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■シマシマ魚■
僕が飼った最初の海水魚は、コトヒキであった。
小6の頃だったか、夏の終わりのあるよく晴れた午後、
僕はタモを持って海へと出掛けた。
まだ残暑が続いてはいたが、空は随分高くなり、秋の気配を漂わせていた。
休みも終わり、真夏の喧騒を忘れたかのように穏やかな海水浴場。
僕はそこで、この魚と出会った。
2cm位のシマシマの魚が、波打ち際にたくさん群れていた。
タモを振ると、意外にも簡単に捕らえる事ができた。
「きれいな魚だなあ。」
純粋にそう思った。
と、同時に、この魚がどうしても飼ってみたくなった。
当時の僕は、淡水魚しか飼った事がなく、
海水魚の飼い方など、まるで知らなかったし、
「塩入れればいいんだ」位にしか思っていなかったのだが、
とりあえず、ポリタンクに1杯だけ海水を持ち帰り、水槽に入れた。
が、当然それだけでは足りるはずもなく、
水道の水を足して、申し訳程度に食塩を入れた。
濾過も貧相なもので、投げ込みフィルター1つだけ。
今にして思えば、無謀極まりないが、それでも「シマシマ」達は死ななかった。
それどころか、金魚の餌をパクパク食べ、
僕を見ると寄ってきたりさえするようになった。
しかし、1回り大きくなった11月の始め頃、
急に餌を食べなくなり、僅か2〜3日で次々と死んでしまった。
とても悲しかった。
だが、当時の僕には、原因はさっぱりわからなかった。
それから何年かして、僕はこの魚が南方系であること、
そして幼魚期には汽水域に侵入する魚である事を知った。
あの時「シマシマ」達は、忍び寄る冬の寒さに耐えられなかったのだ。
そして今、汽水域で再会した「シマシマ」達を飼育している。
もちろんあの時の「シマシマ」達が教えてくれた教訓を、僕は忘れてはいない。
我が家にあるコトヒキ達の水槽は、冬である今も、常夏である・・・。

シマは、より直線的である。

コトヒキの攻撃を受けたシマイサキ
シマイサキ
海域汽下汽上淡水陸上
コトヒキの分布が南に偏っているのに対し、
本種はより北方まで見られるようだ。
事実、日本海側で見られるのは、殆ど本種の方である。
幼魚は淡水域にも多く、中流域で見られる事もあるほど。
また、コトヒキの幼魚が群れをなすのに対し、
本種は単独で見られる事が多いように感じる。
飼育について難しいところは全くなく、
最初は生餌から慣らすが、人工餌にもよく餌付く。
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