タイトル

技術の分析・統合の力を育てよう

 高学年では「走り幅跳び」という教材で学習をすることがある。しかし、「走り幅跳び」の技術は一瞬にして終わってしまうところに凝縮されているので、中学年の子どもたちには認識しにくいと考える。そこで、“スローモーションの走り幅跳び”とも言える『チョコレイトとび』を教材にした。
 『チョコレイトとび』とは、子どもたちの遊びにヒントを得た運動である。「じゃんけんグリコ」とか言って、じゃんけんをして「グー」で勝てば「グ・リ・コ」と3歩すすみ、「チョキ」で勝てば「チョ・コ・レ・イ・ト」と5歩ですすみ(「チ・ョ・コ・レ・イ・ト」と6歩にする子どもたちもいる。が、そうすると「パー」の時と一緒になるので意味がない)、「パー」で勝てば「パ・イ・ナ・ッ・プ・ル」と6歩すすむというルールでおこなうゲームの「チョ・コ・レ・イ・ト」の部分を採り上げたものである。
 今回は、「たくさん(遠くへ)跳びたい」という子どもたちから出た願いを達成するために、グループで「仮説」を立て、「検証」し、みんなで「一般化」していく。そして、その「一般化」された技術を「獲得」するように考えた。

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7 2003.12.25(thu) 確かめのジャンプ
 本時は、『学習の成果を生かしてリズムよく大きな跳びをすることができる』『役割にしたがって記録を計測することができる』ことがねらい。
 最初にグループごとに赤白玉を置きながら、確かめの練習を行った。今までの学習事項として
  1. 手は「グー」にして力を入れてふる
  2. 足は前の方にひらいてとぶ
  3. 4歩目の「イ」を短くしてとぶ
  4. 5歩目の「ト」を大きくしてとぶ
の4点を確かめるように指導した。
 その後、グループごとに記録をとった。

《授業の様子》

記録    とびたい
ためしのジャンプ同様、分担して記録をとる   最後に「みんなの前でとびたい人?」…いっぱい

《今日のジャンプより》

 
   

↓スローモーションだとリズムがよく分かります↓

 確かめのジャンプをみてみると、「ト」を大きくすることは全員が達成したと言える。このことは、今後の走り幅跳びの学習に生きていくであろうと思われる。さらに、ビデオ分析をしていて明らかになったことだが、この「ト」の跳躍中、後半のフォームは跳躍距離をかせぐための技術としてとても大切なものだと気がついた。技術の分析・統合という点ではこのフォームに着目し、そこを学習ポイントにしなかったのがもったいない感じがした。しかし、「ト」を大きくすることをめざした結果がこのフォームに表れたということは、一定の成果としたい。次回実践を仕組む際には、このフォームの部分も学習内容として積極的に扱うとよいだろう。

6 2003.12.22(mon) ラストを大きく
 本時は、『最後の1歩を大きく跳ぶための全体のリズムを見つけて跳ぶ』ことがねらい。
 基本的な線として、「イ」を短くして「ト」を長くすることは確認できた。しかし、あまりにもリズムにこだわりすぎると、気持ちよくジャンプできない。跳躍距離が伸びないという問題が見られた。
 そこで、絶対的な条件としては「ト」を長くすることだけだと考え、そのための全体のリズムを見つけて体得し、跳躍距離を伸ばすようにすることを強調した。

《授業の様子》

    
このジャンプは↑どう?

《ノート》

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 ノート1  ノート2

5 2003.12.18(thu) 歩幅は?
 本時は、『歩幅についてより遠くに跳ぶためのリズムを見つけることができる』ことがねらい。
 前時の課題になっていた歩幅について確かめることにした。
 確かめるポイントは
  1. 「チョ」「コ」(最初の2歩)について
  2. 「ト」(最後の1歩)について
  3. 「イ」(最後の1歩前)について
の3点についてである。

《授業の様子》

とんだら はばを見る   
跳んだら赤白玉を置き、歩幅を見る。うまく跳べたときはどうなっているかな?  このジャンプ↑は、どう?

《ノート》

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 ノート

5 2003.12.16(tue) 発表から一般化
 本時は、『グループごとの検証結果を発表できる』と『こつとしてまとめたポイントを体感することができる』ことがねらい。
 まず、各グループで自分たちの発表する内容を確認しながら練習をした。
 発表するポイント(見るポイント)は
  1. 手のかっこう
  2. 足のかっこう
  3. 助走について
  4. 歩幅について
の4点にまとめることができた。
 この4点もしくは3点くらいをグループごとに、自分たちはどうしたかということを言ってから、跳ぶことにした。
 発表の後は、全員で、この4点についてどうだったか話し合った。そして、
  1. 手のかっこうは…肘を曲げて手を握って力強く振る
  2. 足のかっこうは…またを広げて大きく歩幅をとる。膝を上げるのではなく前に広げる。
  3. 助走については…思いっきり走ってくる
  4. 歩幅については…最後の1歩は大きくする。最初の2歩を大きくする。ラスト1歩前を短くする。
ということになったが、歩幅については確からしいという意見が出なかった。で、それでいいのかどうか疑問が残った。次時への課題。

《授業の様子》

発表
時間短縮のため、グループの全員が同時に跳ぶという形を取った。やる側としては心強く感じて堂々と発表できたが、観る側としては観点がぼけてしまったような気がした。

4 2003.12.11(thu) 仮説の検証
 本時は、『立てた仮説をグループごとに検証することができる』がねらい。
 グループで立てた仮説について実験しながら検証していく時間である。実験のしかたについては、「比較実験」を行うように指示した。比べてみてやっぱりこうした方がよいのだというふうに答えを導きたいと考えたからである。

《授業の流れ》

  1. グループの仮説の再確認
  2. 検証のしかたの説明
    • 「こうするといい」と「これはダメ」と両方やってみる
    • とんだ感じと友だちにみてもらったようすではんだんする
    • 目じるしを使っておおまかなきろくではんだんする
  3. 実験による検証
  4. 検証結果の確認
  5. ふりかえり

《授業の様子》

膝を上げて 膝を上げて   腕で引き上げて  股関節を開いて
膝を上げてみたらどうだろう?   腕を大きく振ったらどうかな   またを大きく開いたらどうかな?

確かめた結果を     
確かめてきてどうだったかノートにまとめる    こんなジャンプはいかが?        

3 2003.12.10(wed) 仮説づくり
  本時は、『より遠くにとぶための仮説をつくることができる』ことがねらい。
 最初に、ためしの記録取りの後に書いたみんなの「学習の願い」を提示した。簡単なことだが、「より遠くに跳びたい」というものだ。「○m以上跳びたい」と記録への伸びを望んだ子、「○○さんのようにたくさん跳びたい」と人を目標にした子、いろいろではあったが、この願いに集約される。
 そこで、「じゃ、遠くに跳ぶためにはどうしたらいいか考えようよ」という投げかけで入った。「かせつ」という言葉は子どもたちになじみがないが、ここでは仮説→検証→一般化→技術の定着という方向にもっていきたかったので、説明をして使った。
 ウォーミングアップの後は、次の順のグループ学習にした。
  1. 個人でいろいろやってみる
  2. グループ内で交流する
  3. グループの仮説としてまとめる

《授業の様子》

歩幅を伸ばす       手の振り方    リズムについて
歩幅を伸ばすために足を開いたらいいんじゃない?  腕を曲げた方がいいのかな?  チョ・コ・レイッ・トっていうリズムだよ

印を付けて   ノートまとめ
跳んでみたら印を付けて確かめてみよう  グループで仮説をまとめてみよう

《ノート》

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 ノート1  ノート2  ノート3

2 2003.12.04(thu) ためしの記録とり
 本時は、『記録取りのための役割を果たし、ベースになる自分の記録をつかむことができる』ことがねらい。
 課題はこちらから提示し、記録を取るのにどんな仕事が必要か知らせた。1グループを例にとり、実際にローテーションしながら1つひとつの仕事内容を確かめた。
 難しかったのは、ふみきり位置を見ること。一応ふみきり線を指定したのだが、そこできっちり踏み切れることが少ないのに加えて、見ている側には助走との区別がつきにくく、1歩余分に見てしまったり、少なく見てしまったりした。見る側はとにかくしっかり見ることと、跳ぶ側はふみきり線を意識することを指導した。
 話の後は、練習をする時間を少しとった。
 「チョ・コ・レ・イ・ト」の5歩で行くことが絶対条件になるので、リズム合わせ、助走あわせをすることが重要になる。跳んでいる子に合わせて、グループの中で「チョ・コ・レ・イ・ト」と声を出すように助言。自分でも口リズムを出すように助言した。

《授業の様子》

ためし はかる とぶ
とぶ とぶ
ためしのジャンプ…グループのみんなで協力して計測する

 

1 2003.11.26(tue) いろいろなジャンプ
 ジャンプのいろいろを経験し、楽しさを味わう導入をおこなった。
 本時は、『ジャンプのおもしろさを味わったり、チョコレイトとびのやり方を知ったりして、今後の学習への意欲をもつ』ことがねらい。

 本時の流れ

  1. いろいろなジャンプ
    1. 高く跳ぶ
    2. 幅広く跳ぶ
    3. リズムに合わせて跳ぶ
    4. 続けて跳ぶ
  1. グリコじゃんけん
  2. チョコレイトとび
    1. 立った場所から
    2. 走ってきてふみきり線から

 合間合間にストレッチやPNFを入れて筋肉をほぐしながらおこなった。子どもたちは、それぞれの運動に意欲的に取り組んでいた。
 これからの単元でやっていくチョコレイトとびでは、すでに最後の一歩で大きく跳ぶようにして、着地を両足にしている子がいた。例に挙げて跳び方の基本としておさえてみんなもやってみるようにした。
 5歩のリズムは、ほとんどの子がとれていたが、3〜4人の子はゆっくりでないと5歩で両足着地ということが難しそうだった。

《授業の様子》

高く跳ぶ 高く跳ぶ 高く跳ぶ
高く跳ぶ…いろいろなかっこうで跳んでみると…おもしろい

立ち幅跳び 立ち幅跳び
幅広く跳ぶ…体力テストの立ち幅跳び…両足ふみきり。だけど…あれっ片足になっちゃう子も。

PNF じゃんけんグリコ じゃんけんグリコ
合間にPNFで筋肉をほぐす      「じゃんけんグリコ」で歩数のリズム          

ちょこれいと ちょこれいと
いよいよ「チョコレイトとび」…みんなでやってみよう…最後の一歩の着地が両足になっている子がいた。◎。

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