U、黒点

U、黒点

 

@黒点の正体

黒点は、光球で見られる最も代表的な表面現象です。黒点の出現領域は限られていて赤道上にはほとんど現れず、南北両緯度の数度から40度くらいまでの帯状の領域に群れをなして出現します。平均的には11年の周期で増減を繰り返し、それに伴って多くの活動現象が誘発されています。

黒点数と気候の関係はまだはっきりしたことはわかっていませんが、ガリレオが黒点を発見した直後の17世紀、70年間にわたって太陽面上にほとんど黒点が現れませんでした。マウンダー極小期とよばれるこの時代は、ヨーロッパでアルプスの氷河が発達し、ロンドンのテムズ川が凍結して、日本では冷害による大飢餓が民衆を苦しめた「小氷河期」に対応しています。また、黒点数が増えるとフレアも多く起こると言われていて、黒点の周期と同じように、フレアの11年ごとに形が変わっています。

 

A黒点の構造

黒点の構造は、周囲の光球よりはるかに暗く見えることから、温度が周りに比べて低いということは予想がつきますが、それでも4000度以上と高温です。何よりの特徴は強い磁場を持っていることで大きな黒点では数千ガウスに達するものもあります。また、一般に電子や陽子などの荷電粒子は磁力線に沿う方向には比較的容易に動けるが、磁力線を横切ろうとすると強い抵抗を受けるため、結果として周囲から高温物質の黒点への流入、つまり熱の流入が遮られて低音になっているのであろうと考えられています。なお、磁極の異なる黒点が対になって出現することや出現領域の変化などから考えると、「黒点は相当深いところにおける対流によって形成される磁束管が浮上してできる」http://www.kcg.ac.jp/acm/a7068.htmlより引用)ということができます。

 

B磁場構造(マグネトグラム)

太陽面上の磁場構造を観測するために開発された装置を「マグネトグラフ」、それによって得られる磁気図を「マグネトグラム」といいますが出来る。図12はこうして得られたマグネトグラムは、磁極の違いが色で、磁場の強さが濃淡で表示されています。黒点のマグネトグラムからも黒点が強い磁場を持っていることが確かめられます。また、個々の黒点領域が異なる磁場の対で構成されているのもわかりますが、この極性の対のなり方が11年周期ごとに逆転し22年でもとにかえることもよく知られた事実であって、これを考えると太陽活動の周期は22年であると言うことも出来ます。

 

C黒点群

黒点は集まって群を形成することが多く、集まった形によって9種類に分類されています。A型は小さな単一黒点または小黒点が一群をなし、半暗部は見えず、磁場はN,Sの双極性を示しません。B型の黒点群は双極性で半暗部はありません。C型はB型と似ていますが、片方の黒点は半暗部があります。D型は双極性の黒点群で2つの主な黒点は半暗部をもちます。広がりは日面経度で10度以内です。E型は大きな双極性黒点群で2つの主な黒点には半暗部があり、その間には多数の小黒点が散在しています。F型はE型よりも大きく複雑な構造を示します。広がりは日面経度で15度以上です。G型は大きな双極性黒点群であるが2つの主な黒点の間に小黒点の散在しないものです。広がりは日面経度で10度以上です。H型は半暗部のある単極性黒点群で、主黒点の直径は2.5度以上。I型はH型と同じだが単純な黒点群で黒点はほぼ円形、黒点の直径は2.5度以下となっています。

このほか、磁場による3つの分類があり、α型は単一の黒点をもつ黒点群、β型は双極性を示す黒点群、γ型は両方の極性が複雑に入り乱れている黒点群となっています。黒点群はA型として生まれBC・・・→Iと変化し再びAに戻って消滅するものもあればABCAと途中のC型まで進化してその後小さくなっていくものもあり、変化は様々です。

 

D黒点観測

太陽面に黒いしみがあることは古代ギリシアのアリストテレスの高弟であるオフラストスが記録しています。中国では前漢の「准南子」に「日中にそん鳥(3本足のカラス)があり」と書いてあります。日本では「文徳実録」に851年、すもものように大きな黒い点が見えたとあります。黒点を太陽面の現象として認めたのは1610年、イタリアのガリレイとドイツのファブリキウスが望遠鏡を太陽に向けたときです。その後、多くの人々が黒点を観測し、黒点数の周期的変動を発見しました。

現在は投影法というやり方で観測が行われています。国立天文台の三鷹キャンパスでは1938年以来、8インチ、焦点距離3.6メートルの望遠鏡を使い、直径24センチの太陽像を写して黒点や白斑を記録しているそうです。黒点を何日か続けて観測すると、地球の自転が確認できます。

そして最後に黒点相対数を計算します。式はRk(10g+f)で表せます。Rは黒点相対数、kは観測者、観測方法による補正係数で観測結果を基準に一致させるものです。ウォルフの観測条件(口径8センチ、焦点距離110センチ、倍率64倍の屈折望遠鏡による直視法)をk=1とし、各観測者は黒点数データ-センターの発表地と自分の観測結果とを比較して求めます。gは黒点群の数で、たった1つの黒点群を見落としただけで黒点相対数Rは11も違ってしまうので重要です。そしてfはその日に見えた黒点すべての数です。