旺盛で、釣りをするとすぐ飛びついてきます。


”汽水釣り”では定番です。
(沖縄島、5月)




クロホシフエダイ
クロホシフエダイ幼魚(沖縄島河川産、7月)

クロホシフエダイ

海域汽下汽上淡水陸上

沖縄島の河川下流域などにて確認しています。
沖縄島では、オキフエダイの幼魚が見られた場所よりも少し上流の、
淡水域との境目あたりで見られました。
クロホシフエダイは、紀伊半島などでも見る事があり、「モンツキ」と呼ばれています。
オキフエダイに比べると少し臆病な気がしました。


むしろ本土に多いようだ。
(四国東側河川産、9月)


背面のようす。
(四国東側河川産、9月)


一見シマイサキ等とも似ている。
(四国東側河川産、9月)


興奮すると色が濃くなる。
(四国東側河川産、9月)


モンツキの顔。
(四国東側河川産、9月)



ゴマフエダイ
ゴマフエダイ幼魚(沖縄島河川産)

ゴマフエダイ(沖縄名:カースビー)

海域汽下汽上淡水陸上

南西諸島及び紀伊半島の河川下流域にて見られました。
「淡水魚は好きだが、汽水はどうも・・・」という方でも、
何故か本種だけは知っているという事がありますが、
本種が他のフエダイ類よりも、淡水域深くにまで侵入する魚だからなのでしょうか。
他のフエダイ類同様大きくなる魚ですが、幼魚はなかなか美しいです。
本州沿岸でも、夏季から秋季には幼魚が見られる事があり、死滅回遊である事が多いようですが、
少なくとも紀伊半島では、春先から数10cmの魚が見られる事があり、越冬しているようです。
幼魚は臆病な性格で、すぐに物陰に隠れてしまいます。


飼育個体(沖縄島産)


左と同一個体


成長とともに縞が薄くなる。(石垣島河川、10月)


汽水域を泳ぐ幼魚。
(奄美大島汽水域産、9月)




■フエダイ類の幼魚■
フエダイ類の幼魚は、上で紹介している種類を含めて、美しいものが多くあります。
熱帯魚だからと言ってしまえばそれまでですが、地味な魚の多い汽水域にあって、
フエダイ類はやはり、かなり華やかな存在です。
汽水棲熱帯魚を扱っている熱帯魚ショップなどでも、
稀にゴマフエダイやナミフエダイの幼魚が置いてある場合もあります。
それがまたいい値段が付いていたりして、「うへー」と思ってしまうのですが、
裏を返せば、それだけの値を付ける魅力がある、と言う事なのでしょう。
僕自身、実際汽水域で釣りをしていて、フエダイ類が掛かると綺麗なので結構嬉しい。
飼育については僕はよくわからないが、長期的飼育を考えれば、
汽水域でみられる種類はもちろんのこと、
ゴマフエダイなど、幼魚が純淡水域でみられる種類であっても、成長とともに
やはりある程度塩分を添加していく必要があると思われます。
餌などについては、特に難しいところはなく、クリルなど普通の肉食魚と
同じようなもので全く問題ないと思います。
また慣らせば、ペレット状の餌でも食べるようになります。




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