W.不定期刊行 学び続ける教師だより
 
36.北海道師範塾「教師の道」車座講座in北見が開催されました! 【H29.2.11】
 
2月11日、北見市芸術文化ホール小練習室で車座講座が開かれた。
長野副塾頭のお声がかりとあれば当然…と言うことで、札幌から特急オホーツクで往復合計9時間近くかけて日帰り参加した。
もっとも、行って直ぐ受付をさせられたのはビックリ!
さすが長野副塾頭、人の使い方に無駄がない。
 
1.塾頭講話 吉田洋一塾頭
いつもながら、吉田塾頭の話を聞くと背筋がピッとしてくる。
特別な話をしている訳ではない。
ある意味、極めて当たり前の話ばかりだ。
しかし、だからこそ気持ちが引き締まる…逆説的だが、そう思う。
全部紹介するのは無理なので、私が特に「ピッとした」話を幾つか紹介する。
 ・何のために教育をするのか?
  それは、社会に出た時、独り立ちできるようにするためだ。
  そのためには、それそれの学校種で教えるべきことを教えることがひつようとなる。
  それぞれの役割を果たすことが重要だ。
 ・子供と教師の間の人間関係を築く時には、本当の意味での信頼関係を築かなくてはならない。
  そのためには、常日頃から些細な事をきちんとしていくことが大切になってくる。
 ・サビついている先生から教わる子供は不幸である。
  だから、教師はいつでもピカピカでなくてはならない。
  そのためにも、自分を磨き続けなくてはならない。
 
 
 
 
 
 
2.特別講演「生徒指導の充実に向けて」松本邦由先生
北海道教育庁オホーツク教育局局長の松本先生の講演。
前半は生徒指導の充実に関する内容だったが、後半は学校事故への対応や予防の話が多かった。
おそらく、これが現在、文科省が最も重要なテーマと考えているのだろう。
前半の生徒指導の充実に関しては3点挙げられていた。

 @児童生徒の理解
  ・日常の細やかな観察が大切となる。
  ・部活や委員会の際も見取る。
  ・理解して終わるのでなく、信頼関係の確立までもっていく。
 A望ましい人間関係づくりと個別指導
  ・教科指導とHR指導を含めて行なっていく。
  ・個性は集団の中で伸ばしていくものなので、互いの個性を
   認め合う学級風土にしたい。
 B学校全体で進める生徒指導
  ・学校経営に生徒指導を位置づける。
  ・生徒指導には学校全体で取り組む。
  ・家庭や地域と協同できれば、より効果が大きくなる。
 
 
学校事故については、結局は初期対応が重要という話だった。
初期対応でミスがあると、やはり学校不信をもたれてしまう事例が多いらしい。
児童生徒の安心や安全を第一に考えて行動してほしいとの事だった。
 
3.実践発表  M先生、H先生、K先生、Y先生
ある意味、今回の講座で私にとって最も重要な内容。
何せ、私の指導した4名が発表するのだ。
では、これは礼儀として必要と思うので、それぞれについて私の感想を述べる。
まずM先生。
何と言っても、「はなまるゲット大作戦」に絞って発表したのが良かった。
その実践がどんな内容で、どんな成果や課題があったのかが分かり易く発表されていた。
それにより実践の良し悪しがハッキリ見え、改善点が明確になる。
次にH先生。
こちらは実践は何種類かあったが、「全員が参加できる授業」という1つのテーマでまとめているのが良かった。
しかも、自分の失敗談から入っているので共感されやすく、アドバイスを受けて具体策を考えたあたりは大いに参考となる。
中でも、特定の子への特別ルールを全員を巻き込む工夫に変更した点は、ちょっと真似できないほど凄い。
そしてK先生。
こちらも漢字指導に絞って発表したのが良かった。
しかも、様々な漢字指導の方法を行なったことが細かく紹介されており、具体的に何が有効だったかが明確になっている。
個人的には、それぞれの指導で使われたアプリの紹介が有り難かった。
最後にY先生。
緊張していたのかもしれないが、落ち着いた語り口が安心して聞いていられる感じで大変良かった。
また作業学習を取り上げたのは、目新しい上に「構造化」の意味や意図が分かり易くなっていて効果的だった。
それと、これはM先生、K先生、Y先生に共通しているのだが、取り上げた児童生徒が1人に絞られていたのも良かった。
これはおそらく、3人が特別支援学級・学校の実践報告だったこともあるだろう。
いずれにしても、対象児童生徒が1人なので分析が細かく分かり易かった。
対応策も具体的に述べられ、分かり易く参考になった。
4名とも素晴らしい発表で、とても頑張ったことが感じられる。
助言者は、オホーツク教育局義務教育指導監である池野敦先生と北海道北見支援学校の学校長である千葉聡美先生だった。
お二方とも「良い発表だった」と言ってくれたのだが、特に池野先生は「何をやろうとし、何をやり、成果と課題がハッキリ見えたのが良かった」とまで言ってくださった。
4名とも本当にお疲れ様!
本当に、本当に、素晴らしい発表だったと思う。
なお、最後にTOSS網授研の仲間で現在は社教主事のT先生からも3点助言があった。

 @学びの場にドンドン出て行ってほしい。
 A色々な人とドンドン繋がってほしい。
 B今いる地域にドンドン関わってほしい。
 
 
さすがT先生。
これは、若い教師みんなに聞かせたい助言だ。
 
 
 
 
 
 
4.理事講座1「小学校外国語活動の推進に向けて」齊藤
前半は「外国語活動の推進の壁となっているのは何か」についての本音トーク、後半は「校内研修の実際」という感じの講座。
寺本先生からは、「ウチの奥さんが、こんな研修なら受けてもイイと言ってた」という有り難いコメントをいただいた。
TOSS網授研のI教頭からは「相変わらず速いですね」と褒められた(?)が、少々早口過ぎたと反省。
 
5.理事講座2「5年先の修業をすべし」寺本聡先生
5年先を見据え、今、学び続ける努力をしよう…という講座。
寺本先生や私には当たり前の話だが、若い参加者向けには重要な講座だったと思う。
 
6.理事講座3「次期学習指導要領『特別支援教育』カリキュラム・マネジメントの原則」鈴木重男先生
題名通りの内容の講座。
特筆すべきは鈴木先生の分析力だ。
K先生の報告で紹介された「偏と旁が分からない」という児童について、講座の中で、
「絶対的な左右は分かっていても、相対的な左右が身体感覚として分からない子はいる。その可能性も考えると良い」
…とアドバイスしていた。
また、途中で紹介された子供のビデオ分析では、その子の一見不思議な体の動きから何がどうなっているか見抜いた上、対応策も考えていた。
私は、「この子は手と足の触覚で周囲の状況を判定している」と判断したのだが、鈴木先生によれば、足の触覚で基本情報を得て、手の触覚で確認しているとの話だった。
言われてビデオを見れば、成る程その通りだった。
しかも、
「だから、この子は立つことができれば手だけで周囲の状況を判断できる」
…という対応策まで考えてしまうのだから、鈴木先生恐るべし。
私なんて、まだまだ修業が足りない。
 
7.特別講義「地域と共にある学校とは」池野敦先生
車座講座の締め括りを飾るに相応しい、聞き応えのある講義だった。
何点か紹介する。
 ・学校が良かれと考えて行なってることは、本当に良い事なのだろうか。
  それは保護者のニーズに合っているのだろうか。
  学校から家庭への一方通行になっていないだろうか。
 ・「開 かれた学校」として、学校がオープンになっているだけではダメ。
  「地域と共にある学校」として考えなくては。
  例えば、「学校が行うことはコレ」「家庭にやってほしいことはコレ」とハッキリ伝える。
  しかも、かなり細かく具体的に伝え、学校評価ですくい取る努力をしている学校がある。
  或いは、「勉強は大切だ」「学校はよくやっている」「うちの学校はイイ学校だ」という思いを共有するよう働きかけているか。
 ・学校行事が花形で良いのか。
  「勉強とは?」と問われたら、「何ができるようになるか」「何が身についたか」「何を学ぶか」「どの様に学ぶか」という四観点で分析できなくてはならない。
  しかも、それを現在の保護者に伝えていく必要もある。
 ・「社会に開かれた教育課程」を極めて乱暴に言えば、@立派な人づくりA人づくりは社会づくりBわが町のわが学校自慢…となるだろう。
  これを教育課程として、学校は保護者に説明しなくてはならない。
  しかも、学校長だけでなく新卒教師でも説明できる必要がある。
  それにより、学校の応援団が地域に増えてくる。
 ・小学校と中学校で評価に差があることが問題となる。
  ところで小学校は単元テスト一発勝負だから、学期末には教わった内容を忘れていることが多い。
  それに対し、中学校は中間期末テストを他の小テストで補完するため実力を見やすい。
  だから、例えば道教委のチャレンジテスト期末版をやることで、その子の実力を正しく判定し、中学校へ行ってからの評価差を埋めることに役立つだろう。
  いずれにしても、評価の仕方を小中で可能な限り共有してほしい。
 
そして、閉講式での塾頭の講評だ。
残念ながら、列車の関係で途中離席せねばならなかったのだが、前段で語られていたのが「繋がる」ということだった。
これは、「それぞれの(学校種で)役割を果たすことが重要だ。」という塾頭の最初の言葉と関連している…と、私は受け止めた。
学校種間での繋がり、保護者との繋がり、地域との繋がり…それらは、それぞれが自分の役割を果たすことでもある。
 
そんな事を考えながら、帰りの車中で一気に仕上げたのが、この研修通信。
いや、充実の1日だった。
 
 
 
 
 
                 文責:齊藤振一郎(札幌市立明園小学校)