ヒラアジ


本州太平洋側では、夏の終わり頃から、”メッキ釣り”が盛んになる。
南の海から黒潮に乗ってやってきたヒラアジ類の子供達は、秋になる頃には20cm程に成長して、
釣り人のルアーを追う。
だが、年が変わる頃、海水温の下降とともに彼らの姿は消える。
”死滅回遊魚”。誰が名付けたかは知らないが、何と悲しい響きだろう。
しかし彼らの一部は、発電所など温排水のある場所に集まり、冬を越すのだという。
本来失われるべき命を人間活動に拠って繋ぐ彼ら。
果たして幸せだと言えるのだろうか。



カスミメッキ
”カスミメッキ”(沖縄島河川産、7月)

カスミアジ

海域汽下汽上淡水陸上

上の個体は沖縄島河川産。よく開けた河川の河口付近で他のヒラアジ類と群れていました。
港などでも釣れるため、相当数の幼魚が本州沿岸にも回遊してきていると思われるのですが、
本州では、ギンガメやロウニンよりも河川に侵入する数は少ないようです。
幼魚もメタリックな体に黄色いヒレが印象的ですが、
成魚になると、体側に青い斑点が現れさらに美しい姿となります。
下左の写真は紀伊半島への釣行時に、K氏が波止で釣り上げた海産の個体です。

カスミアジ
波止で釣れた個体
(紀伊半島海産、7月)

カスミアジ
汽水域を回遊していた。
(奄美大島汽水域産、9月)

カスミアジ

(奄美大島汽水域産、9月)

カスミアジ
これも波止で釣れた個体。
(石垣島海産、10月)



ロウニンメッキ
”ロウニンメッキ”(紀伊半島産、8月)

ロウニンアジ

海域汽下汽上淡水陸上

紀伊半島の汽水域他にて確認しました。
8月には、今年回遊してきたと思われる稚魚が汽水域で見られました。
上の個体はずっとギンガメアジだと思っていたのですが、どうやらロウニンアジの子のようです。
本州では、やはり数ではギンガメアジがやや多いと思われますが、
このようにロウニンアジもある程度は汽水域に入ってきているようです。
幼魚は非常に飼い易いですが、最終的には大きくなる海水魚である事を忘れてはならないと考えます。

ロウニンアジ
飼育下の個体
(紀伊半島産)

ロウニンアジ
ギンガメに混じって釣れる。
(四国東側河川産、9月)

ロウニンアジ
頭部。
(四国東側河川産、9月)

ロウニンアジ
背面のようす。
(四国東側河川産、9月)

ロウニンアジ
他種より体高が高い。
(四国太平洋側河川産、9月)

ロウニンアジ
幼魚は体側に縞が現れる。
(四国太平洋側河川産、9月)



ギンガメアジ
”ギンガメメッキ”(四国東側河川産、9月)

ギンガメアジ

海域汽下汽上淡水陸上

南西諸島、四国及び紀伊半島の河川汽水域にて確認しました。
本土の河口域で見られるヒラアジ類のなかで、一番多いと思われるのがこれです。
特に9月から10月頃にかけては、南日本の河口付近にたくさん現れます。
この時期は、餌でもルアーでも簡単に釣れるので、
和歌山では”メッキ”、高知では”エバ(長エバ)”と呼ばれ親しまれています。

ギンガメアジ
秋口には簡単に釣れる。
(四国東側河川産、9月)

ギンガメアジ
頭部。
(四国東側河川産、9月)

ギンガメアジ
背面のようす。
(四国東側河川産、9月)

ギンガメアジ
淡水域で釣った個体。
(奄美大島河川産、9月)

ギンガメアジ
四国では”長エバ”と呼ばれる。
(四国太平洋側河川産、9月)


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