W.不定期刊行 学び続ける教師だより
 
56.北海道師範塾車座講座in北見に参加しました! 【H29.11.18】
 
平成29年11月18日、車座講座が開催された。
会場は理事の寺本先生が学校長をしている北見市立美山小学校。
朝早くにJR札幌駅へ行ったが、何と、特急オホーツクが車両故障で点検中とのアナウンスが…。
札幌駅構内のストーブの前で、寒さに震えながら1時間待つ事となった。
それでも12時40分には会場へ到着し、開会式から参加する事ができた。
 
 
1.塾頭講話・吉田洋一塾頭
 
3点用意した内、2点のお話をされた。
1点目は「学び続ける重要性」について。
年輩教師が「若い人の発表だと学ぶ所が無いんだよね」と言っていた出来事を紹介し、続けて次の様な話をされた。
「学ぶ意思があれば何からでも学べる。
 この様な発言をしている人は学ぶ事の本質が分かっていない。
 囲碁の井山七冠は名人位を落として六冠になった時、若手の勉強会へ参加していた。
 若手の差す手は未熟な面もあるが、思いがけない手もあり学びが大きかったと言っている。
 井山七冠の強さは、この、何からでも学ぼうという謙虚さにあると思う。
 また、桂文珍師匠は教えている大学の学生に、『知らないという事は恥ずかしい事ではない』と言っている。
 『無知である事に甘えている事が恥ずかしい』とも…」
2点目は「先生が子供に差し伸べる手は、いかなる手か」。
「その手は『子供を生かす手』だ。
 その手からこぼれ落ち、子供が命を絶つ様な事があってはいけない。
 自分の枠だけで考えて外れた子供を排除していくのは、教師として失格だと思う。
 『もうコレでいいんだ』と思考停止してはいけない。
 だからこそ『学び続ける教師』である事が求められる」
 
2.特別講演「新学習指導要領に基づく実践とは」北野素樹先生
 
北野先生は北海道教育庁オホーツク教育局次長。
新学習指導要領の内、「カリキュラム・マネジメント」と「主体的・対話的で深い学び」を取り上げてお話された。
その際、図を使って説明されたのだが、この図が大変分かりやすかった。
ここで紹介できないのが残念だ。
特に「カリキュラム・マネジメント」では、「何を学ぶか」「何ができる様になるか」「
何が身に付いたか」「どの様に学ぶか」という4つの視点を与えられた。
これは校内で「カリキュラム・マネジメント」を考える際に大いに参考となる。
 
3.実践発表・S先生(高等学校教諭)
       辻 和彦先生(訓子府町立居武士小学校教頭)
       M先生(小学校教諭)
       Y先生(養護学校教頭)
 
 
 
 
 
 
 
 
S先生は学校図書館を活性化させた実践について発表した。
問題点を洗い出し、自分なりに対策を考え、力になってくれそうな方(今回は地域の司書さん)に相談し、着実に実行していく。
その結果、月に10名だった本を借りる生徒の数が15名になった。
数の変化としてはたった5名増えただけだが、割合で考えれば1.5倍に増えた事となる。
物凄い増加率だ。
しかも、その後も校内の先生方や生徒たちからの意見を聞き、新しい事に挑戦しようとしている。
S先生には申し訳ないが、最初、ここまで素晴らしい実践内容だとはは思っていなかった。
自分の不明を恥じると共に、S先生の実践を大いに讃えたいと思う。
また、今回の発表の中で国語の実践についても軽く触れていた。
これがまた興味深い内容だった。
この実践だけを取り出して発表しても良い程だ。
S先生には是非、次の機会を積極的に引き受けて実践発表してほしいと思う。
辻先生は昔からの知り合いなので、ここでは少し辛口で。
「地域と共にある学校」という事で様々な例を写真で紹介してくれた。
それは興味深かったのだが、辻先生自身がどの様な実践をしたかがハッキリしない。
前半の写真紹介を時間的にも量的にも半分くらいにし、どれか1つで良いので、事例を詳しく紹介してほしかった。
昨年度までの状況はこうで、辻先生が教頭としてどう関わり、その結果、今年度はこうなった…という発表だったら更に学びが大きくなったと思う。
M先生は新採用2年目だそうで、今年度は初の学級担任としてどう取り組んだかを発表した。
自分に自信のなかったM先生は自分の強みを洗い出し、それに基づいて学級経営や授業の方針を立てて実践したとの話だった。
S先生と似ている。
 @問題点(強み)を洗い出す。
 Aそれに基づいて対策(方針)を立てる。
 Bそれに基づいて実践する。
実に筋道の通った手法だ。
今の若手は、こういう手法を普通に行う事ができる…後生畏る可し!
Y先生は勤務校は若手が多い(研修を受けなければならない若手が全職員の73%!)ので、若手を育てるための校内実践を紹介した。
幾つかあったのだが、中心的に取り上げられたのが教頭通信。
かなりソフト路線で指導しているのだと分かった。
学級通信を学級経営の核にする先生も多いので、この方法は納得できる。
残念だったのは、この実践により若手が成長した実例の紹介が少なかった事。
ここが沢山あると、更に説得力のある実践発表になったと思う。
助言者は久保了乙先生(北海道立紋別養護学校長)、池野敦先生(オホーツク教育局義務教育指導監)、我妻孝史先生(同じく指導主事)の3名。
印象に残った言葉を紹介すると、
・人々の多様な在り方を相互に認め合えるのが、共生社会へ向けたインクルーシブ教育だろう。
・対象とする本人へのアプローチより、環境を変える工夫をした方が効果が大きい様に思う。(以上、久保先生)
・学校外へのアプローチ(S先生の場合は町立図書館司書さん)は大変良い。
 相手方も待っている。
 読み聞かせサークルなどとの連携も図書館活性化には良いだろう。
・管理職はビジョンとベクトルだ。
 共通のビジョンをもたせ、そこへ向けて職員を動かせるかどうかが大事になってくる。(以上、池野先生)
・若い人の多い職場での校内研修体制にはメンター研修をすると良い。
 その際、大きなテーマで考えさせるのではなく、ピンポイントで具体的な話をさせると成功しやすい。(我妻先生)
 
4.理事講座「ユニバーサルデザインの授業作り」松野浩毅先生
 
北海道師範塾で行ってる教師養成講座の現講座長の松野先生が、勤務なさっている恵庭市立和光小学校の実践を紹介してくださった。
ちなみに、松野先生の前に私の講座も予定されていたが、実践発表と助言が長引いて時間が足りなくなったのでカットしてもらった。
カットで大正解。
細部まで詰めてある素晴らしい実践…しかも全校で統一して取り組んでいる。
課題とまとめは必ず入れる。
チョークの色は使い方を揃える。
黒板は三分割で見やすく使う。
正面には余計な掲示をしない。
そして、TT担当として各学級に入る時に持っていく自作教材の数々。
私のやってる事なんぞ松野先生の足元にも及ばない。
ショボい実践がバレなくて本当に良かった。
ただ、松野先生は語りに熱が入りすぎて時間オーバー。
そのため、鈴木重男副塾頭の講座もカットせざるを得なかった。
楽しみにしていたので、これは残念。
 
5.特別講義「今、求められる学校の姿とは」池野敦先生
 
実践発表では助言者もなさったオホーツク教育局義務教育指導監の池野先生が、様々な点から語られた。
最初の指導監として学校の何を見るか…は冷汗三斗もの。
普段の私を見られたら、きっと校長先生は指導されまくるのではないだろうか。
道教委で作った教師のチェックリストも同じ。
10個中4個しか「はい」がないのは…やばい。
焦ってばかりでは学びにならないので、印象に残った言葉を紹介する。
・20代、30代、40代と研鑽を積んで円熟の50代になる。
 しかし、その50代であっても20代、30代、40代の努力をし続けないと教師としてダメになる。
 20代も大変だが、50代はもっと大変だと言える。
・教師は大した事ないと思い意識すらしていなくても、子供は大きな影響を受けている。
 その様な畏れをもって、教師は子供と向き合ってほしい。
・日本の若者は社会の役に立ちたいと思っているが、社会を変えらないとも思っている。
 その結果、将来的には自己中心的な社会になってしまうかもしれない。
 お互い知らない同士であっても、穏やかな関係性を維持できる社会にしたいものだ。
・子供の良さを、できるだけ分かりやすく見せる学級経営を目指してほしい。
 そのためには、誰もが「いいね」と言える実践を積み重ねる事だろう。
 
この後、19時からはホテル黒部で懇親会。
熱い語りあり、笑いありの充実した懇親会だった。
 
 
 
 
 
 
 
                 文責:齊藤振一郎(札幌市立明園小学校)