モノダク/スキャット



ヒメツバメウオ(モノダク)やクロホシマンジュウダイ(スキャット)は、 テッポウウオやミドリフグ等と並んで、古くから汽水性熱帯魚の代表としてよく知られている存在です。
これら海水魚っぽい魚が川にいるというのは、何か不思議でもあり興味深い事でもあります。








ヒメツバメウオ幼魚
汽水域のエンゼルフィッシュという感じです。(本州太平洋側産、8月)

ヒメツバメウオ幼魚
塩濃度が比較的安定した穏やかな汽水域。ゴマフエダイやサツキハゼなども見られる事がある。
※画像はイメージです。

ヒメツバメウオ

海域汽下汽上淡水陸上

八重山諸島及び本州太平洋側などにて確認。
西表島などでは、河口域でかなりの数の群れを見る事ができます。
淡水域まで遡上する事もあるようなのですが、流れの速い場所よりは、淵など波のない淀んだ場所を好むようです。
上の個体は黒潮にのって本土に流れついた幼魚ですが、採集時はほんの数cmでした。
銀色の体に黒と黄色がよく映え、非常に美しい魚ですが、 眠っている時や弱っている時は体の色が黒っぽくなります。
また、この魚は他の魚の皮膚を突つく、いわゆるクリーニングをする事があるそうです。

モノダクティルス・アーゲンテウス
上記と同一個体。
(本州太平洋側産、飼育下)

モノダクティルス・アーゲンテウス
釣穫した成魚。
(西表島河川河口域、7月)

モノダクティルス・アーゲンテウス
上から。愛嬌ある顔。
(西表島河川河口域、7月)

モノダクティルス・アーゲンテウス
愛嬌ある顔。
(西表島河川河口域、7月)

モノダクティルス・アーゲンテウス
実はウキ釣りで釣れます。
(西表島河川河口域、7月)




クロホシマンジュウダイ
クロホシマンジュウダイ幼魚(沖縄島産、5月)

クロホシマンジュウダイ

海域汽下汽上淡水陸上

沖縄島にて確認しました。
幼魚は南西諸島の河口域などで時折見られますが、 四国南部などでの記録もあるようです。
幼魚は通常単独行動で大変臆病であり、危険を感じるとすぐに物陰に入ってしまいますが、 反面、飼育環境下では気が強く、またよく慣れる魚でもあります。
鰭の棘条には、アイゴ等のように毒があると言われています。






■汽水域とチョウチョウウオ■
南西諸島や黒潮の影響を受ける地方の沿岸では、 色鮮やかないかにも熱帯魚といった海水魚達の姿を見る事があります。
メッキやフエダイなども、充分に熱帯魚なのですが、やはりチョウチョウウオやベラ等は、 そのカラフルさにおいてその中でもひときわ目立つ存在です。
これらは南に行くほど多く見られるわけなのですが、本州や四国の沿岸にも結構幼魚が流れついてくるようです。
もちろん本州などにおいては、ほとんどの種類が見られるのは初夏から晩秋にかけての水温が高い時期に限られますが、 チョウチョウウオの幼魚などを探して繰り出す、海水魚愛好家の方の姿を磯でみかけるのもこの頃です。
ところで上で紹介しているモノダクやスキャットが川に入るのはよく知られていますが、
ハタタテダイやトゲチョウチョウウオといったチョウチョウウオの仲間も高水温期には汽水域で見かけることがあります。
ただ、メッキやモノダク等のように淡水域深くまで侵入するというのではなく、ほとんどは比較的塩濃度の安定した潟湖などと呼ばれる広い河口部に限定されています。
しかしそのような場所は明らかに淡水の影響を受けている場所であり、チョウチョウウオならばどの種でもという訳ではなく、 ほとんどがハタタテダイかトゲチョウであるという点からも、これらの種が他のチョウチョウウオに比べて、 汽水域に好んで侵入する習性を持っているのではないかと思えてなりません。
この他にナンヨウツバメウオの幼魚も沖縄島の河口付近では見た事があります。

ハタタテダイ
河口域に現れたハタタテダイ幼魚。(四国河川、9月)

海の写真
参考写真:トゲチョウ(中央)も汽水域で見ることがある。
(写真は海産個体、紀伊半島,8月)






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